問題と視点
日本の気候変動政策
省エネプロジェクト
地域別影響
ラテンアフリカ
「進行する環境破壊は社会経済や健康問題を悪化させ、地方や沿岸の住民の移住を促すことになる。そして、国の内外において紛争を激化させることになるだろう。」―IPCC-
メキシコからチリ、そしてアルゼンチンなどの南米大陸全ての国と近隣海域がこの地域には含まれます。水資源量の変化は水力発電、穀物生産や牧畜に影響を及ぼし、特にコスタリカ、パナマ、アンデス山麓地帯そして、チリの一部、アルゼンチン西部においての被害が大きくなります。また、こうした被害がこの地域間の紛争につながる可能性もあります。
海面上昇による海岸の損失と海水の流入が中米、ベネズエラ、アルゼンチンとウルグアイの海抜の低い沿岸地域と河口付近で予想されます。
メキシコ、中米諸国、ブラジル、チリ、アルゼンチン、ウルグアイで農作物生産高の低下が予想され、栄養失調がすでに深刻な問題となっている地域では、これが悪化することが懸念されます。洪水、干ばつ、暴風雨といった異常気象現象による農業への打撃も予測され、バナナなどの主要作物の収穫への影響が出ます。収穫が減少すれば、先住民の生活も危うくなります。
特に影響を受けるのは大都市の周りに住む貧困層で、この中でも洪水に弱い氾濫原や不安定な丘陵の斜面などに住む人々への影響が大きくなると考えられます。媒介性の疫病発生地域は南方へと拡大し、高地に住む人々への感染も増加します。