問題と視点
日本の気候変動政策
省エネプロジェクト
地域別影響
小島嶼国
「小島嶼国は極めて気候変動と海面上昇の影響を受けやすい。最悪の場合、移住と再定住を考慮する必要がある。」-IPCC-
カリブ海、インド洋、太平洋、地中海などの海抜の低い島国や環礁では海面上昇の影響に対して特に脆弱となっています。バハマ諸島、モルジブ、ミクロネシア連邦、キリバス、マーシャル諸島、マルタ、そしてキプロスもこの中に含まれます。これらの小島嶼国では、海面が50cmから1m上昇すると、完全に海面下に沈んでしまう島もあるなど、広大な土地を失うことになります。住人の家屋や社会インフラが沿岸地帯に集中している国が多いため、被害が膨大なものとなってしまうのです。
また、気候変動と海面上昇で、小島嶼国では塩水の流入と降雨パターンの変化による淡水資源の不足が発生します。熱波、コレラ、デング熱やマラリアといった健康への影響も、ほとんどの国ですでに行き詰まっている補償制度をさらに圧迫する結果となります。こうした被害が拡大し、海岸の侵食も進むことで、こうした国々の経済状態を潤す観光産業も衰退することとなるかもしれません。
沿岸地域の保護対策に要するコストのGDP比が高いため、最終的には祖国を捨て、環境難民となることが唯一残された選択肢となってしまうことも充分にありえるのです。あなたは自分の家が水没して、家族を失い、難民にならなければならないとしたらどんな気持ちですか?
関連:南太平洋島嶼プロジェクト (プロジェクトは終了しています)