問題と視点
日本の気候変動政策
省エネプロジェクト
地域別影響
北アメリカ
「北アメリカは気候変動に対して比較的脆弱である。予測される影響には多大な被害をもたらすものも含まれる。」-IPCC-
この地域はカナダ、アメリカ合衆国、北極圏南部を含みます。ここでは長期化する豪雨やハリケーンの大型化、大規模な洪水や干ばつが予想され、水資源では冬、春には川の流量が増加し、夏には水不足が起こります。夏には川の流量の低下により汚染濃度が上がり、水質が悪化することも懸念されます。
全体でみると作物に対する影響は少ないと予想されるものの、局地的な損害は発生します。気候変動により、暖かい季節に取れる作物の収穫高増が見込まれる一方、東海岸、大陸南東部、大陸中西部のトウモロコシ栽培地帯であるコーンベルトでは収穫が減少します。また、森林火災も頻繁に起こるようになり、その被害範囲が拡大します。
地球温暖化による50cmの海面上昇で、8500から1万9000k㎡の土地が浸水する可能性があります。この中でも、高度に開発されたニューヨークやロサンゼルスなど河口海岸地域が最も影響を受けやすくなります。森林火災、土砂崩れ、そして異常気象により、経済的損失と健康への被害も拡大します。同様に、熱波による犠牲者も増加し、ウィルス性脳炎に発生も懸念されます。
アメリカ合衆国やカナダのように資源が豊富で技術水準の高い地域でも、様々な悪影響が及んだ場合、やはり膨大な対策コストを拠出するのは財政的に苦しくなるため適応措置を実施するのが困難になります。