国連気候会議
国際的な気候変動対策を話し合うために最も公式かつ中心となる場が、国連のUNFCCC(気候変動枠組条約)と京都議定書の会議、そしてパリ協定の会議です。
2015年12月、COP21パリ会議においてポスト京都議定書の枠組みをきめるパリ協定が採択されました。約1年後の2016年11月4日に発効の条件を満たし、パリ協定特別作業部会(APA)をはじめ、その後のCOP22などの場で、詳細なルール作りの議論が行われています。
UNFCCC(気候変動枠組条約)
最終目的:
気候変動が“危険なレベル”に至るのを避けるための温室効果ガス濃度の安定化
原則:
・先進工業国の歴史的な責任
・共通だが差異ある責任とそれぞれの能力
経緯:
1992年リオで採択
会議:
・基本的に年に1回COP(締約国会合)を開催
・SBSTA(科学的・技術的助言のための補助機関)、SBI(実施に関する補助機関)は年2回開催
・COP15までのスケジュールで、将来の枠組みを議論するAWG-LCA(長期的協力行動に関する特別作業部会)を開催
・コンタクトグループはSBとCOP合意に向けた制約のない交渉グループ
性格:
全ての合意は任意により法的拘束力を持たない
次期枠組みにむけた主要論点:
・共有ビジョン
・適応、緩和、資金、技術
・REDD(途上国における森林減少および森林劣化に由来する排出量の削減)
パリ協定
目的:
世界の平均気温上昇を2℃未満、1.5℃に抑える。 世界の温室効果ガス排出量を今世紀後半までにゼロに
特徴:
・全ての国が参加する国際法
・5年ごとに削減目標を見直し、強化する義務
・気候変動による損失と被害への認識が明確化された
主要論点:
・国別行動計画(「自国が決定する貢献」NDC)の仕様と適応への貢献
・透明性の枠組みの手続きとガイドライン
・2023年から5年毎のグローバルストックテイクの評価対象となる情報範囲、手続きとガイドライン
・気候資金、アカウンティング方法、など
京都議定書
目的:
先進国が拘束力のある削減目標を持つ
経緯:
1997年に京都で開催されたCOP3で 2008年‐2012年の間に、Annex1国(先進国)は温室効果ガスの排出を1990年比で全体でマイナス5%削減する約束を採択
会議:
・基本的に年1回のCMP(締約国会合)の開催
・CMP15までのスケジュールで、次期枠組みにおける先進国の削減目標を議論するAWG-KP(京都議定書附属書Ⅰ国の更なる約束に関する特別作業部会)を開催
特徴:
・温暖化防止を求める唯一の国際法(合意事項に法的拘束力を持つ)
・米は批准せず
・市場メカニズムの導入(排出権取引、JI:共同実施、CDM、森林吸収の適用
次期枠組みにむけた主要論点:
・京都議定書自体の見直し
・次の先進国全体及び先進国各国の削減目標
・京都メカニズム
・土地利用転換・吸収源の扱い、測定方法