政策提言
- JBIC環境ガイドライン
- 政府開発援助(ODA)
- JBIC原発指針
- 輸出信用機関キャンペーン
- 国際金融機関への提言
JBIC環境ガイドライン
策定プロセス(1999~2002)
1999年10月、日本輸出入銀行(輸銀)と海外経済協力基金(OECF)が統合され設立された国際協力銀行(JBIC)は、当時の世界銀行に次ぐ資金力をもった巨大な二国間金融機関となりました。このような大きな影響力をもつ金融機関には、人権侵害や環境破壊を防ぐための強力なガイドラインが必要です。
JBIC以前のガイドライン、特に旧輸銀のガイドラインは不十分な点が多くあったため、問題の多い開発プロジェクトへの融資が後を絶たなかったからです。
私たちは、NGO・市民の参加のもとに国際水準を満たす新ガイドラインの設置をJBICに働きかけました。
1999年春 統合ガイドライン策定の公約
JBICの設立法である「国際協力銀行法」が、99年4月に国会で成立しました。しかし、この法律にはどの条項にも、人権の尊重や環境・社会の持続可能性、情報公開、住民参加などは触れられていませんでした。
法案審議中、数名の議員が社会・環境基準に関する質問や指摘を行いました。これに対し、政府はODA・非ODA業務(旧OECFと旧輸銀の業務)に統一のガイドラインを作成すること、策定にはNGO・市民の参加を保障すること、ガイドラインが国際的な水準を満たすことなどを約束しました。また法案成立時、両議院で、一層の社会・環境配慮を求める付帯決議が可決されました。
1999年10月 JBICの設立と旧輸銀ガイドラインの策定
99年10月、旧輸銀は統合直前に初めて環境ガイドラインを策定しました。このガイドラインは、統一ガイドラインができるまで、JBICの国際金融等業務(旧輸銀業務)に適用されることになりました(旧OECFはそれまで使用してきたガイドラインをそのまま適用)。
しかし策定プロセスや内容に大きな問題があったため、国内外のNGOが意見書を提出しました。
1999年11月 「NGO・市民連絡会」発足
ガイドライン策定に関心のあるNGO・個人の連合体として、「ガイドライン策定に向けたNGO・市民連絡会」が発足。次の4原則に基づき、提言のまとめ、情報交換、調査、関係省庁への働きかけを行いました。
(1)情報公開と市民参加の拡大
(2)環境スクリーニング・アセスメントの強化
(3)人権と持続可能な社会への配慮
(4)最低限、国際的水準を達成すること
2000年10月 「ガイドライン研究会」の設置
00年10月には「国際協力銀行の環境ガイドライン統合に係る研究会」が設置され、新ガイドラインの内容について本格的な検討作業が始まりました。研究会は、JBIC、環境・開発専門家、NGO、関係省庁のメンバーからなる独立組織で、01年7月まで16回にわたりガイドラインの理念から内容、適切な実施のための体制まで広く議論しました。
2001年9月 最終提言とフォローアップ作業
「ガイドライン研究会」の最終提言は公開セミナーで発表されました。JBICがガイドラインの草案作成に入った段階も「研究会」参加者はフォローアップ委員会を組織し、最終草案が研究会の提言を踏まえたものになるよう、JBICと協議を続けました。
2002年4月 ガイドライン制定
ガイドライン草案は2001年12月にパブリックコメント(政府案に対する意見の公募)に付され、02年4月に制定、その後1年半の経過期間をおいて施行されました。
2002年6月 JBIC異議申立制度の設置に向けて
02年4月の制定を受け、ガイドラインが確実に実施され、遵守されるよう、プロジェクトの影響を受ける住民がJBICに対し異議を申し立てることができる機能についての検討が進められました。
異議申立制度の設置そのものに対する産業界からの強い反対もありましたが、NGOからも積極的な議論への参加、提言を行いました。12回にわたるパブリック・コンサルテーション、パブリックコメント等を経て、03年3月末に最終的な異議申立手続きが制定。03年10月に施行されました。
活動記録
2003.10.01 JBICの異議申立続要綱、10月1日に施行
2003.03.06 JBIC,NEXIの異議申立手続へのFoE Japanからのコメント送付
2003.02.25 JBIC/NEXIの異議申立手続き要綱が公開
2002.12.19 超党派国会議員がJBIC異議申立手続について申し入れ
2002.11.14 JBIC異議申し立て機関についてのコンサルテーション(11)
2002.11.14 JBIC異議申し立て機関についてのコンサルテーション(10)
2002.10.29 JBIC異議申し立て機関についてのコンサルテーション(9)
2002.10.29 NGOがJBIC異議申立手続き改定案への意見書を発表
2002.09.09 JBICの異議申し立て手続き要綱案発表
2002.09.09 JBICの異議申し立て手続き要綱案発表 <NGOのコメント>
2002.08.21 賛同依頼:国際協力銀行異議申し立て制度へのNGO提言(〆切:8月 28日)
2002.08.02 JBIC異議申立機関へのNGO提案について 意見交換会のお知らせ
2002.07.25 JBIC異議申立て機関についてのパブリック・コンサルテーション第3回の報告
2002.07.23 NGOが国際協力銀行の異議申立制度について提言 財務省、外務省、JBICに提言書
2002.07.08 JBIC異議申立て機関についてのパブリック・コンサルテーション第3回のご案内
2002.07.01 JBIC異議申立て機関についてのパブリック・コンサルテーション第2回の報告
2002.06.19 JBIC異議申立て機関についてのパブリック・コンサルテーション第1回の報告
2002.05.19 「途上国支援と環境ガイドライン」出版しました!
2002.04.01 JBIC新環境ガイドラインが制定されました!
関連情報
国会審議
2002.12.11 衆議院 財務金融委員会―円借款業務と国際金融等業務の異議申立手続の違いについて
2002.12.06 衆議院 環境委員会―国際金融等業務に関する異議申立の受付時期について
2002.12.04 衆議院 外務委員会―異議申立にもとづく融資契約調印の見合わせについて
2002.11.13 衆議院 外務委員会―異議申立の受付時期及び情報公開について
2002.11.07 参議院 環境委員会―異議申立の受付時期及び情報公開について
2002.11.06 衆議院 外務委員会―異議申立の受付時期について
2002.08.29 参議院 決算委員会―異議申立機関の独立性確保について
2002.07.24 衆議院 外務委員会―異議申立機関の設立に際して重視すべき3点について
環境社会配慮研究会
研究会の情報、議事録等はこちらへ https://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/frame_4.html