今年の4月に発表された新しい国際協力銀行の環境ガイドラインを受けて、ガイドラインの適切な実施を確保するための、異議申立手続の要綱案について、昨日、12月12日(木)12時20分から超党派の有志議員による国際協力銀行への申し入れが行なわれました。
申し入れには、谷博之参議院議員、福島哲郎参議院議員、福島瑞穂参議院議員、保坂展人衆議院議員、岩佐恵美参議院議員、中村敦夫参議院議員が出席し、18名の超党派の国会議員の連名で国際協力銀行の志賀理事に申し入れ書を提出しました。詳細は、谷博之参議院議員のホームページをご参照ください。
https://www.tani-hiroyuki.com/jbic2.html
今回の申し入れのポイントは、民間企業支援を行う、旧日本輸出入銀行業務、国際金融等業務における融資契約調印前の異議申立の受付です。11月18日のパブリックコンサルテーションで示された異議申立手続要綱案では、ODA業務においては、融資契約前の異議申立の受付を認めるとした一方、民間支援業務においては、融資契約調印前の異議申立の受付を一切認めないというODA業務と民間支援業務において手続に差を設ける案が提示されました。
会合では、民間支援業務とODA業務においてなぜ、手続の差を設ける必要があるのかについて、申し入れに参加した議員からの追及が行われましたが、JBICは意思決定メカニズムの違い、国際競争入札において本邦企業に不利になる、などを理由に、改めて、民間支援業務においては融資契約以前には異議申立を受け付けない方針を明らかにしました。
私たちは、これまでのコンサルテーションで、競合企業による入札妨害のための申し入れが行われないように、制度の設計に務めてきました。
また、民間支援業務における意思決定のポイントがはっきりしておらず、融資に関する最終的な意思決定は融資契約調印でしかない、という国際協力銀行の主張に対しては、現在検討が進められている欧州復興開発銀行の独立審査メカニズムの例に習って、ガイドラインの遵守・不遵守の調査を行なう環境担当審査役が、案件が最終的な意思決定の段階にいたっているかどうかについて判断できるようにすることを提案しています。
融資契約の直前まで、プロジェクトがガイドラインを遵守しているのか、どうかについて意見が分かれる場合、やはり第三者的な視点で、ガイドラインの遵守・不遵守の判断を行なえる制度を確保しておくことは、不可欠です。2月に異議申立手続の要綱案が発表される前に、再度、最後のコンサルテーションでの議論を踏まえて、要綱案が再検討される必要があります。