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JBIC異議申し立て機関についてのコンサルテーション(3) |
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<異議申し立て機関は必要か?>
6月28日に第2回目のJBICの異議申し立て手続きにかかわるパブリックコンサルテーションが開かれました。当日は「国際機関における異議申立手続き及びその問題点と考え方」という議題で、世界銀行グループの独立審査パネルやオンブズマン制度、アジア開発銀行の独立審査機能についての事例が紹介されました。
しかし、またもや日本プラント協会、日本経団連、石油工業連盟など産業界から、「二国間の金融機関でどこも異議申し立て機能を設置していないのに、なぜ日本だけそのような機能が必要なのか」「異議申し立て機関の設置が必要かどうかから議論すべきでは」「既存のJBICの異議申し立て機能では不十分だという事例があるのか」などの異議申し立て機関の設置は不必要ではないかという強硬論が相次ぎました。
最もひどかったのは機械輸出組合です。彼らは「私たちはこれまで途上国で電気のないところに電気を送り、鉄道のないところに鉄道を引くという、誰にでも喜ばれることをしてきている。こうした事業には積極的に融資を行なって欲しい。環境配慮は必要だが厳しすぎる制度によって、これらの事業が妨げられることはさけなければならないし、企業がこれらの追加的な社会環境費用を負担することはできない。」とプロジェクトによって被害を被っている地域住民への社会環境影響について、あまりにも低い産業界の現状認識を明らかにしました。
これに対して、社会開発の専門家からは「プロジェクトの途上国の人々の生活への負の影響という社会的コストが、これまで無視されてきたのではないか。企業はこの社会コストを費用として組み込むべきだ」との厳しい指摘がなされました。
にもかかわらず、日本プラント協会からはさらに「JBICのこれまでの問題への対応で十分ではないか。何か現状に問題があるのか」といった発言が出され、これまで、JBICの融資が問題となってきたタイのサムットプラカン汚水処理場、フィリピンのサンロケダム、ケニアのソンドゥミリウ水力発電事業、インドネシアのルヌンダムなど数え上げればきりのない、取り返しのつかない問題を引き起こしている現状を全く認識していないかのようです。
今後もかなり一方的な産業界の意見が横行することが予想されます。また、産業界、経済産業省は実名入りでの議事録の公開を拒否しています。会合の時間設定についても夕方以降の時間を提案しましたが、どこまで取り入れられるかはJBICしだいというところです。次回の日程は連絡があり次第ご連絡いたします。引き続き、皆様のご協力をよろしくお願いします。
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