国際セミナー アメリカにおけるLNG開発の実態と日本の関わり
いわゆるシェール革命以降、アメリカでは液化天然ガス(LNG)の生産が拡大し、2024年には世界最大のLNG輸出国となりました。日本国内は2024年末から2025年始めにかけてエネルギー基本計画や新たなNDCの提出など、様々なエネルギー・気候変動政策に関する議論が大詰めです。気候危機やエネルギー危機が深刻化する中、気候危機対策とエネルギー安全保障両方の観点から化石燃料依存からの脱却の必要性がより明確になる一方で、LNGが「繋ぎのエネルギー」として推進されています。しかし、ガス開発が進む米国内ではガス産業がもたらす汚染や健康被害から市民社会及び住民が強い懸念の声を上げています。
日本はG7のメンバーとして、すでに海外の化石燃料事業に対する直接的な公的支援を2022年末に終了することに合意しました。しかし、依然日本はLNG事業に世界で最も多くの公的資金を投じており、米国のガス開発現場における環境社会影響と無関係ではありません。本セミナーでは、ガス開発の影響を受ける住民や、メキシコ湾岸地域やガス採掘が集中するパーミアン盆地の最前線で活動するNGOの方々に、ガス事業の実態やメタンの影響について伺い、日本のエネルギー政策や気候変動政策にもたらす意味について考えます。
日時 | 2025年1月30日(木)17:00-19:00 (16:30からロビーで通行証を配布します) |
会場 | 衆議院第一議員会館 国際会議室 〒100-8981 東京都千代田区永田町2丁目2−1 ・「国会議事堂前」 ●丸ノ内線 ●千代田線 1 番出口 徒歩 3 分 ・「永田町」 ●有楽町線 ●南北線 ●半蔵門線 1 番出口 徒歩 5 分 ・「溜池山王」 ●南北線 ●銀座線5番出口 徒歩 8 分 |
申込み | 会場参加の方はこちら (定員100名) オンライン参加申し込みはこちら |
参加費 | 無料 |
主催 | FoE Japan |
●登壇予定者
シャロン・ウィルソン
オイルフィールド・ウィットネス代表。2014 年に認定光学ガス画像サーモグラファーとなり、現在は米国中を巡回して石油・ガス施設からの目に見えないメタン汚染を可視化し、メディア、国会議員、州議会議員、規制当局、投資銀行家などに現場を見せるツアーなども行ってる。11月30日に放送された「NHKスペシャル 調査報道 新世紀 File7 気候変動対策の“死角”」でも彼女の活動が取り上げられた。
関連リンク:
・メタンハンター、温暖化「犯人」の追跡者 特殊カメラで油井やガス井を監視、可視化(朝日新聞、2022年)
ロシェッタ・シブリー・オゼーン
ロシェッタ・シブリー・オゼーンは、小規模相互扶助と環境正義に取り組むルイジアナ・ベッセル・プロジェクトの創設者で、テキサス環境キャンペーン基金の化石燃料ファイナンスコーディネーター。ベッセル・プロジェクトは、最も弱い立場にあるコミュニティ、特に黒人、先住民族、有色人種、低所得者層の人々の支援に取り組む。
関連記事:
・On Gulf Coast, an Activist Rallies Her Community Against Gas Exports
・Southwest Louisiana residents grapple with pollution, clean energy during DOE’s Lake Charles visit
・最低限のニーズが満たされるためにコミュニティ内で助け合うことが活動の鍵ーアメリカ・メキシコ湾岸ガス開発現場視察報告(5)(FoE Japanブログ、2024)
マニング・ローラーソン
マニング・ローラーソンJr. 3世はフリーポート在住でコミュニティのためのアドボカシー活動を行う。住宅問題と環境正義を中心に活動する非営利団体フリーポート・ヘイブン・プロジェクトの創設者で、化石燃料産業によって人々の健康と安全に深刻な影響がもたらされている地域において、メキシコ湾岸の地域の腐敗と産業汚染とたたかっている。
関連記事:
Japan fuels U.S. LNG boom even as climate targets and impacts loom (Japan Times, 2024)
「私たちは毎日危険と隣り合わせに生きている」ーアメリカ・メキシコ湾岸ガス開発現場視察報告(1)(FoE Japanブログ、2024)