問題と視点
日本の気候変動政策
省エネプロジェクト
南極保全
南極海保護区設置についての要望書
2016年10月17日
要望書PDF
要望書PDF
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
外務大臣 岸田文雄 殿
環境大臣 山本公一 殿
農林水産大臣 山本有二 殿
水産庁長官 佐藤一雄 殿
FoE Japanは、日本政府に対し、来る10月17~21日にホバートで開催される南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)総会において、東南極およびロス海の2つの海洋保護区(MPA)の指定を支持するよう、強く求めます。
私たちが今年、強調したい点は以下のとおりです。
- 今や、妥結に向け交渉が進められているMPA案は東南極、ロス海、およびウェッデル海の3案となりました。このうち東南極とロス海の2案はすでに数年にわたり審議されてきており、CCAMLRはもうこれ以上の足踏みをやめ、次のMPA案に進むことができるよう、上記2つのMPAを速やかに設立すべきです。日本政府は、このプロセスに数年前から建設的な参画を続けてきており、今年の会議でも上記の両MPA案が合意に至るよう前向きな役割を果たすものと大いに期待されます。
- 日本政府の注力によりMPA設置基準チェックリスト案が策定されたことは評価されており、強制力のあるものにはならない見込みとは言え、チェックリストは今後、MPA設立を提案しようとするあらゆる組織にとって有用なものとなるでしょう。
- CCAMLR加盟各国はすべて、MPA管理に対し責任を担っており、日本も他の国々と協同する機会を活用することを奨励します。例えばドイツは、ウェッデル海MPA案の中に、ドイツ主催の研究航海に海外研究者が同行できる枠を設ける旨を盛り込んでいます。
- MPA指定に向けCCAMLRがリーダーシップを発揮することは、海洋保護を世界各地で推進する原動力の強化につながり、健全な海洋生態系を長く維持することを可能にするでしょう。
2016年CCAMLR総会でのMPA設立を達成すべく、日本政府が精力的に取り組むことを願っています。
以上
国際環境NGO FoE Japan
(FoE Japanは南極南大洋連盟(ASOC)のメンバーです)