問題と視点
日本の気候変動政策
省エネプロジェクト
温暖化の影響
水資源への影響
気候が変動することにより、気象パターンも圧迫されます。世界中の気象システムに異変が生じ、局地的な豪雨や降雨量の極度な減少などを引き起こします。地域によっては降雨量の増加で洪水の被害が増え、またある地域では降雨量の減少で水不足や砂漠化が起こります。雨季と乾季のサイクルも逆転させてしまう可能性もあります。
オーストラリア、インド、南アフリカ、南米各国、ヨーロッパや中東地域の川の水量は減少すると見られている一方で、北アメリカ、アジア諸国、特に中央アジアやアフリカ東部では川の水量増加が予想されます。水量が減少する地域では、汚染濃度が高まることで水質悪化が懸念されます。
しかし、最も心配されるのは水不足です。現在、世界人口の3分の1近い17億人が水不足に悩まされていて、地球温暖化によってこの状況は悪化するでしょう。水不足が起こりうるのは北アフリカ、中東地域、インド亜大陸などで、対照的に水資源を取り巻く状況の改善が予想される地域は中国とアメリカ合衆国となっています。
途上国では水管理システムの改良に要する費用は莫大なものとなります。先進国においてもその費用を拠出するのは難しく、水環境の悪化も避けられないかもしれません。
また、水不足による農作物の収穫高の低下による食糧不足も大きな懸念材料となっています。