トピック
被ばく
放射線を体に浴びることを放射線被ばくといいます。
被ばくには、地表や空気中にある放射性物質からの放射線を浴びる「外部被ばく」と、呼吸により放射性物質が不着したほこりなどを吸い込んだり、放射性物質を含んだ食物や水などを摂取することにより生じる「内部被ばく」があります。
チェルノブイリ原発事故で放射性ヨウ素が大量に放出され、小児甲状腺がんが増えました。これは呼吸や食べ物と一緒に体内に入った放射性ヨウ素が甲状腺に溜まったことによる内部被ばくが原因だと考えられています。福島第一原発事故後も、放射性ヨウ素による内部被ばくが懸念されましたが、放射性ヨウ素は半減期が8日と短く、また、初期段階の被ばくの測定が十分行われなかったため、どの程度の被ばくが生じたのかについては不明のままとなっています。
放射線は自然界にも存在し、私たちは日々宇宙、地殻、食物等に含まれる放射性物質から放射線を浴びています。これら自然放射線も医療や原発事故で浴びる放射線と同様に生き物の体の設計図であるDNAを損傷し、がんなどの原因になります。
放射線による健康被害には、一度に高い線量の放射線を浴びて起こる「急性障害」と、浴びる線量が低く(低線量被ばく)、確率的に発がんなどを引き起こす「晩発障害」があります。放射線にはこれ以下であれば浴びても影響がない、という「しきい値」(閾値)は存在せず、低線量であっても累積して量が増せば増すほど発がんリスクが高まると考えられています。