- 砂漠化の基礎知識
- 内モンゴルの砂漠化
砂漠化の基礎知識
砂漠化とは?
砂漠化とはどのような状態をいうのでしょう?
国際会議で取り上げられてから、砂漠化は次のように定義されました。
1977年 国連砂漠化防止会議:
「砂漠」は、「不十分な降雨あるいは土壌の乾燥が原因で、植生が極めて少ないかあるいは欠如している地域」。「砂漠化」とは、「土地のもつ生物生産力の減退ないしは破壊であり、終局的には砂漠のような状態をもたらすプロセス」
1992年 国連環境開発会議:
「砂漠化」とは、乾燥地、半乾燥地、乾燥湿潤地帯において、気候変化、人類の活動など、さまざまな要因に起因して起こる土地の劣化(Degradation)である。
1994年 砂漠化対処条約:
「砂漠化とは、乾燥地域、半乾燥地域及び乾燥半湿潤地域における種々の要素(気候の変動及び人間活動を含む)に起因する土地の劣化をいう」
このように二転三転した後、砂漠化は気候的原因だけでなく、人間の活動によっても引き起こされると定義されるようになりました。
砂漠化の原因
気候変動による自然的原因
地球は、何千年単位で乾燥期と湿潤期を繰り返しています。その推移の過程では、もう少し小規模の乾燥と湿潤を繰り返しています。こうした気候の変動によって、長期にわたって雨量が少ないことや、あるいは逆に、雨が集中的に降ることにより表面の土が流され、土地が侵食されるなど自然的原因が砂漠化の原因のひとつです。
人間の行為による原因
行き過ぎた耕作、放牧、伐採、不適切な灌漑による塩分の集積などが挙げられます。さらにその背景には人口増加、貧困、外国への借金の増加、貿易条件の悪化など社会制度や政治情勢への影響があります。
砂漠化の影響
砂漠化の影響を受けている土地・・・約36億ha =地球の全陸地の約1/4
砂漠化の影響を受けている人口・・・約9億人 =世界の人口の約1/6
砂漠化の直接的な影響は、食糧生産基盤の悪化です。これにより生活基盤の悪化、環境難民の発生、都市への人口集中など生活・社会面に影響を及ぼします。生物多様性の低下、気候変動への影響ももたらします。
食糧生産基盤の悪化が、新たに行き過ぎた耕作や放牧、伐採を生み出すため砂漠化は一層拡大します。
砂漠化の進行が、さらに新しい砂漠化を生みだす悪循環が起きているのです。