現地からの声~その開発は誰のため?

開発と人権
<今回ビデオに出演してくれた3名>

みなさんは、日本の官民が関わる開発によって世界各地で何が起きているかご存じですか?
「脱炭素」や「公正な移行」の名の下で進められる開発によって、現地で暮らす人びとは様々な問題に直面しています。
今回の動画でお話しいただいたのは、いつもFoE Japanのスタッフが現地調査を行っているチリ、フィリピン、フィジーの開発現場で暮らすコミュニティの方たちです。

<今回取り上げた3地域の位置関係図>

この3名からのメッセージの通り、日本の官民を含む外部者は、コミュニティや自然環境を第一に考え、開発に対するNO!という意見に対しても尊重し受け入れなければいけません。私たちは、これらの資源開発が、一体誰のために行われ、現地ではどのようなことが起きてしまっているのかを、知り、考え、行動に移すことが求められています。

日本が関与する開発現場の状況を知ろう!

各地での事業と問題点

チリ

事業:チリ北部には、多数の銅鉱山やリチウム開発対象の塩湖が存在します。銅やリチウムは再生可能エネルギーやEVなどに使用され、またAI等による電力消費増加のため、今後も需要が伸びるとされています。日本の官民も脱炭素化のため、これらの重要鉱物獲得に向け多額の投融資を行っています。
問題:この地域はアンデス山脈一帯の地域で場所によっては4,000m以上と標高が高く、非常に乾燥しています。代々この地に住む先住民族コミュニティや特有の生態系は、貴重な水資源に頼りながら生活を送っています。しかし、銅鉱山の操業もリチウム開発にも、大量の水が使用されます。これらの鉱物資源採掘により、すでに枯れてしまった塩湖もあり、たくさんの動植物が生命を脅かされています。

私たちの土地とコミュニティを尊重してください。ーヴィクトル・ニナ・ウアンカ氏

<ヴィクトルさんのコミュニティ領土内の塩湖ーリチウム採掘対象>

現地の声をもっと聞きたい方は👇
12月には、チリの銅鉱山により影響を受ける住民の方をお招きし、オンラインセミナーを開催します。詳細は、後日FoE Japanのホームページでお知らせします。

フィリピン

事業:日本企業が50年以上にわたり、採掘や製錬を行ってきたパラワン州のニッケル開発の現場では、EVや再生可能エネルギーの普及に欠かせないバッテリー需要の高まりから、採掘地域の拡大の動きが加速しています。
問題:発がん性物質である六価クロムなど有毒な重金属による近隣河川の汚染が15年以上にわたり続いています。また生物多様性豊かな、そして先住民族が「デワタ(神)がいる」と話す「ブランジャオ山」での採掘拡大により、先住民族・農民の生活が脅かされています。

破壊的な採掘をやめて!ージャミンダ・バルトロメ氏

<ジャミンダさんたちの水田の水源である、ブランジャオ山でのニッケル採掘>

現地の声をもっと聞きたい方は👇
<動画>
・脱炭素技術の裏側で リオツバ・ニッケル鉱山の拡張がもたらすもの
・気候危機と望まぬ開発:フィリピンのニッケル鉱山開発の裏側で
<過去のウェビナー>
・バッテリー材料生産現場で脅かされる暮らし~フィリピンからの訴え(2024年9月15日)
>住友金属鉱山にニッケル採掘・製錬事業の停止を求める署名はこちら

フィジー

事業:フィジー内陸部ナモシ郡などを流れるワイニコロイルヴァ川において、フィジーの電力会社Energy Fiji Limited(EFL)による水力発電用のダム開発事業が計画されています。この計画は都市部の電力需要や周辺地域の開発などを見越したものです。2021年に国際協力銀行(JBIC)と中国電力がEFLの株式44%を取得しており、日本の官民もこの事業に深く関与しています。
問題:ダム建設により川の水量が変化し、先住民族イタウケイの人びとが先祖代々営んできた伝統的な漁業や農業など、生活の糧が奪われる恐れがあります。建設に伴い村が水没し移転を迫られた場合でも、EFL側は補償や金銭的支援などを一切行わないと住民に明言しています。さらに、計画に反対する住民への開発圧力は強まっており、平和的な抗議活動を行っていた住民が不当に逮捕され、長時間の拘束を受けるなど、深刻な人権侵害も発生しています。

ダムはいりません。平和を望みます。ーチャレ・トマ氏

<近くに水力ダム計画がある川で遊ぶ子どもたち>

フィジー現地の声をもっと聞きたい方は👇
<フィジー先住民族の方々の来日記念集会>
・2026年10月28日開催!詳細はこちら
<動画>
・気候危機と望まぬ開発:フィジーのダム開発の裏側で
・ショート動画:気候危機と鉱山開発ー望まぬ開発に抗うフィジーの人びとの声 Part 1
・ショート動画:気候危機と鉱山開発ー望まぬ開発に抗うフィジーの人びとの声 Part 2
<過去のウェビナー>
・脅かされる豊かな自然との暮らし~フィジー・ナモシ銅鉱山(2025年2月8日)

他の開発現場で問題に直面している現地コミュニティの声も、ぜひお聞きください!

アルゼンチン

<過去のウェビナー>
・地球の裏側で起きているリチウム開発~アルゼンチンからの訴え(2025年7月3日)
・脱炭素の名の下に進むリチウム開発の負の実態~アルゼンチンでは今~(2026年4月16日)
・ウェビナー解説ブログ

インドネシア

<動画>
・脱炭素技術の裏側で インドネシア・ソロワコ・ニッケル鉱山より
<過去のウェビナー>
・インドネシアから届いたSOS―50年のニッケル鉱山開発がもたらしたものは?(2022年4月26日)
・拡大し続けるニッケル鉱山で住民の生活は今?脱炭素技術の裏側で(2023年3月15日)
・バッテリー材料生産現場で脅かされる暮らし~インドネシアからの訴え(2024年6月5日)
・インドネシアのニッケル鉱山開発に抗う住民の訴えー気候と人権の観点から考える「公正な」移行とは?(2025年12月8日)
・インドネシア先住民族の土地・生活・文化を奪ってきた鉱物資源開発――50年の権利侵害の実態から「公正な」移行を考える(2026年7月23日)

 

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