国際協力70周年 ミャンマー軍を利する「協力」ではなく困難な人たちに届く援助を今すぐ!ー外務省前アクション

#ミャンマー軍の資金源を断て
#JapanStopODAtoTheMyanmarJunta #NoMoreBusinessWithTheMyanmarJunta

日時: 2024年10月1日(火)
18:30~19:30 外務省前(最寄駅:霞ヶ関駅)
※少雨決行(荒天の場合中止) 
※最終的な実施判断は当日正午に本サイトでお知らせ予定 
※新型コロナウイルス感染対策を各自にてお願いします(オンライン中継も予定しています)

ミャンマーでは、気候変動の影響で激化する災害に人びとが苦しんでいます。しかし、国際的な支援の手は十分に届いてはいません。2021年2月1日にミャンマー軍がクーデターを起こしてから、3年8ヶ月にもわたり、軍は違法な状態で国を支配し、人びとを殺戮し、不当に拘束した人たちを拷問やレイプで苦しめています。各地で軍事的な抵抗を受け陸上での支配地域を徐々に失っている軍は、頻繁に空爆を行っています。空爆は、子どもを含む民間人を巻き込むだけでなく、村を焼き、人びとの生活基盤をも奪っています。このようなミャンマー軍の体制を正式な国家として承認した国はありません。

ミャンマー軍によって殺害された人は確認されているだけでも5,688人、死亡の詳細が未確認の方も約2,500人で、今も2万人以上の人たちが不当に拘束されたままです(9月23日時点。政治囚支援協会調べ)。国連人道問題調整事務所(OCHA)の発表では、9月初旬に首都ネピドー、バゴー、カヤー、カイン、マグウェイ、マンダレー、モン、シャン東部・南部という広範な地域を襲った台風「ヤギ(台風11号)」によって、推定88.7万人が避難を余儀なくされています[1]。しかし、軍に対抗する勢力が統治する地域に軍が援助することはありえません。軍自らの支配地域ですら支援が行き届かないためか、これまでは拒んできた海外からの支援を要請するとも報じられています[2]。

クーデターにより、契約先である選挙で選ばれたミャンマー政府が実質的には消滅したにもかかわらず、日本政府は既存のODA(政府開発援助)案件を継続したままです。その総額は7,396億円にものぼります。ODA事業には、バゴー橋建設のように軍系企業に利益をもたらすものがあります。また、日本政府が貸し出したODA資金がミャンマーの金融機関にプール・管理される「ツーステップローン」という形のODAがありますが、その資金は金融機関を支配下に置くミャンマー軍の管理下に入ってしまう恐れがあるなど多くの問題を抱えています[3]。

円借款はミャンマーが日本に返済しなければいけない「融資」です。ミャンマー軍の資金源となっている、またはその可能性が十分にあるODAの返済を、ミャンマー軍による深刻な人権侵害や残虐行為に苦しむミャンマーの人びとに、日本の私たちは数十年先まで負わせているのです。

今年3月にタイ政府が行った援助は、タイとミャンマーの赤十字社が実施し、ASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)が監督しました。この支援に関し、カレンのコミュニティや国内避難民(IDP)、難民への人道支援を促進してきたカレン民族の市民社会組織最大のネットワーク、カレン平和支援ネットワーク(KPSN)は、報告書「倒錯する優先順位 カレン州におけるタイの人道支援活動の概観(Conflicting Priorities: A review of Thailand’s humanitarian initiative in Karen State)[4]」で、

・支援をそれほど緊急に必要としていないIDP地域が支援の対象になった

・配布された救援物資がIDPの優先ニーズに合っていなかった

・ミャンマー軍の国家統治評議会(SAC)が広報のために人道支援を利用することを許した

といった問題を報告しています。また、援助を担うミャンマー赤十字がミャンマー軍の高官らが深く関わる組織であることも以前から指摘されていることです。国連など国際機関を通した日本の援助も、ミャンマー赤十字を通して行われており、「援助の武器化」が指摘されています。5月に私たちが主催したオンラインセミナーで、ASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)元所長のアデリーナ・カマルさんは、「軍政やミャンマー赤十字のような軍政の協力団体、または軍政と提携する組織を通じて援助を届ける国家中心主義的アプローチを重視する支援は、危機の文脈や現場の状況に合っていない」という重要な指摘をしています[5]。在日ミャンマー人や日本の市民グループも、軍を通さない国境越えの支援を続けています。日本政府は今こそ、現状を正しく認識し、従来のODAを脱却し、人びとに届く援助を実施すべきです。

10月6日は、日本がコロンボ計画に加盟し国際協力を開始した日として国の「国際協力の日」に定められています。この70年という期間は、ミャンマー軍が自治や民主主義を求める人びとを、「敵」として攻撃し続けていた期間と同じです。日本政府は、過去に、ミャンマーの軍事政権に援助を提供し、返済されなかった債務の多くを免除し、間接的にミャンマー軍の体制を支えてきました。また、先進国である日本は、激化する気候変動にも多くの責任を負っています。この過去を反省し、今、命の危機にさらされている多くの人びとを救うため、軍を通さない援助を日本政府に求めます。そのような市民の声を外務省・日本政府に届けるため、外務省前でアピールを行います。また、国際協力の日を目指し、市民団体の要請書を外務省に提出する予定です。

皆様、どうかご参加ください。

注:

[1] OCHA Myanmar. Myanmar: Flood Situation Report #2, 20 September 2024.
https://reliefweb.int/report/myanmar/myanmar-flood-situation-report-2-20-september-2024
[2] France 24掲載AFP配信記事. Myanmar junta makes rare request for foreign aid to cope with deadly floods.
https://www.france24.com/en/live-news/20240914-myanmar-junta-makes-rare-request-for-foreign-aid-to-cope-with-deadly-floods
[3] 【要請書】ミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を日本政府に求めます.
http://www.mekongwatch.org/PDF/rq_20231201.pdf
[4] 報告書Conflicting Priorities: A review of Thailand’s humanitarian initiative in Karen Stateの日本語訳.
http://mekongwatch.org/PDF/20240502_KPSN_ConflictingPriorities_Japanese.pdf
[5] 2024年5月18日開催「連続セミナー:ミャンマーからの声を聞く 第4回「危機を切り抜ける もっとも弱い立場の人たちに人道援助を届けるためには」での発言.
http://www.mekongwatch.org/events/lecture01/20240518.html

呼びかけ団体 

メコン・ウォッチ、国際環境NGO FoE Japan、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、アーユス仏教国際協力ネットワーク、日本国際ボランティアセンター(JVC)

問い合わせ先   

国際環境NGO FoE Japan
Email: info@foejapan.org 電話: 03-6909-5983

#ミャンマー軍の資金源を断て これまでの要請・アクション

・2021年3月4日 【要請書】日本の対ミャンマー公的資金における国軍ビジネスとの関連を早急に調査し、クーデターを起こした国軍の資金源を断つよう求めます(35団体賛同)
・2021年4月1日 【共同要請書】ミャンマー国軍を利する日本政府の経済協力事業を直ちに停止するよう求めます(19団体賛同)(4月8日更新版:10団体賛同追加)
・2021年6月1日 【共同要請書】日本政府はミャンマーに対する経済協力事業の全面的な見直しを(42団体賛同)(6月7日更新版:2団体賛同追加)
・2021年8月1日 【共同声明】 ミャンマー:クーデターから半年 日本政府は国軍の暴挙を止めるための具体的な行動を(20団体賛同)
・2021年9月15日 【要請書】イェタグン・ガス田開発プロジェクトからミャンマー国軍に資金が流れないよう早急な措置を求めます
・2021年4月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 外務省前アクション
・2021年4月9日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 官邸前アクション
・2021年4月13~19日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ 連続アクション報告:日本の7政府機関・12企業への要請・アピール
・2021年5月13日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ ミャンマーでの通信遮断=人権侵害をやめて!KDDI、住友商事前アクション報告
・2021年5月21日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ ストップODA!ダイ・イン @ 外務省前
・2021年6月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ 「日本政府は Act Now!」官邸前アピール
・2021年6月18日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ 人権侵害に加担しないで!ミャンマーでのガス事業 経産省・JX石油開発・三菱商事前アクション報告
・2021年7月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ 「ジェット燃料の軍事転用はない?」ENEOS前アクション /「独自のパイプ、錆びてませんか?」官邸前アピールの報告
・2021年8月2日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ クーデターから半年。ミャンマー追悼と希望の集い @官邸前 ~ 自由と未来と民主主義のために!
・2021年9月2日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ オンラインセミナー「クーデターから7ヶ月 現地情勢と日本の経済支援を振り返り、これからを考える」
・2021年10月1日(荒天により10月5日に順延) #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ クーデターから8ヶ月@官邸前アクション 新政権はただちにミャンマー経済支援の見直しを!
・2021年11月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 官邸前アクション ミャンマー情勢を見続けて9か月 新政権は今度こそ経済支援の方針転換を!
・2022年2月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 国軍によるクーデターから1年 日本政府に署名提出/官邸前アクション
・2022年3月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て イェタグン・ガス田開発から責任ある撤退を! 経産省・ENEOS・三菱商事前アクション 
・2022年3月22日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ オンラインセミナー「日本関与のイェタグン・ガス田からの資金を問う」 
・2022年4月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ミャンマー国軍が得する経済支援?まだ続けるなんて嘘でしょ ー 官邸前アクション 
・2022年5月13日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ オンラインセミナー「脅かされるミャンマーの少数民族の命と暮らし 悪化する人権状況の報告」 
・2022年6月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 土地の賃料が国軍に?! 日本政府はYコンプレックス支援の即中止を ー 官邸前アクション
・2022年6月15日 #ミャンマー国軍の資金源を断て クーデターから500日 ツイッターアクション
・2022年7月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 日本政府が秘密裏に国軍と「友好的な協議」?! 国軍への経済協力はあり得ないー 官邸前アクション
・2022年7月1日 内閣官房内閣審議官のミャンマー訪問に対する抗議と要請
・2022年8月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て  日本政府はミャンマー国軍とお友達のままですか?ー総理官邸前アクション
・2022年9月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て  人災は止められる 日本政府はイェタグン・ガス田から早期撤退と安全な閉鎖を!ー総理官邸前アクショ(雨天のため中止)
・2022年10月4日 #ミャンマー国軍の資金源を断て  これって「国際協力」ですか?日本政府は実施中の対ミャンマーODAを止めて!ー 外務省前アクション
・2022年10月4日 【要請書】日本政府の対ミャンマーODAの停止を求めます
・2022年11月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ミャンマー追悼と希望の集い~日本政府はミャンマー国軍と手を切って!ー 官邸前アクション
・2022年12月5日 #ミャンマー国軍の資金源を断て  大事なことなので何度でも言います!- 日本政府は実施中の対ミャンマーODAを止めて!ー 外務省前アクション
・2022年12月5日【要請書】日本政府の対ミャンマーODAの停止を求めます
・2023年2月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て  クーデターから2年 ~ 官邸前アクション「日本政府は対ミャンマー政策の再構築を!」
・2023年2月1日【共同声明】クーデターから2年 日本政府は対ミャンマー政策の再構築を
・2023年4月7日 #ミャンマー国軍の資金源を断て  日本政府はミャンマーに対する人権外交の実現を!ー官邸前アクション
・2023年6月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 日本政府は、ミャンマー国軍の残虐な国際犯罪を止める側に立って!-外務省前アクション 
・2023年8月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て  ミャンマー・クーデターから2年半実はASEANに丸投げ?日本の対ミャンマー政策は矛盾だらけ-官邸前アクション
・2023年10月3日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 新外相にもお伝えします!再び、対ミャンマー政府開発援助(ODA)の停止を求めます-外務省前アクション  
・2023年10月3日【要請書】改めて日本政府の対ミャンマーODAの停止を求めます
・2023年12月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を求めます-官邸前アクション
・2023年12月1日【要請書】「ミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を日本政府に求めます
・2024年2月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て クーデターから3年 今こそミャンマー軍を利する日本からの資金の流れを止めるべき!ー官邸前アクション

・2024年4月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 嘘でないなら裏がある? ミャンマー軍を利する日本の公的資金を止めて!ー官邸前アクション

・2024年5月28日 #ミャンマー国軍の資金源を断て オンライン署名「日本政府にミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を求めます」11,210筆提出 ー官邸前アクション 

・2024年8月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て クーデターから3年半 繰り返し、日本政府にミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を求めますー官邸前アクション

以上

 

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