石炭火力問題
【プレスリリース】People Power!!
きれいな空気をもとめる千葉・首都圏の市民の声が後押しに!
その背景には、世界なダイベストメントの動きだけでなく、地元を中心とした市民による粘り強い働きかけがありました。
FoE Japanは、大気汚染防止、気候変動防止などの観点からこの中止判断を歓迎します。
詳しくは、下記のプレスリリースをご覧ください。
プレスリリースのPDF版はこちら
国際環境NGO FoE Japan
12月27日、中国電力株式会社並びにJFEスチール株式会社は、千葉市蘇我地区で計画していた「(仮称)蘇我火力発電所建設計画」(107万kW、2024年運転開始予定とされていた)を中止し、天然ガス火力発電所共同開発の事業実現性検討に着手することを発表しました(注1)。中止の理由について、「本計画は十分な事業性が見込めない」とホームページ上で公表しています。FoE Japanは、連携する地元団体や環境団体とともに、その決断について歓迎します。
本計画に対しては、2017年4月に発足した蘇我石炭火力発電所計画を考える会(蘇我の会)を中心に、地道なチラシの配布や駅頭での呼びかけ、手配りによるアンケート、千葉市や千葉県の環境委員会等の傍聴や意見提出、事業者本社への働きかけなどなど、ダイナミックに活動してきました。東京湾の他の計画地の市民団体や、気候ネットワークやFoE Japanなどの環境団体もその動きと連携してきました。
しかし、事業者は環境影響評価の手続きを進め、2018年1月には環境影響評価方法書を公開していました。方法書に対しては、住民説明会などでも反対の声が大きくあがりました。
・住民団体が指摘していた本計画の問題点:
(1)気候変動問題に対して世界の脱石炭の潮流に逆行していること
(2)大規模な石炭火力発電所は最新の設備であっても大気汚染物質を拡散(SOxやNOx、PM2.5、水銀など)、その影響は広範囲にわたること
(3)現在すでに粉じんの降下があること
(4)真横にサッカースタジアムもあり、周辺に学校や病院なども多いこと
今回の事業者の決断にあたっては、地域住民や環境NGOからの度重なる要請やアクションなどさまざまな形での声が、無視できない大きさであったことも後押ししたと考えられます。市民の力、People Powerの勝利です。
FoE Japanでは2018年11月、蘇我の会のメンバーにインタビューをし、その声の一部を映像とインタビューにまとめていますので、ぜひご覧ください。
●映像『日々のくらしの裏側で〜千葉県千葉市 蘇我〜』
●インタビュー記事:
【日々のくらしの裏側で – vol.5】企業の懐柔策に埋もれる蘇我住民の声
【日々のくらしの裏側で – vol.6】残すべき未来のために、一筆一筆の力を信じて。
【日々のくらしの裏側で – vol.7】一人のサッカーファンの願い
【日々のくらしの裏側で – vol.8】本当に向き合うべき相手とは。JFEと中国電力だけではないもう一つの壁。
しかしまだ、日本には石炭火力発電所の新規建設計画が34基あります(注2)。東京湾にも袖ケ浦、横須賀の計画が残っています。FoE Japanは、「事業性がない」ことがすでに明らかとなっている石炭火力発電について、その他の計画も中止としていくことを求め、引き続き地元の市民とともに声をあげていきます。
<関連情報>
・石炭火力を考える東京湾の会:蘇我火力問題の関連ニュース
https://nocoal-tokyobay.net/tag/chiba/
・FoE Japan:電力自由化の負の側面?石炭火力の新規計画ラッシュ!
https://www.foejapan.org/climate/nocoal/index.html
・蘇我にもう発電所はいらない—「公害」の歴史ある土地で進むあらたな建設計画(2017年10月記事)
https://foejapan.wordpress.com/2017/10/16/soga/
(注1) 中国電力ほかプレスリリース(2018年12月27日)
「石炭火力発電所共同開発の検討中止と天然ガス火力発電所共同開発の事業実現性検討着手について」
https://www.energia.co.jp/press/2018/11571.html
(注2) 石炭発電所ウォッチ(気候ネットワーク)
https://sekitan.jp/plant-map/