COP15 (コペンハーゲン会合)
リアルCOP
12月8日
“自然との調和” 国連がボリビアの新提案を承認 >音声・原文
12月4日、国連総会においてボリビア共和国より提出された“自然との調和”が採択されました。
ボリビアの提案により、国連総会での議題に人類と地球のバランスを正確に分析すること、自然と調和した生活の促進に関して議論することが盛り込まれました。この決議はコペンハーゲンでのCOP15が開催される直前に192カ国中62カ国の賛成により採択されました。
ボリビアは自然との調和という概念に加えて、“気候債務”という概念も公式の気候交渉の場で紹介しました。ボリビア政府は、先進国は途上国に対して気候債務を返済する義務があると主張しています。また、国連総会では“母なる地球”という概念も認識するよう求めました。これらの提案は、気候変動に関する取り組みの中で最も先進的な提案です。
ボリビア政府は、提案の際し以下の点を強調しました。“すでに多くの科学者が、この半世紀で人類のもたらした気候変動の程度、範囲、スピードは人類の歴史の中で類をみないものだと述べている。自然との調和とは自然と人類双方の現在そして未来の繁栄を求めるという概念である。仮に我々の住むべき場所を破壊してしまったら繁栄も発展もありえない。”
この決議では他の国々や国連機関に対しこの提案について検討し、国連事務総長に対して意見を届けるよう求めています。また、国連事務総長に対しては2010年の国連総会において報告書を提出するよう求めています。
この決議の画期的な点は人類の繁栄だけでなく生態系の本質的な価値をも考慮して国際政治の舞台で採択されました。
“人間は生きているだけで常に地球に対してある程度の影響を与えている。人類にとっての課題は、その影響が発展と引き換えに自然とのバランスを破壊するということにならないようにすることである。”