問題と視点
開発金融機関への
政策提言 個別事業モニタリング 気候変動と開発 資料室 参加しよう
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フィリピン・サンロケダム
問題点(4) 円借款および輸出信用における日本政府の政策の矛盾
サンロケダムの建設計画はマルコス政権により70年代後半から準備が進められ、80年代前半、日本へ政府開発援助(ODA)の要請が来た。これを受け、当時の中曽根政権は、旧海外経済協力基金(現JBIC)からの資金供与を検討。しかし、国会 で当時のマルコス大統領、中曽根総理、丸紅、鹿島建設の汚職などが非常に大きな問題となり、結局、ODAの供与は見送られることとなった。
このダム計画に関してはアジア開発銀行も融資を見合わせたといわれている。しかし、98年になって旧日本輸出入銀行(現JBIC)の投資金融という形で日本による融資が決定。途上国で多大な社会環境被害をもたらず事業が開発援助案件として敬遠される中、援助機関に代わって民間セクター主導によってこうした事業が進められ、旧日本輸出入銀行などの輸出信用機関によって事業の支援が行なわれている。サンロケダム事業はその典型的な事例といえる。
問題点
1 >サンロケダム建設地の上流域に住む先住民族の懸念
2 >サンロケダム建設地とその下流域の人々への影響
3 >プロジェクトの経済効果
4 >円借款および輸出信用における日本政府の政策の矛盾