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報告書発行:日本はG20諸国の中で化石燃料への最も大きな資金源の一つ
日本の化石燃料への公的支援はG20で2番手にーエネルギー関連事業への公的支援に関する最新報告書が指摘
*このプレスリリースはFriends of the Earth U.S.とOil Change Internationalによるもの。
報告書全文(英語)はこちらから
ワシントンD.C.発–Friends of the Earth U.S.とOil Change Internationalが本日発表した報告書は、日本が2018年から2020年にかけて石油、ガス、石炭事業に少なくとも年間109億ドル (総額1880億ドル) を供与していたことを明らかにした。海外向け公的金融機関を通じたこの政府支援による化石燃料融資は、日本の再生可能エネルギーに対する国際支援 (年間平均13億ドル) の8倍以上であった。また、2012年から2020年までの期間でみれば、化石燃料に対する最大の融資国は日本であった。
日本の海外向け公的金融機関は、開発金融を担当する3省(訳者注:経済産業省、財務省、外務省)と2つの輸出信用機関(訳者注:日本貿易保険、国際協力銀行)を含め、すべてが化石燃料支援で先頭に立っている。G7は今年になって、海外石炭への公的支援を年内に終了するとコミットしたにもかかわらず、日本政府は、バングラデシュ・マタバリ2石炭火力発電所及びインドネシア・インドラマユ石炭火力発電所に対する支援を引き続き計画している。日本はまた、LNG生産を世界的に拡大し、アジアのLNG市場を拡大するために数十億ドルの投資を計画している。
「世界が燃え、気候変動の影響がどんどんひどくなっている中でも、日本は化石燃料に数十億ドルもの資金を投入しようとしている。」Friends of the Earth U.S.の国際金融プログラムマネジャー、ケイト・デアンジェリスはそうコメントし、「世界の科学者たちが気候変動対策の緊急性に警鐘を鳴らしているにもかかわらず、日本はこの赤信号を無視し続けている。日本はこの呼びかけに耳を傾け、これを最後にきっぱりと化石燃料から再生可能エネルギーへと資金をシフトしなければならない。」と続けた。
10月末にグラスゴーで開催される気候変動枠組条約第26回締約国会議 (COP26) やローマで開催される第16回G20首脳会合が迫っている中、同報告書は、資金の流れを将来の安定した気候を目指したものにしていくというパリ協定の下での、日本やその他のG20諸国のコミットメントに、化石燃料への国際金融支援が依然として反していることを示している。G20は2009年に化石燃料補助金を段階的に廃止するという約束したが、それにも反している
同時に、化石燃料に対する公的融資を打ち切る必要性はこれまでになく明確になっている。国際エネルギー機関(IEA)の1.5°Cシナリオは、新たな化石燃料生産への投資は停止し、サプライチェーンの他の部分では化石燃料の急速な段階的廃止の必要性を示している。先進国は2020年までに年間1000億ドルの気候資金を提供することにコミットしているが、それはまだ果たされておらず、かつ化石燃料への支援は既存の気候資金の効果も妨げてしまう。
「石炭への融資を廃止すると約束することは、10年前であれば勇敢なリーダーシップだった。富裕国の指導者たちがCOP26でリーダーシップを発揮したければ、それは石油、ガス、そして気候資金に関する即時の共同行動をすることだと理解すべきだ」とOil Change Internationalの公的資金キャンペーンの共同マネージャーであるブラウエン・タッカーはコメントしている。「公的金融は、他の投資家のために 『リスクを取り除く』働きがあるため、桁外れの影響力を持っている。この1880億ドルは、新規の石油、ガス、石炭に対するはるかに多くの民間投資を可能にした。化石燃料業界は未曾有の世界的な逆風に直面している。つまり、これらの政府による優遇融資、助成金、保証がなければ日の目を見ることはなかったであろうプロジェクトが可能になっていることを意味する。さらに悪いことに、これらの公的金融によって、化石燃料プロジェクトの利益が民間投資家に回る一方で、リスクは社会化されている。」
このレポートは、Oil Change Internationalの 「補助金シフトデータベース」 のデータを用い、輸出信用機関 (ECA) 、開発金融機関 (DFI) 、およびG20諸国がコントロールする主要な国際開発金融機関 (MDB) による融資を分析した。国内に特化した機関からの税・財政補助や公的金融を通じた産業への直接的な補助は分析対象としていない。主な調査結果は次のとおり。
– 化石燃料に対する国際的な公的支援の51%がガス事業に流れた。この年間320億ドルは、2018年から2020年の間に他のどのエネルギー源の事業が受け取った金額よりも大きく、すべての再生可能エネルギー支援を合わせた金額よりも大きい。対照的に、石炭は年間80億ドルで、 「石油・ガス」 カテゴリーは230億ドルだった。
– 再生可能エネルギーに対する国際的な公的支援は2014年以降、ほぼ停滞している。再生可能エネルギーに対する貿易・開発金融は、世界的に公正なエネルギー移行を支援するために必要な指数関数的な成長は見せておらず、2014年以降、年間200億ドルから270億ドルの間で変動している。
– ECAは、化石燃料に対し、クリーンエネルギーの11倍の支援を行っている。化石燃料に対しては年間400億ドル、クリーンエネルギーに対してはわずか35億ドルしか資金を提供していない。
このレポート「Past Last Call: G20 public finance institutions are still bankrolling fossil fuels」の全文はこちらから。本レポートは執筆団体以外に以下の団体の賛同を得た。
350.org, Above Ground, Asian Peoples’ Movement on Debt and Development (APMDD), Big Shift Global, Both ENDS, CEE Bankwatch, Center for Biological Diversity, Environmental Defence, Friends of the Earth Europe, Friends of the Earth Japan, Fundación Ambiente y Recursos Naturales (FARN), International Institute for Sustainable Development (IISD), Iniciativa Climática de México, Japan Center for a Sustainable Environment and Society (JACSES), Jubilee Australia, Just Finance, Justiça Ambiental/Friends of the Earth Mozambique, Kiko Network, Les Amis de la Terre, Market Forces, Rainforest Action Network, Re:Common, Recourse.org, Réseau Action Climat France, Solutions for Our Climate, Urgewald, and Vedvarende Energi.
レポート執筆者連絡先
ケイト・デアンゲリス(Kate DeAngelis)kdeangelis@foe.org, +1-202-222-0747
ブラウエン・タッカー(Bronwen Tucker)bronwen@priceofoil.org, +1 587-926-7601
その他のお問い合わせ:ケリー・スキッフ(Kerry Skiff), kskiff@foe.org, 202-222-0723
(プレスリリース翻訳:FoE Japan)