トピック
再稼働
福島第一原発事故前に原発は54基ありました。事故後、東京電力・東北電力が所有する原発はすべて停止し、東日本では「原発ゼロ」の状況がすでに10年以上継続しています。
2012年9月に原子力規制委員会が発足。2013年7月に新規制基準が制定され、電力会社は、原発を再稼働させる場合、新規制基準に基づく原子力規制委員会の審査を受けることとなりました。2013年9月、関西電力の大飯原発3・4号機が停止して以来、ほぼ2年間、全国の原発が停止し、原発ゼロの期間が続きました。その後、2015年8月、九州電力川内原発3号機(鹿児島県)が再稼働。2021年8月現在、規制基準に合格し、再稼働した原発は、川内原発3・4号機、玄海原発3・4号機、伊方原発3号機、大飯原発3・4号機、高浜原発3・4号機、美浜3号機の10基。
しかし、いったん再稼働した原発も、停止を余儀なくされることが相次いでいます。川内原発、高浜原発の4基は、テロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の建設の遅れにより、2020年には停止に追い込まれました(その後、川内原発は再稼働)。定期点検中の伊方原発3号機は、広島高裁による運転差し止め判断で、定期点検が終わっても運転再開できていません(2021年3月18日、広島高裁が差し止めを取り消し)。また、2020年12月4日、関西電力大飯原発3・4号機をめぐり、大阪地裁は国に設置許可の取り消しを命じる判決を出しました。国は控訴し、判決は確定していないため、ただちに大飯原発の運転が止まるわけではありませんが、今後、全国の原発に波及する可能性があります。
このように、原発はもはや、「安定している」電源とは程遠い状況にあります。