【プレスリリース】日本貿易保険にモザンビークのコーラル・ノースFLNGに付保をしないよう求める書簡を提出

2026年7月8日
本日、モザンビークを含む国内外の8の市民団体が日本貿易保険(NEXI。全額政府出資)に対し、モザンビークのコーラル・ノース浮体式液化天然ガス(FLNG)生産設備事業への金融支援を行わないよう求める書簡を提出しました。NEXIは今年4月から同事業への付保を検討1していますが、同事業が深刻な環境・社会・気候影響と人権侵害をもたらすことから、市民団体は同事業がNEXIの『貿易保険における環境社会配慮のためのガイドライン』を遵守していないと指摘しています。
同書簡では、事業が貴重な海洋生態系の重要な生息地に立地し、海洋での事業活動が人工的な騒音や汚染を引き起こし生態系の変容や破壊をもたらしかねない点、その結果、現地の人びとの生活を支える漁業に影響が出る可能性などが詳述されています。また、LNGがライフサイクルを通じて大量の温室効果ガスを排出する化石燃料であり、当事業への支援は1.5℃目標と整合しない点なども気候変動への影響として言及されています。
さらに、昨年10月に事業の最終投資決定(FID)が行われたにもかかわらず、関与する金融機関の情報は公開されていません。2事業に関与する日本のステークホルダーが未だ分かっておらず、公的支援がどのように日本の利益となるのかは不明のままです。日本の利益の点のみならず、気候変動の加速への寄与や、モザンビークの人びとへの人権侵害への加担となることを踏まえると、当事業への関与は日本自身に負の遺産を残すことになりかねません。
また、NEXIがすでに付保を決定し、同地域で推進されているモザンビークLNG事業でも、事業に伴う深刻な環境社会影響、人権侵害の問題がこれまで多数指摘されてきました(モザンビークLNG事業についてはこちら)。現地では2017年から治安が悪化し、昨年12月にはそれらの様々なリスクや深刻な人権侵害の問題を理由に英国とオランダの輸出信用機関は事業から撤退しました。3
このモザンビークLNG事業について、これまで国内外の市民団体はNEXIに対し様々な懸念を伝えてきましたが、NEXIはそうした懸念に対する説明や回答を一切せぬまま、金融支援を継続しています。今回の要請書では、両事業に係る適切なデュー・デリジェンスを実施し、モザンビークLNG事業から撤退すると共に、新たにコーラル・ノースFLNGに付保を行わないようNEXIに求めています。
詳しくは、以下の書簡をご覧ください(書簡のPDFはこちら)。
要請書 モザンビークで開発が進むコーラル‧ノースFLNGへ付保をしないでください
株式会社日本貿易保険
代表取締役社長 黒田 篤郎 様
2026年7月8日
私たちは、環境・社会問題に取り組む市民社会団体です。モザンビークで進められているガス開発事業をめぐる環境・人権問題に大きな懸念を抱いています。
モザンビーク北部カーボ・デルガード州沖合で計画されている「コーラル・ノースFLNG」事業は、海底ガス田から天然ガスを採掘し、洋上プラントで液化天然ガス(LNG)に加工・輸出する浮体式LNG事業であり、2022年から稼働している「コーラル・サウスFLNG」に類似の事業として計画されていると理解しています。貴社ホームページによると、本事業は2026年4月20日付4でカテゴリ「A」に分類され、『貿易保険における環境社会配慮のためのガイドライン』(以下、ガイドライン)に基づく環境レビューが行われていると承知しています。
コーラル・ノースFLNG事業に関しては、環境、社会影響、人権侵害等の観点から多くの問題が存在し、各分野の専門家からも懸念の声が上がっています。環境影響に関し、環境影響評価(EIA)は実施されているものの、そのプロセスや内容については複数のステークホルダーや独立した専門家から多くの不備が指摘されています。環境社会影響、人権侵害の点に関しても、アフリカ開発銀行(AfDB)がすでに本事業に対して金融支援を決定していることについて、国連人権理事会が任命した人権専門家らが、人権侵害の助長や気候変動影響等の観点から深刻な懸念を表明しています。5
私たちは、貴社が環境レビューにおいて下記に記載するような環境、社会影響、人権侵害等の懸念を十分に精査するとともに、ガイドラインを遵守していない本事業への保険引受を行わないよう要請します。また、国際社会が注視する本事業に対して貴社が支援を行えば、日本の公的機関の評判リスクを大きく左右することになる点も認識されるべきです。
貴重な海洋生態系への影響
コーラル・ノースFLNGは、2018年7月にユネスコの生物圏保存地域に指定されたQuirimbas国立公園の近隣に位置しています。6
そして当事業のEIA7は、この海域で生息する多種多様な海洋生物を特定しています。EIAで示されている調査対象種8のうち、国際自然保護連合(IUCN)の「IUCN絶滅危惧種レッドリスト」9による分類において、ごく近い将来に絶滅する危険性が極めて高いCR(深刻な危機)は5種、近い将来に絶滅する危険性が高いEN(危機)は12種、絶滅の危険性が増大しているVU(危急)は9種指定されています。さらにEIAには、海域に生息する海洋哺乳類33種のうち、イワシクジラ、シロナガスクジラ、マッコウクジラ、ナガスクジラ、インド洋ウスイロイルカの5種やウミガメ5種全て、海鳥45種のうち5種も上記のような世界的な基準により保護対象種に指定されていると記載されています。また、EIAでは深海においては底生生物群集である原生動物(ゼノフィオフォラ)、ウミエラ類、その他の無脊椎動物(環形動物、節足動物、軟体動物、棘皮動物)がまばらに分布し生息しているとの記載があります。前述の通り、当事業のEIAは十分なものではないとする前提ではあるものの、そのようなEIAによる情報からでさえ、当事業は海洋生態系が非常に豊かでありかつ保護を必要とする種が多く存在する、生態学的に重要な場所に位置すると言えます。
このような貴重な海域に対し、当事業は主に以下の要因により多大な影響をもたらします。海洋での建設や操業、頻繁なLNG船舶の交通は、海中での人工的な騒音や汚染を引き起こします。海洋生物の中には、クジラのように音によりコミュニケーションを取る種や、動物プランクトンのように体内損傷や細胞へのダメージを受け負傷や死に至ってしまう種など10が存在し、人工の騒音による影響は非常に重大です。さらに、井戸やパイプライン等の事業関連設備からのガスやガス凝縮液の漏洩や、起こりうる船舶の事故に伴う燃料等の流出による海洋汚染についての強い懸念もあります。ガス凝縮液は様々な海洋生物に負の影響を与えますが、特に節足動物の一種であるカイアシ類にとっては、ガス凝縮液は原油の2倍の毒性を持つとされています。11さらに、船舶のバラスト水により外来種がこの海洋地域に持ち込まれれば、海草藻場、サンゴ礁、マングローブ林などに深刻な影響を与え、生態システムの変容を招きかねません。FLNGの排水による周辺海域の海水温上昇の可能性についてもEIAで言及されています。
総じて、事業は海洋生物の棲み処の劣化を促し、生物の生息地の移動や生態系の破壊をもたらします。しかしそのリスクと影響についてはEIAのいずれの項目においても過小評価されています。つまり、国際的な基準で求められているような、事業による負の影響を十分に予測し対処するという点において、限定的な評価・推定しかなされていません。また、その結果として、EIAでは十分な回避策、緩和策が示されていません。12
貴社が定めるガイドラインの別紙113「(3)検討する影響のスコープ」には大気、水、土壌、廃棄物、事故、水利用が含まれており、ガイドライン・チェックリスト14の「2.汚染対策」にはこれらに加え、騒音や振動などの項目があります。環境レビューにあたっては、これらの各項目に関するリスクや影響についての回避・緩和のための措置の確実な実施が、事前に確認される必要があります。このまま支援を行えば、ガイドライン別紙1「(6)生態系及び生物相」に記載のある自然生息地の著しい転換または劣化に関する影響回避、もしくは適切な影響の緩和策について定める項目に違反する可能性があります。
地域住民の生計手段への影響
海洋環境が変われば、生計手段、食料確保を漁に依存する人びとに深刻な影響を与えます。事業が展開される近隣地域では、伝統的に農業と漁業が主要な生計手段として人びとの生活を支えてきました。EIAには、同地域で行われている零細漁業は「サンゴ礁生態系や沿岸の島々(地区の海岸線から最大15~20km以内)を含む近隣の沿岸地域に限定されており、事業活動による影響は受けません。(EIAポルトガル語原文を日本語に機械翻訳したもの)」15との記載があります。しかし、わずかな海洋環境や海洋生態系の変化も周辺の海洋生態系全体の変化に繋がりかねず、沿岸地域に生息する魚種の構成や個体数の変化を招く可能性もあります。このような変化は漁業を生計の維持や食糧確保の主な手段としてきた人々の生活に大きな影響を与えます。 漁業を盛んに行い、水産資源が経済や食文化を支える重要な基盤となっている日本の機関として、その深刻さは容易に想像できるはずです。
ガイドライン・チェックリストの「4.社会環境」では、事業が地域住民の生活や生計に悪影響を及ぼさない旨、地域社会の生活基盤を支える生態系サービスに影響を及ぼさないことを前提とする旨が規定されています。さらに、ガイドライン・チェックリストの「5.その他(2)事故防止対策」では、海域における開発の場合、船舶事故の増加、ガス等の漏洩事故や坑井掘削時の暴噴事故の発生等、事故リスクの防止に関する対策について確認することになっている一方、当事業のEIAではこの点について十分な検討がされていません。
また、雇用創出の観点からも問題があります。EIAには事業の作業の大部分は高度な専門知識を持つ国際的な船舶乗組員により行われ、モザンビーク国内で創出される直接雇用の数が少数に限定される旨が記載されています。生計維持や食糧確保の手段が当事業によって多大な影響を受けるにもかかわらず、事業による雇用機会にもアクセスが確保されないという状況は、地域住民の生命維持に関わる人権侵害を引き起こす可能性があります。
したがって、当事業においては、漁民を含む地域住民の生計手段に深刻な影響が及ぶ可能性があるにもかかわらず、その影響について事業者は「あらゆる方法を検討して回避」する努力を怠っている点、また「十分な補償や支援」の提供についても検討されていない点において、ガイドライン別紙1「(7)非自発的住民移転」の規定を遵守していません。また、「生計手段の喪失の影響を受ける者」が「以前の生活水準や収入機会、生産水準において改善または少なくとも回復できる」よう確保する措置の検討も不十分であり、この点も同項目の規定に抵触します。
モザンビークLNG事業の問題
貴社は、当事業の近隣で開発が進んでいる仏トタル・エナジーズ主導のモザンビークLNG事業への支援も行っていますが、これまで私たちが提起してきた環境、社会、人権侵害の問題は何一つ解決されていません。冒頭の通り、国連人権理事会が任命した人権専門家らはコーラル・ノースFLNG事業について、モザンビークLNG事業との関連から重大な懸念を表明しています。16声明で専門家は、「この事業は、人権侵害を悪化させ、気候変動を助長し、貴重な公的資金を緊急に必要とされる持続可能な再生可能エネルギーへの投資から逸らしてしまう危険性がある」、「この洋上事業は、モザンビークのカーボ・デルガード州のガス部門全体で発生している長年の人権問題をさらに悪化させる可能性がある」 17と警告しています。
当事業のEIAによれば、陸上活動のほぼすべては既存施設(港、空港等)の区域内で実施されるとあり、事業者も陸上での環境・社会影響は生じないと主張していますが、モザンビークLNGによりすでに生じている陸上での問題と同様の問題がコーラル・ノースFLNGでも発生する可能性は否めません。ガイドライン別紙1「(3)検討する影響のスコープ」には、直接的、即時的な影響のみならず、「派生的・二次的な影響、累積的影響及び不可分一体の施設の影響」も調査・検討すべきと規定しているため、この点についても、貴社の適切な確認が行われるべきです。
モザンビークLNG事業に関与し続け、また当事業への新たな付保をすることは、これらの深刻な問題に加担し続けるということです。事業により甚大な被害を受けている地域住民の人権が侵害され、貴重な生態系の破壊が続いているにもかかわらず、公的金融機関の説明責任を果たさぬまま、新規事業への付保を検討されている現状は到底受け入れられるものではありません。まずは、モザンビークLNG事業に関して適切なデュー・デリジェンスを実施し、説明責任をしっかりと果たしたうえで、モザンビークにおけるLNG関連事業全体から撤退するべきであり、環境負荷の大きいLNG事業への新たな付保を検討するべきではありません。
LNGは有害な化石燃料
当事業による気候変動への悪影響も重大です。LNGは化石燃料の一つであり燃焼時に大量の二酸化炭素を排出することはもちろん、ライフサイクルにおいて温室効果ガスの一種であるメタンを大量に排出する非常に環境負荷の大きいエネルギー源です。一部では、LNGは燃焼時の二酸化炭素の排出が比較的少ないとされていることなどをもって「クリーン」なつなぎの燃料であると謳われていますが、気候変動に寄与する温室効果ガスは化石燃料の燃料としての使用時に発生する二酸化炭素のみを指している訳ではありません。実際、当事業の双子事業である「コーラル・サウスFLNG」事業は2022年から操業を開始していますが、公式データと衛星画像により、他の炭化水素と共に抽出された余剰ガスの焼却処理であるガスフレアリングとそれに伴う排出が確認されているにもかかわらず、事業者による重大な報告漏れがあることが指摘されています。18また、LNGは採掘、液化、貯蔵、運搬などの過程においてメタンの放出、漏洩を伴います。両事業の25年間にわたる操業により、日本の年間排出量19にも匹敵する10億トンのCO2eが排出されると予測されています。20
モザンビーク政府が提出したNDC(国が決定した貢献)21は、2020年の値(3,060万トンのCO2eを年間排出)を基準とし、明確な目標値は策定中であるものの2035年までに15~25%の削減を見込むとしています。上記のコーラル・ノース、サウス両事業の総排出量を操業期間の25年間で割ると、平均して年間4,000万トンのCO2eが排出されることになり、これだけで現在のモザンビーク国内の年間排出量を超過することになります。これは、日本政府がコミットしているG7エルマウ宣言22で限られた状況として挙げられている「1.5℃目標やパリ協定の目標に整合した形で支援対象国が有する方針や計画に整合的なプロジェクトであると判断される場合」の条件に合致しません。本事業に公的金融支援を行うことは、「排出削減対策が講じられていない国際的な化石燃料エネルギー部門への新規の公的直接支援の2022年末までの終了にコミットする」という同宣言に違反しています。
2025年7月23日、国際司法裁判所(ICJ)は、気候変動に関する勧告的意見23を全会一致で採択し、クリーンで健康、かつ持続可能な環境への権利は基本的人権であり、国家には1.5℃目標を実現するための義務が存在すること等を明らかにしました。2026年5月20日には、国連総会によりこの勧告的意見を歓迎する決議が日本を含む141カ国の賛成により採択されました。24貴社は日本の公的機関として、気候変動対策において重要な役割を担っており、温室効果ガス全体の削減に向け、LNGを含む環境負荷の大きい化石燃料からエネルギー源転換を推進していくことが求められています。化石燃料事業に追加の金融支援を行い、夏の猛暑や異常気象などの気候変動に苦しむ日本や世界各地の人びとをさらに窮地に追い込むのではなく、率先して、環境や社会に優しく持続的な事業に金融支援を行うべきです。
事業における日本の利害関係の不透明性
当事業は利害関係の側面からも極めて不透明性の高い事業ということができます。本事業はイタリアのENI社が主導し、中国石油天然气(CNPC社)、モザンビーク炭化水素公社(ENH社)、アブダビ国営石油会社(ANDNC)の子会社XRG社、韓国ガス公社(KOGAS)が出資者として参画しています。事業の最終投資決定(FID)は2025年10月に行われましたが、関係金融機関の情報が公開されていません。日本からは液化設備の建設を日揮ホールディングス株式会社の現地法人であるJGC France社が、仏、韓の2社と共同で受注していますが、その他の日本の官民の関与は明らかになっていません。
また生産されたガスの行き先についても、明確な情報は公開されていません。果たして当事業で生産されるガスが日本のエネルギー安全保障に貢献するのか、日本の出資者が不在の中、貴社の公的な付保により日本の経済に利益がもたらされるのかという点も明らかになっていません。実際、日本が扱うLNGの実に3割以上が、国内消費に充てられるのではなく、欧州やアジア諸国に転売されており、日本政府は今後もこの方針を維持する見込みです。25すでに多くのLNGを転売している以上、新規のLNG支援が日本のエネルギー安全保障にどのように貢献するのか明確な説明が必要です。日本の利益の点のみならず、当事業が地球環境全体や事業地のモザンビークでもたらす負の影響の大きさに鑑みると、事業に関与することは結果的に気候変動の加速に寄与し、人権侵害に加担する点において、日本自身に負の遺産を残すことにもなりかねません。
モザンビークに不平等な構造
モザンビークは、世界有数の天然資源を保有する資源大国といわれています。それにもかかわらず、現地では、例えば電力へのアクセスが担保されていません。年々上昇してはいるものの、2023年時点でモザンビーク全体の電力へのアクセス率はわずか36%26です。加えて、国内にも大きな格差が存在し都市部の電力アクセス率が78.9%27であるのに対し、地方ではわずか8.9%28であるなど、エネルギーが平等に分配されていません。
すでに操業中のコーラル・サウスFLNGで生産されたガスは英BPが100%の購入権を有しており29、このようなモザンビーク国内のエネルギー問題の解決に寄与していません。
これはまさに、多国籍企業やグローバルノースの国々が共謀し、モザンビークから資源を搾取、収奪する現代の不平等な世界、経済構造を顕著に表しています。このような構造の助長に、日本の公的機関として関わるべきではありません。
要望
私たちは2024年11月25日付の電子メールにて、貴社に当事業に対する金融支援をしないよう求める書簡をモザンビークを含む関係国の市民社会団体と共同で送付しておりますが、貴社からご回答をいただくことはできませんでした。また、上記にもお示ししているモザンビークLNG事業により生じている様々な問題への対応についても、これまで繰り返し申し入れを行ってきたにもかかわらず、貴社からの説明は十分になされておりません。このようにステークホルダーとの十分かつ有意義なエンゲージメントが実施されないまま、同地域での化石燃料事業に対する付保が検討されていることは大変遺憾であり、付保の検討を行う合理性について疑問を抱かざるをえません。上記を踏まえ、以下のことを強く要請します。
・コーラル・ノースFLNG事業のレビューを適切に行ったうえで、ガイドラインの不遵守が認められる場合には、付保を行わないことを公約すること
・モザンビークLNG事業を含めたモザンビークにおける他のガス事業への直接的金融支援を行わないことを公約すること
・貴社の金融支援を、地球温暖化による気温上昇を1.5度未満に抑えるという野心的
な目標に整合させること。つまり、新たな石油・ガス事業に携わる企業への支援を除外すること
また以下、4点お伺いさせていただきたく存じます。
・貴社の「2050年ネットゼロに向けた取り組み」30の②において、「貿易保険事業の実施における温室効果ガス排出削減対策の実施」として、対策を検討すると2021年10月29日に発表されていますが、温室効果ガスの大量排出が見込まれる本事業との整合性についてどうお考えでしょうか。
・貴社が環境レビューのプロセスにおいて適合しているか確認する基準の一つとしている国際金融公社(IFC)のパフォーマンススタンダード31第6章「生物多様性の保全および自然生物資源の持続的利用の管理」では、考慮が必要な地域として、IUCNの「IUCN絶滅危惧種レッドリスト」に掲載されている深刻な絶滅の危機に瀕している種および/または絶滅の危機に瀕している種にとって極めて重要な生息地を重要生息地(Critical Habitat)と定義し、パラグラフ17に挙げられている条件を満たさない場合、一切の事業活動を行わない旨が記載されています。当事業は上述の通り、絶滅の危機に瀕している生物が多数存在することから、「重要生息地」に立地すると考えますが、貴社は生物多様性という観点から当事業をどのように捉えていますか。
・当事業に対する貴社の支援により、日本にはどのような利益がもたらされるのでしょうか。
・当事業と同地域で開発が進められている「モザンビークLNG」事業について、現在に至るまで深刻な人権侵害の問題が指摘されており、昨年12月にそれらの様々なリスクを理由に英国、オランダの輸出信用機関は事業から撤退しました。また、同月にオランダ財務省の委託によって事業に起因する人権侵害に係る調査報告書32も発表されています。このような国際的な動きがある中で、貴社はどのような情報や基準を基に、モザンビークLNGに対する金融支援の継続およびコーラル・ノースFLNGに対する金融支援の可否を判断されているのでしょうか。
つきましては、7月24日(金)までに上記の質問への回答をいただきたく存じます。
また、上記を踏まえた面会の機会も設けていただけますと幸いです。
貴社の迅速かつ適切な対応をどうぞよろしくお願いいたします。
以上
署名:
国際環境NGO FoE Japan
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
メコン・ウォッチ
Justiça Ambiental (Friends of the Earth Mozambique)
ReCommon
Oil Change International
urgewald
Reclaim Finance
- https://www.nexi.go.jp/environment/info/a/202604151138.html ↩︎
- https://www.eni.com/en-IT/media/press-release/2025/10/pr-eni-announces-final-investment-decision-mozambique-coral-north-project.html ↩︎
- https://questions-statements.parliament.uk/written-statements/detail/2025-12-01/hcws1111、https://open.overheid.nl/documenten/314a99be-20a7-4a59-82d0-863dc825e4d9/file ↩︎
- https://www.nexi.go.jp/environment/info/a/202604151138.html ↩︎
- https://www.ohchr.org/en/press-releases/2026/03/mozambique-un-experts-concerned-african-development-bank-funding-floating ↩︎
- https://quirimbas.info/the-quirimbas-national-park/#:~:text=The%20Quirimbas%20National%20Park%20was,coral%20and%20vast%20sand%20flats ↩︎
- https://www.nexi.go.jp/environment/info/pdf/26-002-EIA1_eis_nts_final.pdf ↩︎
- https://www.nexi.go.jp/environment/info/pdf/26-002-EIA5_Final_EIS_Vol_IV_Annexes.pdf ↩︎
- https://www.iucnredlist.org/ja ↩︎
- https://www.oceancare.org/wp-content/uploads/2022/05/Underwater-Noise-Pollution_Impact-on-fish-and-invertebrates_Report_OceanCare_EN_36p_2018.pdf ↩︎
- https://stopmozgas.org/wp-content/uploads/2025/09/True_Risk_digital_Jul2025_EN.pdf ↩︎
- https://naturaljustice.org/comments-on-coral-north-floating-gas-project-show-eia-shortcomings-and-expose-its-harmful-impacts/ ↩︎
- https://www.nexi.go.jp/environment/guideline/pdf/ins_kankyou_gl_202206.pdf ↩︎
- https://www.nexi.go.jp/environment/guideline/pdf/002-oilgas.pdf ↩︎
- EIA記載のポルトガル語原文:A pesca artesanal praticada no distrito está restrita às zonas costeiras próximas, incluindo os ecossistemas de coral e as ilhas costeiras (ou seja, no máximo até 15-20 km da linha de costa do distrito), que também não serão afectadas pelas actividades do Projecto. (p.4) ↩︎
- 脚注2に同じ ↩︎
- 国連ホームページの原文:“The project risks exacerbating human rights harms, contributing to climate change, and diverting scarce public funds away from urgently needed investments in sustainable renewable energy,” the experts said. “The offshore project could compound long-standing human rights challenges that have emerged across the gas sector in Mozambique’s Cabo Delgado province,” they warned. 文章中の日本語はFoE Japanによる仮訳。 ↩︎
- https://www.recommon.org/en/eni-has-not-revealed-the-true-extent-of-greenhouse-gas-emissions-in-mozambique/ ↩︎
- https://www.nies.go.jp/gio/archive/ghgdata/index.html ↩︎
- 脚注15のレポートp.3の注釈10を参照のこと。CO2eの排出推定値は、ターミナル及び貯留層の全ライフスパンにおける潜在的なスコープ3のCO2排出量に加え、メタンからCO2への換算係数(地球温暖化係数:GWP20)を適用したメタン漏出の推定値も考慮されている。 ↩︎
- https://unfccc.int/sites/default/files/2025-11/Mozambique%20ProvNDC_ENG.pdf ↩︎
- https://warp.ndl.go.jp/web/20241201092824/https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/fossil_fuels/ ↩︎
- https://www.icj-cij.org/sites/default/files/case-related/187/187-20250723-adv-01-00-en.pdf ↩︎
- https://news.un.org/en/story/2026/05/1167561 ↩︎
- https://news.un.org/en/story/2026/05/1167561 ↩︎
- https://data.worldbank.org/indicator/EG.ELC.ACCS.ZS?locations=MZ ↩︎
- https://data.worldbank.org/indicator/EG.ELC.ACCS.UR.ZS?locations=MZ ↩︎
- https://data.worldbank.org/indicator/EG.ELC.ACCS.RU.ZS?locations=MZ ↩︎
- https://www.bp.com/en/global/bp-supply-trading-and-shipping/news/press-releases/bp-begins-shipping-liquefied-natural-gas-from-mozambique-first-lng-project.html ↩︎
- https://www.nexi.go.jp/topics/newsrelease/2021102804.html ↩︎
- https://www.ifc.org/content/dam/ifc/doc/2010/2012-ifc-performance-standards-en.pdf ↩︎
- https://www.clingendael.org/publication/human-rights-violations-mozambican-security-forces-context-mozambique-lng-project ↩︎