プロジェクト
モザンビークLNG
2010年の海上ガス田発見を機に、モザンビーク北部のカーボ・デルガード州で4つの大規模な液化天然ガス(LNG)事業の計画、開発が進んでいます。すでに稼働中の事業もありますが、モザンビークLNG事業は建設段階にあります。土地の権利が事業に付与されたために、コミュニティは強制的に移転させられ、約束された十分な補償を事業者から受け取ることができないまま、農業や漁業といった生計手段の喪失、食料・薬・家を建てるために必要な資材などを得るために重要な生態系の破壊など、深刻な影響を受けています。また、社会、経済、政治的な不満は地域、国家レベルでも解決されておらず、構造的な貧困状態が悪化しています。同地域で起きている反乱が2017年から暴力的なものになり、反乱軍と事業保護の役割を担うモザンビーク軍双方による、民間人への深刻な人権侵害が多数報告されています。モザンビーク政府も日々増大する膨大な債務に苦しんでいます。
日本の公的機関(国際協力銀行(JBIC)、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、日本貿易保険(NEXI))を始め、多くの国の輸出信用機関、民間銀行がこの事業への金融支援を行っています。生産されるガスの3割は日本企業が購入する契約を結んでおり、日本国内または他国へ転売され消費されます。
2021年に事業地近くで起きた大規模な反乱を受け、企業側が「不可抗力宣言」を発し、作業は約4年ほど中断されていましたが、様々な問題が解決されないまま2026年1月に正式に再開が発表されました。このガス事業が抱えている多大なリスクを今一度考慮し、開発を続けることが倫理的かつ経済的に賢明であるかを問うことが求められています。これだけの問題が生じているこの事業を、このまま進めてもよいのでしょうか。
