【オンライン報告会】フィリピンでつづく日本企業の無責任なニッケル開発と環境汚染~脱炭素推進の陰で進む「不公正」な移行を考える

10円玉や50円玉、ステンレス製品など、私たちの日常生活で使われてきたニッケルは、現在気候危機への対策として電気自動車(EV)や再生可能エネルギーへの移行が進められる中、バッテリ材料の原料として世界的な需要増加が見込まれています。
そのニッケルの採掘・精錬の現場で長年、日本企業が深刻な環境汚染に十分な対策を講じていないことをご存知でしょうか。フィリピン・パラワン州でFoE Japanと協力して水質調査を行ってきた専門家によると、住友金属鉱山の関わる開発現場で10年以上、発がん性物質として知られる六価クロムなど有毒な重金属による近隣河川の汚染が続いています。
その周辺で生活を営むパラワン州の先住民族を含むコミュニティは、こうした汚染による健康被害のリスクに長年さらされてきました。さらに、水質汚染を防止する有効な対策が一切提示されないまま、現在ニッケル採掘の拡張が始まっています。生活・農業用水を河川に依存する先住民族や農民は、今後数十年にわたり同様の汚染に苦しむことになるでしょう。
脱炭素社会に向けた取り組みの中で、ニッケル採掘現場が新たに拡大し、より多くの地域コミュニティが被害を受けることは、「公正な」エネルギー移行と言えるでしょうか。
本ウェビナーでは、住友金属鉱山が深く関わるフィリピンでのニッケル開発事業による環境汚染の実態について、2009年から継続的な水質調査を行ってきた専門家からご報告をいただきます。また現地で暮らす人びとの声や今まさに拡大が進んでいる採掘現場の様子を動画でご紹介し、日本でニッケルを使い続けている私たちに何ができるのかを考えます。ふるってご参加ください。
日時 | 2025年5月16日(金)19:00~20:30 |
会場 | オンライン開催(ウェビナー)Zoom |
申込み | https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_ajn5DsQVReKZBXuhY1OpfA |
参加費 | 無料 |
共催 | 国際環境NGO FoE Japan、アジア太平洋資料センター |
プログラム(予定)
- 開催趣旨
- 田中 滋<アジア太平洋資料センター(PARC)>
- リオツバ鉱山、コーラルベイニッケル製錬事業の概要
- 田中 滋<アジア太平洋資料センター(PARC)>
- 15年にわたる水質汚染の実態
- 大沼淳一氏<名古屋大学災害研究会>
- 現地の声と鉱山拡張の現状(動画)
- 松本光<FoE Japan>
- 私たちに何ができるか~日本企業への要請書と個人署名
- 波多江 秀枝<国際環境NGO FoE Japan>
- 質疑応答