COP29直前ウェビナー:誰にとっての「公正な」エネルギー移行?鉱山開発に「No」の声から考える

開発と人権2024.11.11

「最も暑い夏」を経験した今年の日本。気候危機への対処が急務であることを多くの人が実感したはずです。脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)への移行にも益々力が注がれていくことでしょう。

11月11日からアゼルバイジャンで始まる第29回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP29)でも、昨年のCOP28で「2030年までに再生可能エネルギー発電容量を世界全体で3倍」にすると合意されたように、世界のエネルギー移行の加速化に向けた交渉が行われることが期待されています。

しかし、再生可能エネルギーやEVへの移行にはバッテリ技術をはじめとして多様な鉱物が必要とされます。その産出地のほとんどはグローバルサウスの国々です。そこでは指数関数的に高まるエネルギー移行に向けた鉱物需要のため、すでに自然が破壊され人びとの暮らしが脅かされています。生活を守ろうと鉱山開発に抗議する現地コミュニティへの人権侵害も深刻化しています。同時にまた、気候危機対策が進まなければ、適応が困難なために最も甚大な影響を受けるとされているのもグローバルサウスの人びとです。

今回は、そのような状況に直面しているコミュニティと問題に取り組んできたフィリピンのNGOスタッフとオンラインでつなぎ、グローバルサウスから見た「公正な」エネルギー移行についてお話しいただきます。

歴史的に多くの温室効果ガスを排出し、今も自分たちのエネルギーを確保し続けるために鉱物を得ようとする北側工業国の責任についても考えを深めていきます。ぜひご参加ください。

日時2024年11月7日(木)19:00~20:30
会場オンライン開催(ウェビナー)Zoom
申込み終了しました
参加費無料
共催国際環境NGO FoE Japan、アジア太平洋資料センター、Fair Finance Guide Japan

プログラム(予定)

  • 開催趣旨
    • 田中 滋<アジア太平洋資料センター(PARC)>
  • 気候危機と脱炭素化による影響を受けるグローバルサウスの人びと~フィリピンの鉱山開発の現場から >発表資料
    • Leon Dulce<法的権利及び自然資源センター(LRC-KSK)/FoEフィリピン>(逐次通訳あり)
  • 鉱山開発に「No」の声をグローバルサウスの現場から届けるために >発表資料
    • 波多江 秀枝<国際環境NGO FoE Japan>
  • 質疑応答
 

関連する記事

インドネシア・ソロワコ・ニッケル開発の拡張計画についてVale主要株主に書簡提出「探査・採掘を拒否するコミュニティの権利を尊重した対応を」

開発と人権

【連続セミナー:気候危機と鉱山開発ー望まぬ開発に抗う人びと】第2回:バッテリー材料生産現場で脅かされる暮らし~フィリピンからの訴え

開発と人権

インドネシア市民団体から日本政府に要請書提出:「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)による化石燃料エネルギーの利用引き延ばし、環境及び地域社会の安全を脅かす誤った対策の活用、 人権侵害を止めて」

開発と人権

採掘の影響にさらされるコミュニティの拒否する権利の明言化を!国連パネルへ提言を送付

開発と人権

レアメタルと気候危機―「脱炭素」の裏で/オンラインストリーミング視聴(有料)・DVD販売中

開発と人権

【連続セミナー:気候危機と鉱山開発ー望まぬ開発に抗う人びと】第1回:バッテリー材料生産現場で脅かされる暮らし~インドネシアからの訴え

開発と人権