【8/1 アクション報告】ミャンマー・クーデターから2年半 実はASEANに丸投げ? 日本の対ミャンマー政策は矛盾だらけー官邸前アクション
#ミャンマー軍の資金源を断て
#JapanStopODAtoTheMyanmarJunta #NoMoreBusinessWithTheMyanmarJunta
【お知らせ】日本では、ミャンマーの軍隊を指す「タッマドー(Tatmadaw)」の定訳として「国軍」が使われてきました。しかし、2021年のクーデター以降、この軍隊による市民の弾圧がエスカレートする中、民主化運動の間で Tatmadaw という呼称の使用自体が避けられるようになりました。これを受け、私たちも「ミャンマー国軍」ではなく「ミャンマー軍」という表記を使うことにしました。したがって「#ミャンマー国軍の資金源を断て」キャンペーンも、名称を「#ミャンマー軍の資金源を断て」に変更します。
2021年2月1日にミャンマーで軍がクーデターを起こしてから2年半が経とうとしています。ミャンマー軍によってクーデター以降に殺害された人は3,805人に及び、今も2万人近い人たちが不当に拘束されたままです(7月18日時点 政治囚支援協会調べ)。国内避難民(IDP)は7月の国連の報告によると、推定190万人以上にも上っています。ミャンマー軍は各地で空爆を続け、村が焼かれ、子どもを含む多くの民間人が犠牲になっています。ミャンマー軍による凄惨な暴力は続いていますが、民主化を求める人びとの抵抗は続いています。軍が実効支配する地域は、実は全土のたった17%という観測や(※1)、ミャンマー軍が空爆を頻繁にしているのは、地上戦では不利であることを表しているとの情報もあります。
日本政府はクーデター以降、ミャンマー軍に対し、暴力の即時停止、拘束された関係者の解放、民主的な政治体制の早期回復を求めています。また、東南アジア諸国連合(ASEAN)がミャンマー情勢の解決に向け掲げる5つのコンセンサス(暴力の即時停止、関係者の対話開始、対話プロセス仲介、人道支援、ASEAN特使派遣)を支持する、と繰り返し述べ、7月13日の日ASEAN外相会議でも林外務大臣がそのように発言しています(※2)。しかし、「支持」の具体的内容が見えない中、日本政府は7千億円にも上る円借款(政府開発援助)をミャンマーに対し継続するなど、矛盾した対応を続けています。日本が「最大限(実現を)後押ししていく」というこの5つのコンセンサスですが、効果が見えないことからASEAN自身が見直す模様ですが、それに対しミャンマーの市民社会からASEANに対し、より効果的な人道支援やミャンマー市民との合意形成を求める声が上がっています(※3)
また、ミャンマーの市民社会からは、「ミャンマー国民和解に関し、関係国政府等と交渉するための日本政府代表」である笹川陽平氏が、2023年2月に軍の計画する「選挙」への支持をメディアに表明するなどしたことから、日本政府もこれを支持するのではないかという懸念も広がっています(※4)。
今年は日ASEAN友好協力50周年の記念イベントが数多く企画されていますが(※5)、先日、法務省のイベントには、ミャンマー軍の代表が招待されるのではないかと懸念の声も上がりました。結果として軍の指名した法務大臣は出席しませんでしたが、日本政府は各方面からの問い合わせに対し、ミャンマーから誰を招いたか最後まで明らかにしませんでした。
日ASEAN友好協力50周年にあたっては、友好イベントだけでなく、ASEAN域内で起きている人道危機に日本政府が真摯に向き合うことが求められています。これには、ミャンマー軍の暴力を一刻も早く終わらせるため、日本政府がミャンマー軍と資金的な繋がりを断ち、加えて、軍への支援を連想させる全ての行為を止めることが不可欠です。こうした市民の声を届けるため、総理官邸前でアクションを行いました。
※1 Special Advisory Council for Myanmar. “Briefing Paper: Effective Control in Myanmar”.
※2 日ASEAN外相会議(2023/7/13).
※3 REVIEW OF FIVE-POINT CONSENSUS MUST LEAD TO ASEAN AND UN’S CONCERTED ACTIONS AGAINST MYANMAR MILITARY JUNTA. (2023/7/17)
※4【プレスリリース】「ミャンマー国民和解に関し、関係国政府等と交渉するための日本政府代表」は説明責任と透明性を欠いている」(2023/5/31)
※5 50th Year of ASEAN-Japan, Friendship and Cooperation.
官邸前アクションの様子
呼びかけ団体
メコン・ウォッチ、国際環境NGO FoE Japan、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、アーユス仏教国際協力ネットワーク、日本国際ボランティアセンター(JVC)
問い合わせ
国際環境NGO FoE Japan
電話: 03-6909-5983 または、問合せフォームへ
#ミャンマー軍の資金源を断て これまでの要請・アクション
・2021年3月4日 【要請書】日本の対ミャンマー公的資金における国軍ビジネスとの関連を早急に調査し、クーデターを起こした国軍の資金源を断つよう求めます(35団体賛同)
・2021年4月1日 【共同要請書】ミャンマー国軍を利する日本政府の経済協力事業を直ちに停止するよう求めます(19団体賛同)(4月8日更新版:10団体賛同追加)
・2021年6月1日 【共同要請書】日本政府はミャンマーに対する経済協力事業の全面的な見直しを(42団体賛同)(6月7日更新版:2団体賛同追加)
・2021年8月1日 【共同声明】 ミャンマー:クーデターから半年 日本政府は国軍の暴挙を止めるための具体的な行動を(20団体賛同)
・2021年9月15日 【要請書】イェタグン・ガス田開発プロジェクトからミャンマー国軍に資金が流れないよう早急な措置を求めます
・2021年4月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 外務省前アクション
・2021年4月9日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 官邸前アクション
・2021年4月13~19日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ 連続アクション報告:日本の7政府機関・12企業への要請・アピール
・2021年5月13日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ ミャンマーでの通信遮断=人権侵害をやめて!KDDI、住友商事前アクション報告
・2021年5月21日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ ストップODA!ダイ・イン @ 外務省前
・2021年6月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ 「日本政府は Act Now!」官邸前アピール
・2021年6月18日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ 人権侵害に加担しないで!ミャンマーでのガス事業 経産省・JX石油開発・三菱商事前アクション報告
・2021年7月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ 「ジェット燃料の軍事転用はない?」ENEOS前アクション /「独自のパイプ、錆びてませんか?」官邸前アピールの報告
・2021年8月2日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ クーデターから半年。ミャンマー追悼と希望の集い @官邸前 ~ 自由と未来と民主主義のために!
・2021年9月2日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ オンラインセミナー「クーデターから7ヶ月 現地情勢と日本の経済支援を振り返り、これからを考える」
・2021年10月1日(荒天により10月5日に順延) #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ クーデターから8ヶ月@官邸前アクション 新政権はただちにミャンマー経済支援の見直しを!
・2021年11月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 官邸前アクション ミャンマー情勢を見続けて9か月 新政権は今度こそ経済支援の方針転換を!
・2022年2月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 国軍によるクーデターから1年 日本政府に署名提出/官邸前アクション
・2022年3月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て イェタグン・ガス田開発から責任ある撤退を! 経産省・ENEOS・三菱商事前アクション
・2022年3月22日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ オンラインセミナー「日本関与のイェタグン・ガス田からの資金を問う」
・2022年4月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ミャンマー国軍が得する経済支援?まだ続けるなんて嘘でしょ ー 官邸前アクション
・2022年5月13日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ~ オンラインセミナー「脅かされるミャンマーの少数民族の命と暮らし 悪化する人権状況の報告」
・2022年6月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 土地の賃料が国軍に?! 日本政府はYコンプレックス支援の即中止を ー 官邸前アクション
・2022年6月15日 #ミャンマー国軍の資金源を断て クーデターから500日 ツイッターアクション
・2022年7月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 日本政府が秘密裏に国軍と「友好的な協議」?! 国軍への経済協力はあり得ないー 官邸前アクション
・2022年7月1日 内閣官房内閣審議官のミャンマー訪問に対する抗議と要請
・2022年8月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 日本政府はミャンマー国軍とお友達のままですか?ー総理官邸前アクション
・2022年9月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 人災は止められる 日本政府はイェタグン・ガス田から早期撤退と安全な閉鎖を!ー総理官邸前アクショ(雨天のため中止)
・2022年10月4日 #ミャンマー国軍の資金源を断て これって「国際協力」ですか?日本政府は実施中の対ミャンマーODAを止めて!ー 外務省前アクション
・2022年10月4日 【要請書】日本政府の対ミャンマーODAの停止を求めます
・2022年11月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て ミャンマー追悼と希望の集い~日本政府はミャンマー国軍と手を切って!ー 官邸前アクション
・2022年12月5日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 大事なことなので何度でも言います!- 日本政府は実施中の対ミャンマーODAを止めて!ー 外務省前アクション
・2022年12月5日【要請書】日本政府の対ミャンマーODAの停止を求めます
・2023年2月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て クーデターから2年 ~ 官邸前アクション「日本政府は対ミャンマー政策の再構築を!」
・2023年2月1日【共同声明】クーデターから2年 日本政府は対ミャンマー政策の再構築を
・2023年4月7日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 日本政府はミャンマーに対する人権外交の実現を!ー官邸前アクション
・2023年6月1日 #ミャンマー国軍の資金源を断て 日本政府は、ミャンマー国軍の残虐な国際犯罪を止める側に立って!-外務省前アクション
以上