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ボク、違法材「ナラ」いらないよ!
イホウバッサイと学習机
違法伐採問題
ロシアでは90年代初めにソビエト体制が崩壊した後、法的な混乱、犯罪の蔓延、労働者の解雇、物資の不足により、地方とりわけ山村の生活が極度に悪化しました。
そのため、旧国営企業の旧式機材を使った木材ビジネスが乱立しました。無数の小さな伐採業者が自社の経営を軌道に乗せるためには、違法あるいは半合法的に森林を利用してきたのです。
偽造あるいは営林署職員から不正に手に入れた伐採証明書を用いるか、全く書類を持たずに調達した木材を賄賂を払って売買するようになりました。森林を監督するはずの営林署職員たちも都合の良い理由をつけて自ら違法伐採に手を染めていったのです。
違法伐採された大きなナラの木の切り株 森のいたるところで見られる |
盗伐はブリゲート(小規模な伐採団)によって行われます。通常2~4人で活動し、夜間、闇夜に紛れて盗伐行為を働きます。現地では夜遅くに大きな木材を満載して走る木材運搬トラックは頻繁に見られます。
トラック1台分で貯木場まで運んで約2500ドルの収入があり、監視所での警察への賄賂は200~300ドルが相場です。一晩働くだけで大変な利益です。
木材運搬トラック |
ロシアで体制変換による混乱が続いている頃、お隣の中国では1998年の大洪水に伴って導入された「天然林保護計画」により、中国国内の木材生産が厳しく制限されるようになりました。これに加え、中国の改革開放政策に伴う急激な経済発展が加速、木材需要が急増しました。
中国国内で木材が調達できなくなった木材バイヤーたちは、隣のロシアに現金を持って買い付けに行くようになりました。巨大な需要と供給のギャップにより、ロシア~中国間の木材取引は非常にうまみのあるビジネスとなったのです。貧しい村落で生活に喘いできた中国人たちは、多少のリスクはいといませんでした。
中国人の木材業者 |
中国人による違法工場 |
こうして、ロシアでの無秩序かつ非合法的な木材ビジネスは、伐採業者が欲しがるドル現金を持つ中国人バイヤーにコントロールされるようになったのです。
木材は、流通過程で合法化され、大手企業や中国バイヤーの利潤を拡大。全体としてみれば、このような合法ビジネスと違法ビジネスは一体化しています。
現地の専門家らは「合法だといえる木材は無い状況だ」と指摘しています。