生物多様性と森林
生物多様性とCSR
これまで生物多様性保全は、政府やNGOなど市民社会が中心となって取り組んできました。
ところが今、企業の生物多様性に与える影響と保全への取り組みが注目を浴びています。
最近では、土地開発による生態系への影響を回避・最小化するため様々なNGOと協力するなど、知識、経験、ネットワークを培ってきたNGOと協働する企業も増えてきました。しかし多くの企業は、生物多様性保全を本業とは関係の薄い分野で、植林などの社会貢献活動を通して行おうとしているに過ぎません。
生物多様性という概念のわかりにくさ、客観的な評価基準がないことが、企業が取り組みづらい理由として挙げられます。
企業の活動を客観的に評価する基準を作れないか?FoE Japanでは07年12月より、勉強会「生物多様性とCSR」で企業の取り組み事例を調査しました。その後、有識者やNGOで構成する検討委員会を立ち上げ、議論、公開フォーラムを重ね、評価基準案が完成しました。
>企業の生物多様性に関する活動の評価基準案(2009年3月)
企業が生物多様性保全に関わるために、政策上からどのようなフォローが可能なのか?これまでの調査・検討を経て、政策が必要との考えから「生物多様性政策研究会」を設置。各学会、業界、政界の方々を招き検討後、政策提言をまとめました。
>生物多様性保全に関する政策提言について(2010年3月)
>生物多様性保全に関する政策提言(日本語)[PDF]
>生物多様性保全に関する政策提言(英語)[PDF]
「企業」は生物多様性を減少させないように活動し、「消費者」は生物多様性を保全するために役立つサービスや商品を選び、「行政」はこの流れをスムーズにする政策を行う、それぞれの責任を負っています。
評価基準は、単に市民が企業を評価するためのものでなく、私たち消費者にとっても、環境負荷の少ない製品・サービスを選択する判断ツールとなるはずです。
生物の多様性は人類共通の財産であり、未来の世代にこれをのこしていくために、政府、企業、市民の社会全体で保全に取り組む時が来ています。