節電戦隊・電気の使い方を「カエルンジャー」
原発ゼロでも電気は足りる! ~いま求められるスマートな省エネ
●原発の再稼働は、電力需給問題とは別!切り離して考えるべき
国会事故調査委員会の検証も終わらず、安全評価指針の抜本的見直しもないまま、再稼働を進める前提はありません。さらに、多くの市民団体、京都府、滋賀県、大阪府市などの自治体首長や議員による、拙速な再稼働への異議と「地元」としての説明と同意プロセスを求める声は、決して無視されてはなりません。
原発を動かさなくても、電気をつくる設備容量は十分足りています。政府と電力会社は本来、再稼働なしで電力不足に陥らないためのあらゆる政策・対策を示す必要があります。
同時に、企業や自治体でも、無理な負担なしにできることが、まだまだたくさんあります。
私たち市民も、「再稼働STOP!」を政府や電力会社に引き続き訴えながら、身の回りでできる節電アクションに加えて、企業や自治体に取り組みを促していきましょう。
●電力会社・政府試算は「過小評価」
今夏の電力需給予測について、政府の「電力需給検証委員会」は各電力会社からの報告を検証し、短期の電力需給対策を発表しました。その中で、たとえば関西電力については、14.9%の電力不足見込みとしています。
しかし、本来安定供給確保のために、そのギャップをどう埋めるかの議論がされなければなりません。電力会社、政府の試算では、下記のさまざまな対策について、精査が不十分なものです。その一方で需要の見通しだけは、猛暑かつ事故前の2010年の値に基づいて高く見積もっています。
<需要> |
<供給> |
※国家戦略室・電力需給検証委員会
>https://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive08.html
●「足りなくなる」といっても夏の数日、数十時間のみ
このグラフは、東京電力管内の夏季最大ピーク時の需給カーブ予測を表したものです。
電力需要のピークは午後2時前後の数時間しかも、最大ピークに達する可能性のある日は、数日です。
つまり、この数日・数十時間のピークをいかに減らすかが、今夏の電力需給問題なのです。
<夏季最大ピーク時の需給カーブ> 【出典】資源エネルギー庁:夏期最大電力使用日の需要構造推計(東京電力管内) 平成23年5月 >https://www.meti.go.jp/setsuden/20110513taisaku/16.pdf |
●どこを減らせばよいのか?
夏の午後の電力需要の中で大きな割合を占めるのが業務用(オフィスビルや小売店など:約4割)です。
業務の中では、オフィスビルが約4割を占め、電気の使われ方としては、空調が4割、照明が3割弱となっています。
特にオフィスや商業施設などで空調・照明の使いすぎを見直し、省エネ化を進めることが、真夏のピークカットのひとつの重要な鍵を握っています。
震災直後は、照明の間引きなどが進みましたが、時間がたつにつれて、以前の明るさ、冷暖房に戻ってきているところも多く見受けられます。
>そこで、節電戦隊電気の使い方をカエルンジャー!
<夏季最大ピーク時の電力需要のうちわけ> 【出典】同上 |
●多くの事業所で、省エネ機器取替えにまだ取り組んでいない!
次のグラフは、関西電力・九州電力管内における2011年度冬の節電状況についてのアンケート結果です。小規模の事業所で実施した節電の内容について、照明の間引きやこまめな消灯、空調の調整などは多く取り組まれていますが、「照明のLEDなどへの切り替え交換」「空調のガス等への切り替え交換」については、まだほとんど取り組まれていないことがわかります。
無駄の削減に加えて、ここにも、まだ大きな余地があります。
>そこで、電気をカエル計画
<小規模事業所(非製造業)における具体的節電取組の内容> 【出典】関西電力・九州電力管内の今冬の節電総括:大口需要家・小口需要家・家庭のご協力に 関するヒアリング・アンケート調査結果(2012年4月23日需給検証委員会、参考資料3) |
●昨夏、昨冬の節電実績が証明
昨夏、昨冬は、多くの企業や事業所で、10~20%、またはそれ以上の節電を達成しています。
東京電力管内では、昨夏全体で18%の節電が達成されました。
東京都庁では昨夏、庁舎で29%を節電し、都内の事業所や家庭にも取り組みを呼びかけました。
<具体的な取り組み>
・照明照度の見直し:「従来の750ルクス以上」から「500ルクス以下」へ
・空調28度の実践(昨夏の実施割合は3割)
・テナントビルでの省エネ対策 ほか
※東京都における節電・省エネ対策について(2012年4月26日第2回電力需給検証委員会、資料3)
>https://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120426/shiryo3.pdf