脱原発・エネルギーシフトに向けて
「原発事故被害者の救済を求める全国運動」キックオフ
2013年8月16日
東京電力福島第一原発事故から2年5ヶ月が経過しました。いまだ収束の見通しさえたたず、被害者は放射能汚染と被ばくの脅威にさらされており、把握されているだけでも約15万人の人々がふるさとを追われ、家族や地域共同体が分断されたまま避難生活を強いられています。
私たちは、昨年制定された「原発事故子ども・被災者支援法」にもとづき、避難された方もとどまっている方も、その権利を守り、幅広い支援をおこなうことを求めてきましたが、同法は一向に実施されていません。
原発被害の賠償請求権が次々に時効を迎え、消滅してしまうという問題もあります。 被害者は、このまま泣き寝入りを強いられるのでしょうか。そんなことを許してはなりません。
これらの問題の抜本的な解決を国に求めるため、このたび、「原発被害者の救済を求める全国運動」がキックオフします。
「原発事故子ども・被災者支援法」の幅広い早期の実施と、原発被害の損害賠償権の時効問題の解決を求める請願署名や集会を行います。みなさまの支援とご協力をお願いします。
●請願署名を開始しました >詳細はこちら
●原発被害者の救済を求める全国運動 記者会見
日時 | 2013年 8月26日(月)15:00~16:00 |
会場 | 参議院議員会館B107 >地図 |
内容 | 「原発被害者の救済を求める全国運動」について 9・21福島集会について 請願署名について |
出席者 | 佐藤和良(いわき市議会議員)、 河崎健一郎(弁護士、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク)、 海渡雄一(弁護士、日本弁護士連合会前事務総長) 満田夏花(FoE Japan) など |
●9/21 原発事故被害者の救済を求める全国集会 in 福島
>詳細はこちら
●呼びかけ文
東京電力福島第一原発事故は、事故発生以来2年4ヶ月が経過しても、収束の見通しさえたっていません。被害者は、いまなお、放射能汚染と被ばくの脅威にさらされており、把握されているだけでも約15万人の人々がふるさとを追われ、家族や地域共同体が分断されたまま、避難生活を強いられています。
昨年6月に、「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(以下、「支援法」)が、国会史上はじめて、全会派共同提案・全会一致で成立しました。この法律は、放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないことを法律に明記し、被ばくを可能な限り避けながら被災地に住み続けることも、避難を選択することも、避難先から帰還を選択することも、いずれも自己決定として尊重することとし、そのために必要な支援を実施しようとする法律であり、さまざまな立場の被害者が分断を乗り越えて前に進む契機となりうる画期的な法律でした。
しかし、支援法の成立から1年が経ったいまも、この支援法が実施されていません。それどころか、復興庁参事官のツイッターへの不適切投稿が明らかにしたことは、政府・復興庁が基本方針の策定や具体的施策の実現を引き延ばしているという実態でした。これは、いまなお苦境にあえぐ被害者への許されざる背信行為であると言わざるを得ません。国民の代表である立法府が作った法律が、行政によって無視されたままで良いのでしょうか。
いまひとつ、被災者を深刻に追いつめるのが、被害の損害賠償を請求する権利が時効によって消滅してしまうのではないかという問題です。東京電力は、請求書やダイレクトメールを受け取っている人は大丈夫だと説明していますが、すべての賠償を確約しているわけではなく、不十分です。
また、裏を返せば、多くの自主避難者のように東京電力から請求書やダイレクトメールを受け取っていない被害者は、来年3月以降、消滅時効によって、裁判所に訴える機会さえ奪われることになりかねません。これは、加害者である東京電力が、被害者を選別し、分断しているということにほかなりません。加害者の側が、被害者として賠償をすべき相手を選べるというのは、あまりにおかしいのではないでしょうか。なぜ加害者の情けにすがって賠償を求めなければならないのでしょうか。
この問題をこのまま放置すれば、いま現在の健康や生活の問題への対応どころか、すでに生じた損害の賠償すらなされないままになってしまいます。原発事故の被害者は、このまま泣き寝入りを強いられるのでしょうか。
こうした現状を打開するため、被害者が従来の垣根を越えて幅広く団結し、被害者の窮状を全国に訴えるとともに、被害者支援の全国的な世論をつくりだし、政府と国会を動かさなければなりません。
いま、私たちは呼びかけます。
支援法の早期策定と具体的施策、および原発被害の賠償請求の時効問題を抜本的に解決するための特別立法の実現を求め、原発被害者の権利を確立するための大きな運動を一緒に起こしましょう。
●共同代表(五十音順)
宇野 朗子 / 福島から福岡京都に避難
小池 達哉 / 福島県弁護士会 会長
佐藤 和良 / いわき市議会議員・原発事故子ども・被災者支援法推進自治体議員連盟共同代表
●呼びかけ人(五十音順)
伊藤 恵美子 / 子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク
海老原 夕美 / 日本弁護士連合会 副会長
大内 雄太 / 福島市議会議員
落合 恵子 / 作家
宇野 朗子 / 福島から京都に避難
鎌田 慧 / ルポライター
亀山 ののこ / 写真家
河﨑 健一郎 / 福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク 共同代表
木田 光一 / 福島県医師会 副会長
栗田 暢之 / レスキューストックヤード 代表理事
小池 達哉 / 福島県弁護士会 会長
佐藤 和良 / いわき市議会議員・原発事故子ども・被災者支援法推進自治体議員連盟共同代表
佐藤 健太 / 飯館村村民
高野 光二 / 福島県議会議員
中手 聖一 / 原発事故子ども・被災者支援法市民会議 代表世話人
長谷川克己 / 福島から静岡に避難
藤田 和芳 / 株式会社大地を守る会代表取締役
増田 薫 / 放射能からこどもを守ろう関東ネット 代表
丸山 輝久 / 原発被災者弁護団 弁護団長
満田 夏花 / 国際環境NGO FoE Japan 理事
武藤 類子 / 福島原発告訴団 団長
山澤 征 / 南相馬市小高区行政区長連合会会長
山本 伸司 / パルシステム生活協同組合連合会理事長
湯浅 誠 / 反貧困ネットワーク 事務局長
<原発被害者の救済を求める全国運動実行委員会>
福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)、FoE Japan、原発事故子ども・被災者支援法市民会議、生活協同組合パルシステム、放射能からこどもを守ろう関東ネット、グリーンピース・ジャパン、福島原発事故緊急会議、ピースボート、福島原発震災情報連絡センター、子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク、福島原発30キロ圏ひとの会(2013年8月15日現在)
<連絡先>
(福島)いわき市議会創世会 佐藤和良
いわき市平梅本21 TEL: 0246-22-1111(代表)内線4132
FAX: 0246-25-8380
(東京)FoE Japan TEL: 03-6907-7217 FAX: 03-6907-7219
「原発被害者の救済を求める全国運動」に、みなさまのご支援をお待ちしています |