スワジーランドには、長期の気象統計はありませんが、過去15年を見る限り、35℃を超える日が12%増加し、雨季の始まりの9月と10月の降水量が最大50%減少している地域もあります。強い嵐が起こる頻度も増加しています。今、最も必要とされるのは、異常気象、災害対策です。もし、先進国で伝染病が発生したら、人々はすぐにワクチンを供給され、拡大を防ぐことができるでしょう。もし、大洪水が起これば、救助ヘリコプターがすぐに派遣されるでしょう。しかし、これらの対策準備はこの国では難しく、結局、人々は大災害の矢面に立たされるのです。政治、経済、そして国家間紛争等、政府を取り巻く状況が、政府の優先課題を人々が苦しんでいる問題ではなく国防へと向かわせてしまっています。
今年はほとんど作物が育たず、とても大変な年でした。雹の嵐によって、商店の屋根は完全に吹き飛び、作物や馬も被害に遭いました。これまで自分で栽培できていたトウモロコシや豆も、今じゃ買わなければなりません。昔は集落長が人々を集め、畑の草取りや収穫をさせて、食べ物がない人たちに収穫した作物や牛を分け与えていました。それで、全ての人が飢えずにすみました。しかし今や、収穫するものが減り、彼らを助けることができません。家畜を食べさせる牧草もほとんどなくなりました。牛たちは水を探して長時間移動しなければなりません。水不足は人間にも大問題です。川や井戸は涸れ、入手できる水もいつも汚れているので、コレラや下痢などの病気が蔓延しています。
季節が変化し、私達農民はいつ種を蒔けばいいのかが分からなくなりました。かつては11月15日までに種を蒔けばたくさんの収穫が得られました。今では、11月に種を蒔いても、雨が降ることはないのです。特に今年は最悪の年でした。今までは少なくとも300袋のトウモロコシが収穫でき、家族の1年間分の食糧を賄えた上に、残りのトウモロコシを現金収入のために売ることもできました。しかし今年は30袋しか収穫できず、私の教師としての給料を合わせても、家族全員を養うことができません。学校でも、子供たちは飢え渇いています。栄養が足りず、生徒の集中力も低下しています。水不足も深刻で、雨水集水装置もありますが、今はもう空です。学校には菜園もあり、学校にいるエイズ孤児たちに作物を分配していましたが、今年は水不足で収穫できず、孤児たちに食べさせることすらできません。
情報提供:ナターシャ テロット / FoE スワジーランド
(Voice from communities affected by climate change)