自然エネルギーで街を灯そう
市民参加によるイルミネーションのグリーン化プロジェクト
木枯らしの吹き始めるころから街を彩る様々なイルミネーションは、道行く人の心を和ませてくれます。今や日本各地でイルミネーションは冬の風物詩として欠かせない存在になっています。
しかし、一方で、2005年に発効した京都議定書において日本は90年比で6%の温室効果ガス削減を国際社会に約束しているにもかかわらず、これまで逆に8%増加しており、特に民生部門の削減は急務となっています。
年々その規模を増すイルミネーションも、こうした民生部門のエネルギー消費の増加の一因であることは否定できません。
そこで、FoE Japanは、環境省の平成18年度地域協同実施排出抑制対策推進モデル事業として、「市民参加によるイルミネーションのグリーン化」を開始いたしました。イルミネーションは、電力消費を免れない商業活動ではありますが、街のシンボル的存在であり、人の心を動かす力を持っています。このイルミネーションを「グリーン化」することは、地域住民のエネルギー意識向上や環境のまちづくりにつながる絶好の機会になるでしょう。
●グリーン電力証書制度って?
自然エネルギー、すなわち風力、太陽光、バイオマス、小型水力、地熱などで発電された電気やこれを選んで購入するしくみを「グリーン電力」といいます。グリーン電力は、エネルギーとしての価値と環境としての価値を併せ持つ電力です。
そこで、その環境価値だけを取り出して「証書」として販売するしくみを「グリーン電力証書」といい、その購入により、電力発電設備を保有する企業・自治体・個人等の自然エネルギー推進に貢献することができます。また、証書に応じた電力量が自然エネルギーによって発電したとみなされ、環境への貢献を広く社会に向けて公表することができます。
●グリーン電力証書によるグリーン化
「グリーン化」は、まず、電球を白熱電球から消費電力の少ないLEDなどに転換する「省エネ」から始めることができます。その上で消費する電力も、「グリーン電力証書」の購入により、「自然エネルギーで賄う」ことができます。このしくみは、太陽光や風力、バイオマスなどの自然エネルギーによる電力の「環境価値」を購入するしくみによって行われます。
そして、このグリーン電力の購入を、イルミネーション主催者だけでなく、地域の市民や企業で協力して行うことで、「市民参加によるグリーン化」が実現します。日本の各地で多くの人がグリーン電力証書購入に協力することで、自然エネルギーの導入が促進され、発電量に占める自然エネルギーの割合を増やすことにつながるのです。