フィフティ・フィフティ
フィフティ・フィフティとは|全国調査報告書|各地の導入状況|導入の手引き
日本各地で進む光熱水費節減分還元プログラム
平成12年にドイツから札幌に輸入されたフィフティ・フィフティは、その地域の特性や自治体の体制などによって形を変えながら、確実に各地へ広まっています。
FoE Japanは、2005年12月に全国自治体アンケートとヒアリングを実施しました。 各地域での実施状況は以下の通りです。
※1 データはFoEJapanが実施した全国自治体への調査結果を基に、その後寄せられた情報を追加しています。以下は、2007年3月現在での情報です。
※2 ここでは、公立学校において省エネ努力をし光熱水費を節減した場合に、予算還元されるしくみを総称してフィフティ・フィフティとして
います。実際には各自治体独自の名称で実施しているケースもあります。
都道府県、市町村名
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
緑色の都道府県や赤い丸印(市町村)にマウスを近づけると、都道府県、市町村名が表示されます。
クリックすると、新しいウィンドウが開き、詳細がご覧になれます。
詳細一覧(1/2) 次へ(2/2)
●静岡県
静岡県では、平成13年度から全高校約100校を対象に、前年度比で節減した予算を学校が自由に使用できる制度を導入。16年度からは、学校ごとに教育委員会で定めた予算枠(光熱水費を含む)の範囲内で各校が自ら予算編成を行う制度を導入しており、基準年と比べて節約した光熱水費は全て他の費用に充てることができるようになっています。光熱水費の支払い、エネルギー会社との契約も学校が行っています。
●大阪府
平成16年4月から光熱水費削減分還元プログラムを導入。盲・ろう・養護学校を含む全高校174校が対象となっています。節減分は全て各学校の裁量により備品・消耗品の購入に充てられており、還元分でソーラー温水器を卒業記念として設置した学校もあります。
●兵庫県
兵庫県では各学校に対して光熱水費予算額があらかじめ配分され、執行も各学校で行われています。学校毎に予算の範囲内で削減を行った場合には、次年度以降も一定のインセンティブが与えられ、一定額は各学校で自由裁量とし特色ある学校づくりのため等に活用されています。
●和歌山県
児童・生徒が環境についての理解を深め、環境を守り育てるための教育と環境保全のために、平成15年度より「きのくにエコスクール事業」が始まりました。このアクションプランのひとつとして、県立学校における光熱水費の節減が掲げられ、県立高校全48校でスタートしました。各校がエコスクール推進委員会を設け、省エネ活動に取り組んでいます。
節減した光熱水費の3割は環境保全のため学校敷地内の植樹にあて、また、3割は学校が自由に物品購入などに使えます。さらに、15年度は節減したエネルギー量をCO2量に換算し、その削減量が多い上位校には報奨金が出されました。15年度の実績ではCO2排出量が前年度と比べ202トン減ったことになり、削減率が6%以上の学校は12校ありました。
●佐賀県
佐賀県では、平成16年度より全県立高校47校を対象に「予算使い残しシステム」というプログラムを実施しています。これは光熱水費だけが対象なのではなく、義務的経費、臨時・特定経費等を除く経費が対象です。還元分は各学校の裁量により翌年度予算にあてることができるため、学校現場における節減意識が高まっています。省エネが温暖化防止活動に貢献し、節減分の予算が自由裁量分として還元されることを学校は強く認識しています。
●北海道札幌市
姉妹都市ミュンヘン市で行われているフィフティ・フィフティが、札幌市環境保全協議会より提案され、光熱水費の増加に頭を悩ませていた教育委員会は、平成12年度よりこれに習ったシステムを導入しました。各校の過去2年間の支払額に応じた光熱水費をあらかじめ予算として配当し、節約して予算が余った場合にその半額が学校の裁量で消化できます。12年度から3年間、市立高校全校での試行を開始し、その成果を受けて、15年度からは新たに小中学校36校で実施されています。17年度は、各校の給食設備をドライ方式に切り替えることによって、水の使用量を前年度比で8%近く削減しました。現在は現行のシステムを検証するとともに、今後、約300校ある市立学校全体へ拡大することも検討しています。
●北海道網走市
平成17年度より「環境にやさしい学校活動事業」を開始。過去5年間の実績値をベースに全15校それぞれの目標値を定め、節減分が次年度予算に上乗せされます。札幌市と同様、電気・水道・暖房用燃料が対象となっています。電気については、使用量からCO2排出量を割り出して省エネ努力を評価し、原油高の影響がそのまま反映される燃料については、基本料金の高騰や寒波などの気候条件を加味して調整を図っています。17年度の実績では、電気使用量が前年度比で約11%の節減、水道が6%減、節減予算は8ヶ月で約300万円減を達成しました。
●北海道浜頓別町
町内の全小学校6校、全中学校2校が参加し、平成16年度より開始しました。電気と灯油の使用量を対象に、節減分の半分が学校に還元され、需用費の範囲内に充てられるようになっています。
●北海道滝上町
光熱水費の需要調査を目的に、平成17年10月より、教育委員会が指定した小学校1校をモデル校として行われています。対象は電気と暖房用燃料で、節減分は子どもたちが喜ぶものへと還元する予定。
●北海道浦河町
他の自治体の取組みを参考として、平成15年度より導入しました。町内の全小学校5校、全中学校3校が参加し、電気・水道・暖房用燃料が対象となっています。予算で削減率を設定した上で、削減額の2分の1を予算化し、需用費に還元しています。15年度160万円、16年度260万円の節減を達成しています。
●北海道本別町
平成17年度より、電気・水道・暖房用燃料を対象に開始しました。節減分の半分が学校の裁量で使用できる予算として還元されます。現在、町内の全小学校6校が参加しています。
●山形県米沢市
米沢市では電気・水道を対象とした節減分還元プログラムが平成15年度から17年度までの3年間実施されました。市内の全小学校18校、全中学校8校が参加し、一年間で950万円前後節減しました。還元方法は節減額の1/2を予算要求し各学校の削減実績に応じて配分する方法をとっていました。
●山形県酒田市
平成17年度、教育委員会が主導となって(財)省エネルギーセンター主催の省エネ共和国を建国し、市内の全小学校21校、全中学校8校のみならず、児童・生徒の家庭800世帯に省エネナビを配布し、地域ぐるみで電気・水道の使用量前年度比10%減の目標を立てて取り組みを開始しました。還元分の使途は、備品以外に学校敷地内の緑化などについても検討をしていく予定です。
●山形県東根市
環境教育、温暖化防止を主目的として平成17年度より還元プログラムが導入されました。市内全小学校8校、全中学校5校が参加しています。東根市では学校版ISO「さくらんぼ環境ISO」を平成16年度より実施しており、その中のプログラムのひとつとして省エネが掲げられています。16年度は400万円、17年度は700万円の節減ができました。
●山形県川西町
平成17年11月から市内の全小学校8校、全中学校3校を対象として開始され、年度途中の取組みにも関わらず一定額の削減を達成しました。同町では導入に際し、学校からの要望がある場合、県の担当職員により講習が行われています。
次へ(2/2)
フィフティ・フィフティとは|全国調査報告書|各地の導入状況|導入の手引き