気候変動適応対策
途上国の脆弱性と適応対策
気候変動は、貧困や紛争等の経済・社会問題や環境問題のある地域に特に大きな被害をもたらし、状況を悪化させてしまうと考えられています。
開発途上国は、様々な複雑な問題を抱え脆弱な上に、気候変動影響に対応するための資金、技術、インフラも不足しています。
ハリケーンや大干ばつなどの自然災害や異常気象が起こると、一度に大きな犠牲が出る上に、長期間にわたって交通、農作物、健康、衛生等人々の健康や生活に深刻な影響を及ぼし、開発途上国の持続可能な開発を阻害します。
一刻も早くこれ以上の温暖化に歯止めをかけると同時に、今後も増加・拡大する気候変動の影響を予防・回避・軽減・復興するための「適応対策」が必要とされています。
一方で、近年においては気候変動に対する適応には限界があり損失と被害とその対応策を議論すべきだとの流れも出てきています。
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歴史的排出への責任と途上国支援の必要性
地球温暖化は、先進国の大量消費による温室効果ガス排出に起因していますが、真っ先に被害を受けているのは、最低限の生活に必要な水やエネルギーすらも不足する途上国の貧困層の人々です。
日本を含める先進国には、過去と現在における温室効果ガスの排出責任があり、途上国の気候変動適応対策のために、資金や技術を支援しなければなりません。また、森林減少や工業化に伴い、途上国からの温室効果ガス排出も増加し続けています。途上国が低炭素社会を構築し、持続可能な開発を達成するための支援も必要です。
適切な支援とは
途上国の気候変動対策支援のために、国連、世界銀行などの多国間援助機関、そして二国間援助でも様々な援助制度や基金が創設され、すでに支援プロジェクトが始まっています。
しかし、それら援助制度、プロジェクトの中には、途上国の人々のニーズ合わなかったり、反対に環境破壊や温暖化を助長させてしまうようなものもあります。大型事業や途上国に根ざしにくい先進国の新しい技術の導入事業ほどそのような問題や住民ニーズとのミスマッチを起こしてしまうリスクが伴います。
真に途上国で気候変動影響に苦しむ人々を支援するためには、支援先の地域の状況や住民のニーズに即し、できるだけ地域の資源や伝統的な技術を活用したコミュニティベースのエンパワーメントや技術向上に貢献できる支援が求められています。
FoE Japan は、日本政府や援助機関、企業、NGOが気候変動対策支援を行う際に気をつけることを提案し、パイロットプロジェクトとして、インドネシアのコミュニティを支援をしています。
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>途上国における気候変動対策支援への提案
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