COP15 (コペンハーゲン会合)
FoEインターナショナル コペンハーゲンブログ
現地からFoEインターナショナル広報スタッフが発信するコペンハーゲンブログを翻訳して紹介します。
(原文の日付順ではありません)
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12月15日:モンサントが最悪のロビースト賞を受賞
コペンハーゲンの国連気候交渉の会場にてジャーナリストのナオミ・クライン氏により、アメリカに本社を持つバイオテクノロジーの巨大な多国籍企業であるモンサント社が37%の票を獲得して「2009年怒れるマーメイド賞」を受賞したと発表されました。
受賞した農業巨大企業のモンサントは、気候変動への解決策として遺伝子組み換え作物を開発しバイオ燃料に使うようすすめています。ラテンアメリカ諸国での遺伝子組み換え大豆の拡大は、森林伐採と温室効果ガスの排出を推し進めています。
モンサントがメンバーになっているRTRS(The Round Table on Responsible Soy)は、遺伝子組み換え大豆に「責任ある」というラベルをつける認証制度を作っています。さらにモンサントは、遺伝子組み換え大豆にクリーン開発メカニズム(CDM)の資金支援を受けようとも試みています。
賞を与えるにあたり、ナオミ・クライン氏は、このような大企業のロビーイストが国連気候交渉に与える影響について説明しました。
「国連会場であるベラセンターでは、巷で言われるような本当の解決策は一切聞こえてきません。本当の解決策は議題に上っていません。石油企業のたなぼた式の利益にどう課税するかという議論の場はありません。タールサンドを掘り出さずに埋めたままにすべきと言う声は聞こえてきません。討議されるのは市場に基づいた解決策のみです」
なぜでしょう?受賞結果を発表にあたり、彼女は「それは、会議に参加している政治家は、大企業に買収されていると言っていい状態だからです」と結論付けました。
モンサントは一万以上票を集め、投票の37%を占めました。2位は18%をとったロイヤル・ダッチ・シェル。3位は14%のアメリカン・ペトロリアム・インスティチュートでした。
12月14日:アフリカ支援の日
FoEインターナショナルは国連気候会議で、京都議定書の排出削減目標を守るべきとの主張をしているアフリカ諸国を支持するアクションを行いました。2度のアクションのあと、FoEインターナショナル代表のニモ・バッセイは報道陣に向かい、先進国は「国連のルールを曲げ、自分たちの利益になるよう汚い交渉手段を講じている」と語りました。
FoEインターナショナルがアクションを行う間、アフリカ諸国はこのような交渉手段に対して抗議しました。
「我々はアフリカとともに抗議します。京都議定書の目標を見失うな!」
12月14日:FoEドイツ(BUND)一万人の署名を提出
FoEドイツ(BUND)がドイツ人一万人の署名を集め、ドイツ環境相ノルベルト・ロッテゲン氏へ手渡しました。2020年までに温室効果ガスをオフセットなしで40%削減する要請署名です。
月曜日、FoEドイツのアンジー・フォン・ブロークとティーナ・ロッフェルセンドにより、ドイツとEU全体の温室効果ガスの排出削減を求めてウェブサイトを通して一万人が署名した要請書を提出しました。大臣は政府を後押ししてくれるFoEに歓迎の意を表した。
メルケル首相の「単独のコミットメントはしない」という言葉言及し、アンジーとティーナは、先進国は温室効果ガスの排出に主導権をとっており、コペンハーゲンでは今度はその削減の主導権をとるべきということをドイツ政府に伝えました。少なくとも40%削減という大胆な削減を達成するためには、オフセットを利用せずに先進国国内での削減が必要です。大臣はドイツ政府の2050年までに80-95%削減という中・長期削減目標を紹介しました。アンジーは、大臣がドイツで新規の石炭火力発電所への投資を約束していることについて質問をしました。
「そのことはドイツに戻って話し合うべき件である。」と大臣は返答しました。FoEはどんな活発な議論ができることを期待しています。
12月13日: クライメート・ジャスティス(気候の公平性)を求めて コペンハーゲンの通りを“洪水”アクション
12日、世界中から5000以上の人たちがクライメート・ジャスティス(気候の公平性)とカーボン・オフセッティングの停止を求めて寒いコペンハーゲンの通りを埋め尽くしました。
“洪水”アクションは「気候フォーラム」(市民イベント)会場の屋外で、FoEインターナショナル会長ニモ・バッセイと、La Via Campesina のヘンリー・サラギ氏、the World March for Womenのアンパロ・ミシアノ氏のスピーチから始まりました。ニモは群集に向かって感動的な呼びかけを行いました。彼はクライメート・ジャスティスを要求し、カーボン・オフセッティングのような見せかけの解決策をやめるように訴えました。
「自分の国を汚しながら、アフリカに木を植えようとしてもNO!だ!」。
青い合羽を着て、「クライメート・ジャスティスを要求」の旗を持った5000人の人々があちこちから行進に参加しました。FoEマラウイのレインフォード・ワンゴンデ氏はここに参加することがなぜ重要なのか語りました。
「マラウイでは今、洪水や絶望的な干ばつや少雨が起こっています。これでは、農民が作物を育てることができません。動物も同じように草がなくなり苦しんでいます。マラウイの農民にとって毎日が闘争なんです。アフリカは気候変動の最前線にあり、だから今クライメート・ジャスティスを求めて、私はコペンハーゲンにきたのです」
スピーチの後スーツ姿カーボントレーダーが登場しました(アクションの一部)。
「二酸化炭素排出のオフセットにようこそ。きれいな空気を買って、汚い空気を売ってあげますよ」と呼びかけます。
通りを“洪水”化させている人々は、「オフセットはなしだ! クライメート・ジャスティスを!」と叫んでカーボントレーダーたちを説得しました。“洪水”アクションには、コペンハーゲンには来られないけれど気候の変動の影響を直に受けている人々からのメッセージも掲げました。これらのメッセージは、気候フォーラム会場にも「気候カプセル」として展示しています。
“洪水”アクションはデンマーク議会の前で 「オフセットは、嘘の解決策だ」という人文字を作って終了しました。
次に公式の気候交渉が行われている会議場に向かう推定10万人のデモ行進に、「直ちにクライメート・ジャスティスを」のメッセージとともに合流しました。12日は私たちの求めることが声高に示されたすばらしい一日となりました。
12月12日:クライメート・ジャスティス(気候の公平性)を求めて5000人の洪水
今日(12月12日)、世界中から集まった5000人以上の市民が、FoEメッセージ:クライメート・ジャスティス(気候の公平性)のための「洪水」アクションに参加しました。
5000人が、気候の公平性とカーボン・オフセッティングをやめることを求めてコペンハーゲンの通りに溢れかえりました。
12月11日: 米国に気候債務の返済を!
気候変動に関する米国特別大使トッド・スターン氏は、先進国には気候変動問題においての責任はないと考えています。気候変動対策における米国の役割についての記者会見で 彼は「罪悪、過失責任、賠償責任といった概念には反対である。」彼は、「アフリカの貧しい農民も、自家用ジェット機をもつようなアメリカ人も気候変動に取り組む上で同じ責任があるべきだ。」と述べました。
オバマ大統領によれば、米国は気候変動に取り組む上での国際的なリーダーシップを取ろうとしていますが、スターン氏が大統領のこの姿勢を脅かしているようです。
12月11日: 気候フォーラムの一日
11日は、気候フォーラム(市民イベント)のいくつかのイベントに参加しました。 FoE ユースグループの発表から「環境債務とクライメート・ジャスティス(気候の公平性)の人民裁判」まで参加しました。
「若者と将来世代の日」と題されたイベントでは、気候フォーラム(市民イベント)会場で FoE ユースグループのメンバーと他の若者たちにより毎日発表が行われています。約千人の若者がコペンハーゲンで交渉の行方を追っています。交渉に対するプレッシャーとして、こうした若者たちの役割が認識されつつあります。
パネルディスカッションは地域ごとに分かれました。 FoE ウルグアイのマウロ・ラモスはラテンアメリカの状況、 特に気候債務について語りました。第一にボリビアと、ラテンアメリカ地域に占めるボリビアの強い立場について話しました。
「ボリビアは、彼らが持つ石油資源を維持し領土内に保存することを提案している数少ない国のひとつです」
彼は気候債務がどのように返済され得るかについて話し、返済方法は、直接支払い、先進国から途上国への技術移転の二つの方法があるとしました。
再生可能エネルギーについて、彼は肯定的ですが注意を要するものと述べました。
「多くの民間企業が新しいビジネス機会を探しています。再生可能エネルギーを地域の人々にアクセス可能な範囲にとどめておくことが大切です」
最後に先住民族の声に耳を傾けるよう政府代表団に注意を促して話を終えました。「先住民族の声は誰も聞こうとせず、全く忘れ去られています。我々は彼らのことを公正な世界実現のために心に留めておかなくてはなりません」
フェミニスト ストラグル
午後に参加した最初のイベントは、ワールドマーチ オブ ウーマンとFoEインターナショナルのサポーターによる「気候変動と環境の私有化に対する女性活動家の戦い」でした。FoEマレーシアのミーナ・ラーマンは、途上国と女性の観点から気候について話しました。
彼女は、情熱、創造性、希望と正義の場である「気候フォーラム」に参加できることはすばらしいと述べ、女性がいかに大地に密接しているか、言い換えれば気候との戦いの最前線にいるかを話しました:
「汚染が女性の体にどう影響しているか、公害が子供たちにどんな影響を与えているか、女性たちにはわかっているんです」
彼女は先進国が議題に上げている間で話し合われている話題について、情熱を持って詳細にわたり語りました。
「多くの人は 2012 年に効力が切れる京都議定書に代わって新しい条約が必要といいますが、京都議定書は終わらないのです」
彼女は、デンマーク政府の(意思決定プロセスにおける)透明性のなさを批判し、他の先進国の技術移転の話になると知的所有権を持ち出してくる姿勢を批判しました。
「知的所有権はアフリカ人の命をエイズから救うことを拒否する際にも言い訳として使われました」と付け足しました。
京都議定書の細かなポイントについて人々の関心を持たせるのは難しいものですが、ミーナにかかれば聴衆からは、喚声やため息、喝采が簡単に生まれます。
FoEスワジランドのスーリ・マハマはこのイベントの冒頭で
「常に貧困は、女性の貧しさや子供の栄養失調として表面化してきますが、彼らはこのような会議に出席することもなく、環境に適応しようとしています。」
と述べ、彼らには選択の余地はなく、ただ生き延びるすべをどうにかしてみつけなければならないと語りました。
「スワジランドでは地面に穴をあけ、小さな穴に水溜りができるまで二時間ほど待ちます。これが女性が気候変動に適応する方法なのです」と語った。
環境債務とクライメート・ジャスティス(気候の公平性)
女性活動家の報告が会場で続いている一方、「環境負債とクライメート・ジャスティスの人民裁判」と題したイベントが行われていました。 ボリビア政府の交渉官、アンジェラ・ナバロ氏、作家のナオミ・クライン氏、FoEエルサルバドルのリカルド・ナバッロがスピーカーのパネルディスカッションでは、クライメート・ジャスティスの重要要素である気候債務とその払い戻しの追求について、それぞれの意見を述べました。
アンジェラ・ナバッロ氏はボリビア政府が望むような気候合意について話しました。 先進国の際限ない利益の追求が今日の混乱を引き起こした原因であり、
「先進国は、地球との健全な関係がどういうものか忘れてしまっています。南の諸国の私たちは、まだ地球の声に耳を傾けています」
と述べました。
彼女は、先進国に対してもっと地球の声を聞く能力を身につけるよう求めました。
最後に彼女は、交渉の経過について話しました。
「私どもの大統領は、サプライズを用意しています。私どもは、底辺から盛り上がるようなプロセスを作るために皆さんの助けが必要です。 30 ヵ国(の先進国)が、私たちに解決策を押し付ける権利はありません」
公式な交渉が行われているコンベンションセンターで数日を過したナオミ・クライン氏は、会議での議論は、「危機的な状態にある地球に残された資源の最後奪い合い」
のように見えると語った。彼女は、人々が奴隷貿易に対する見返りを求めたように、人々が(気候債務に対する)返済を求めるムーブメントを応援しました。
「運動が起こるまでは彼ら先進国は笑っていられるでしょう。我々はその運動になるのです」
最後はリカルド・ナバッロです。 彼は「最後に決定を下すのがエコノミストではない」と、新しい開発のパラダイムを提唱しました。気候変動や気候システムの変更に影響を及ぼすいかなる事業にも反対するように人々に訴えました。「小規模農業やエネルギー主権は解決策の一つとなります」と語りました。
ナオミ・クライン氏は 最後にこう語りました。
「米国でよく使われる言い方に『さあ、再スタートボタンを押そう』というのがありますが、地球には再スタートボタンがありません。」
12月11日: メッセージをコペンハーゲンへ ~自転車に乗って~
混雑する国連会場で、キム・ニューエン氏の記者会見がおこなわれた。彼はオーストラリアからここコペンハーゲンまで、各国政府代表団へのメッセージを集めながら自転車で走破してきたのです。
キム氏の旅は気候変動の破壊的な影響を経験している東チモールから始まりました。「3年間雨季に雨が全く降らず、ある年突然豪雨が降り、作物が全部ダメになった」また、ゴビ砂漠の人々はキム氏に、毎年砂漠がどんどん大きくなり、湖や川は干上がったことを教えてくれました。その砂漠では、キム氏は地域レベルの再生可能エネルギーの実例も見ました。「住んでいるテントのすべてにソーラーパネルが取り付けられていた。」と言います。
旅を通して、彼は気候交渉に参加する世界のリーダーたちに届けるメッセージをビデオ、写真、イラスト、手紙で集めてきました。
今、彼はそのメッセージを人々の将来を決めようとしているCOP15に届けようとしています。
12月10日: 破られた約束、もっと削減を!
気候交渉3日目、FoEインターナショナルはヨーロッパにおける温室効果ガス排出の40%削減を提案しました。FoEインターナショナル代表のニモ・バッセイは、オバマ大統領がオスロでノーベル賞を受賞したことに対し、アメリカの気候交渉政策を再考するよう求める声明文を発表しました。
FoEインターナショナルにとって水曜日は一日中忙しい日でした。午前中の「40%報告書」の発表の後、FoEユースグループによる「ターゲットアクション」があり、削減目標をオフセットなしで40%の削減に引き上げるよう求めながら、国連会議場内を歩き回りました。
その後、FoE代表ニモが、ノーベル賞受賞のため木曜日(12月10日)にノルウェーに来るオバマ大統領に向けて声明文を発表しました。ノーベル賞は大統領の「より良い未来に向けてのビジョンと、大胆な変革が可能だという希望を与えるオバマ大統領に対するする期待です」
ニモは、「大統領の受賞に対してお喜び申し上げます。しかし、選挙中の彼の約束とは守られていません。彼は気候変動を解決すると約束したにも関わらず、アメリカは気候変動対策を阻止する役割を演じています。」
12月8日: COP15開始②
文字通り氷が解け出しています。
COP15の初日、国連会場となるベラセンターで作業を始めました。6:30に起床、大急ぎで朝食を食べた後、混んだ地下鉄に乗りこみました。入り口でクライメート・ジャスティス(気候の公平性)を訴えるFoE ドイツ(BUND)の活動に参加するためにベラセンターに行き、会場入り口に融け始めているマーメイドの氷彫刻を据え付けました。
国連会場の中は張り詰めた雰囲気でした。昨夜までの空っぽのアトリウムとは大違いで、ラッシュアワーの駅のようです。その後は、あちらこちらに走り回ってぐったりと疲れはてた大変な一日となりました。
はじめに、FoEインターナショナルの広報チームの戦略ミーティングを行いました。数多くのジャーナリストやカメラクルーが会場の周りを取り巻いているので広報もそう難しくはないと予想しました。メンバーグループのある世界77カ国を代表しているFoEインターナショナルでは話し手を探すのにも不自由はしません。
昼食の後、気候フォーラム(市民イベント)に向かいました。ここにはFoEインターナショナルの広報チームの半分が集まっています。コペンハーゲンの中心街で道に迷ってしまった後、コンサートアリーナを通り、FoEインターナショナル代表のニモ・バッセイによる開会記者会見の写真を撮るために気候フォ-ラムに到着しました。ニモは、気候フォーラムの開会式のステージに上がる前に、AP、ドイツ、デンマーク、スウェデン等のメディアの取材を受けました。
その後、FoEのミーティングに向かう途中、氷から掘り出した楽器を演奏する デーニッシュ チャイム トランスフォームを見ました。美しい演奏でしたが、演奏の終わり頃、デサインのせいか事故か楽器がステージライトの熱で演奏中に壊れ始めてしまいました。
12月8日: COP15開始①
昨日(12月7日)、とうとうコペンハーゲン気候サミットと気候フォーラム(市民イベント)の初日を迎えました。
最初の投稿は、昨日一日をすごした気候フォーラムからです。
気候フォーラムの開会式は、ヘンリー・サラギ氏(Via Copensinaのジェネラルコーデイネーター)、ニモ・バッセイ(FoEインターナショナル代表)、ナオミ・クライン氏(ジャーナリスト)の音楽とスピーチで始まりました。
ニモはベラセンター(国連会場)での裏取引の中止と、気候フォーラムの意見を聞くように政府代表団によびかけました。気候フォーラムは、「問題に直面している人々が集まり、気候変動に対する本当の解決方法を見出すために行動しよう!」というものです。また、ニモは森林減少対策(REDD)におけるカーボン・オフセットの利用に対して、レッドカードを出しました。最後に彼のメッセージに唱和するように参加者に呼びかけました。
「油は土の中に、石炭は穴のなかに、タールサンドは砂の中に!」気候フォーラムのオーガニックビールで盛り上がっている参加者は喜んで唱和しました。
ニモに続いて、「No Logo and the Shock Doctrine」の著者であるナオミ・クラインがステージに上がり「取引と成功とは異なるものです。気候フォーラム09は政府の取引に対し、ウソ発見器の役割をしなくてはいけない。」と話しました。FoEインターナショナルの求めているのは、取引ではなく気候変動合意です。これは先進国による温室効果ガスの排出削減と、途上国の持続可能な開発と気候変動対策への資金支援を意味し、同時に私たち自身のライフスタイルの変革も意味します。
ナオミ・クラインが述べたように、「気候フォーラムは、途上国に慈善を施すものではなく責任について話し合い、先進国の汚した世界をきれいにすることを目指します。」
12月11日: 気候会議の一方で・・。
今日はEUで温室効果ガスの排出削減目標についての会議が開かれました。FoEはEUからの政府代表団を歓迎するとともに、EUのリーダーたちが削減目標を40%まで引き上げるよう求めました。
また、カナダが昨日「今日の化石賞(最も後ろ向きな発言をした国)」に選ばれたことを受け、FoEのサイバーアクションを通じて、カナダ首相にカナダ国民が目標数値を上げるように催促するメールを送るように求めました。
12月7日: FoE英国のアクション
FoE英国と一緒に、コペンハーゲン会合にて適切な合意を達成するように政府代表に求めよう。
要求内容:
* 全先進国による、2020年までに1990年比で少なくとも40%の温室効果ガス排出の削減。
* 途上国の気候変動対策を支援するための新しい資金メカニズムの構築。
* 森林減少対策への炭素市場の利用を含めたカーボンオフセットの廃止。
カーボンオフセットは不当で、根本的に欠陥のある対策である。
今すぐ行動を!
12月7日: 気候フォーラム 記者会見
FoEインターナショナル代表のニモ・バッセイ(ナイジェリア)とビア・カンペシーナ ジェネラル・コーディネーターのヘンリー・サラギは、市民イベント「気候フォーラム」での記者会見に際し、この2週間に向けたそれぞれの希望について概要を語りました。
12月7日: 気候フォーラムスタート、ナオミ・クラインによる冒頭スピーチ
ナオミ・クライン(カナダのジャーナリスト、作家)が、“クライメート・ジャスティス”ムーブメントを称え、気候問題を先進国と大企業の手に委ねないよう呼びかけました。
12月6日: “気候特急”へようこそ
FoEヨーロッパのサム・フリートより、再生可能エネルギー(とシャンパンとジャズ)で走るコペンハーゲン行き列車からのレポートです。
金曜日の朝8時、私は同僚と一緒に、ブリュッセル発コペンハーゲン行きの“気候特急”の待合室にいました。私たちは「コペンハーゲン行き列車」に“エコ乗客”として乗車します。この列車の動力源は再生可能エネルギー、車中では数々の楽しいイベントが開催され、14時間かけてコペンハーゲンに直行します。
報道陣をかわした末に席に落ち着いてから、私たちは、車内で配るFoEインターナショナルのアクションのチラシとポスターを準備しました。しんとして灰色にまどろむベルギーの田園地帯を列車が疾走する中、私は明かりを落とした食堂車でジャズ付きのシャンパン・ブレックファーストを取りました。日中は、気候科学から都市輸送まで幅広いトピックスについての講演やプレゼンテーションが2車両を使って行われ、これがコペンハーゲンに到着する23時まで続きます。
“気候特急”は特急というほど速くはありませんでした。アーヘンでは貨物列車に次々と追い越されながら待ち合わせ停車し、鉄道ファンたちがこの珍しい“気候特急”の姿をカメラに収めていました。
写真は、FoEイングランド・ウェールズ・北アイルランドのトム・ピッケンが、ヨーロッパが温室効果ガスを40%削減可能であるという私たちの調査結果を、ユーロスターのリチャード・ブラウンCEOに手渡しているところです。
コペンハーゲンでは何をするのですか?
欧州議員の大半はブリュッセルに戻るためケルンで下車し、かわりにもっとたくさんのコペンハーゲン行きの乗客が乗ってきました。報道陣は、さまざまな視点から取材するため車内を隅から隅まで動き回っていました。FoEヨーロッパの代表も、イタリアのカメラマンの取材を受けました。質問は単純なものでした。「皆さんはコペンハーゲンでは何をするのですか?」
トムは丁寧に答えました。「先進国のオフセットに頼らない緊急かつ大幅な排出削減、発展途上国が気候変動の影響に適応するための資金、排出権市場からの森林の除外、世界銀行ではなく国連気候変動枠組条約を通じた気候変動との闘いのための公的資金を要求します。」
次はなんと私にカメラが向けられ、私はまごついて赤面しながら「クライメート・ジャスティス(気候の公平性)を要求します」とぼそぼそ言ったのですが、これは間違いなく編集段階で外されてしまうでしょう。ですから、FoEインターナショナル代表団のメンバーは、FoEインターナショナルのメッセージをよく理解し、またカメラの前ではすましていなければなりません!
“気候特急”は終点に向かうにつれて和やかな雰囲気になり、騒がしかった報道陣も静まり、乗客はコペンハーゲンまでの最後の一眠りに入りました。先ほどのイタリアのテレビ局の記者は、ディナーで出されるオーガニック・タリアテッレはケルンで調理されたものだからもうのびているんじゃないかといっていましたが…幸いそんなことはありませんでした。
雨のそぼ降るコペンハーゲンに列車から降り立ったところで、またメディア取材を受けました。日本のカメラマンが、乗客全員に配られた“seal the deal” “気候特急”というカバンを持っていた私を撮影したのです。私は彼らに、昔の取り決めなんかよりクライメート・ジャスティスの方がよっぽど大事だと説得しようとしたのですが、うまく伝わったかどうか。
これからCOP開催期間中は、カメラに写らないようにします。私にはブログの方が向いています。
12月7日: FoEミーティング
コペンハーゲン会合に集まったFoEインターナショナルの各国代表が顔を合わせ、これから2週間の戦略を議論しました。 集まったのは各国のキャンペナー、コミュニケーター、コーディネーターとFoEヨーロッパのユースメンバー。長い間、電話やEmailでやり取りをかさねること数百回、ついに仲間が一同に介する素晴らしい瞬間を迎えました。
始めにFoEインターナショナル代表のニモ・バッセイが皆を和ませつつ心揺さぶるスピーチを行いました。そして目前に控えた重要な交渉に際し、FoEのポジションや戦略ついて話し合いが行われました。
FoEマレーシアのミーナ・ラーマンは先進国による世界の掌握について述べ、ボリビア政府代表団の「もはや発展途上国には、地球の大気に許容される温室効果ガスの排出枠がわずかしか残されてない」という言葉を引用しました。
さらに、EUを始めG77、アフリカ、ALBA、アンブレラグループ、AOSIS(小島嶼国連合)等の交渉グループの動向について確認しました。対立するグループの個別の国々にカーボン・オフセットなどの二国間取引を持ちかけ、そのグループを分裂させるような戦術をとる国もあります。強固なブロック勢力のひとつであるアフリカグループは先月開催されたバルセロナ会合において、「先進国による実質的な温室効果ガス排出削減目標の設定が先決である」として、カーボン・オフセットに関する公式会合の継続を拒否しています。
最後に、FoE米国のケイト・オナーが米国の動向を説明し、会合へのオバマ大統領の参加は(気候問題への)前進の兆しであるかという問いに対し、「カリスマ大統領のコペンハーゲン参加は歓迎できるが、発展途上国が求めるような合意には至らない可能性がある」との懸念を述べました。
このように、コペンハーゲン会合は多くの課題を抱えていますが、メッセージはシンプルです。公正な合意に至ることは困難かもしれませんが、不可能なことではありません。
FoEミーティングの昼休み、FoEヨーロッパユースメンバーは、食事の間も惜しんで12月12日に予定されている、クライメート・ジャスティスを求める「洪水」ストリートアクションへの参加を市民に呼びかけています。
午後は、コミュニケーション、アクション、ロビー活動といったグループに別れて戦略会議を行いました。
5時少し過ぎにミーティングは終了。少し疲れましたが、これからの2週間にわたる長い日々の末にコペンハーゲンで公正な合意が生まれることを心から期待します。
12月3日: コペンハーゲンから発信
地球温暖化に取り組む話し合いのために、世界のリーダーたちがコペンハーゲンに集まるのにあわせ、FoEも、先進国に一刻も早く温室効果ガスの大幅排出削減を合意するよう求めるため、コペンハーゲンに向かいます。
国連の会議から、市民イベントである気候フォーラムまで、様々なイベントを、コペンハーゲンからブログでお伝えしていきます。
屋外では、公正な気候変動合意を求めて数千人の人々がコペンハーゲンの通りに溢れかえる「洪水アクション」をはじめ、平和的なデモンストレーションが数多く行われます。