COP13, COP/MOP3
FoE インターナショナルのメッセージ “クライメート・ジャスティス"
FoE インターナショナルはCOP13を通して以下のクライメート・ジャスティスを求めます。
1) "ストップ!バイオ燃料の嘘"
~持続可能でないバイオ燃料は、気候対策にすべきでない~
増加する欧米の「持続可能でないバイオ燃料*」の需要は、インドネシア、マレーシア、ブラジル等の国々の森林を大規模に破壊しています。このような開発は、野生生物に悪影響を及ぼし、食物や生活の糧を森林や天然資源に依存して生きている現地の住民を苦しめています。
インドネシアでは、1億人が森林の恩恵を受けて生きています。しかしながら、彼らが依存する土地は、先進国に輸出用のアブラヤシのプランテーションに急速に転換されています。プランテーションの拡大は先住民族の伝統的な生活をも脅かしています。
また、これらのバイオ燃料の需要は、農家がこぞって食糧作物の栽培を燃料用作物に転換していることで、様々な国で食糧価格に影響を及ぼしています。 特に、 最も貧しい人々がこの食糧価格の上昇の影響を受けます。車を走らせるために飢えていくのです。
*FoE インターナショナルは、食料との競合や大規模プランテーション開発を伴うバイオ燃料を「アグロ燃料」と呼びますが、ここでは日本人の消費者にわかりやすく「持続可能でないバイオ燃料」と記しています。
2) "ストップ!気候の嘘"
~先進国は2020年までに自らの排出量を40%削減するべきである~
IPCC 評価報告書は、気候を安定化させ工業化以前から2℃未満の気温上昇に抑えるためには、緊急に排出削減が必要であることを明らかにしました。
FoEは、先進工業国が2020年までに1990年レベルから少なくとも40%削減することに合意しなければならないと考えます。この合意は、京都議定書の下で2013年から始まる次期枠組の合意の中に含まれなければなりません。
先進工業国は、現在の大気中の二酸化炭素濃度に対して責任があり、より多く削減しなければなりません。それらの国々は、気候変動を起こしながら工業化し、豊かになり、そして貧しい国々に対する"気候債務"を蓄積してきました。この債務は、国連気候変動枠組条約の下で返済されなければなりません。
3) "適応は責任であり、チャリティーではない!”
裕福な先進国には、化石燃料の消費により大気中の二酸化炭素の濃度を高めた歴史的な責任があります。一方で、気候変動の影響を最も大きく受けている国々は、現在の二酸化炭素のレベルにほとんど責任はありません。
海面上昇は、すでに海抜の低い島嶼国やデルタ地域に住む、漁業や農業により生活の糧を得る人々に影響を及ぼしています。また様々な地域で、降水パターンの変化が、旱魃や作物・家畜の生育不良を生じさせ、その結果、食糧不足に陥らせています。水へのアクセスも深刻な問題になりつつあります。
気候変動の責任を持つ必要のない脆弱なコミュニティーは、責任を持つ国々からの支援を必要としています。先進国はこれら途上国のコミュニティーが気候変動の影響に適応できるように、基金の拠出に責任を持ち、途上国が持続可能な社会へと成長する権利を理解するべきです。先進国は気候債務を返済する時が来たのです。
4) "途上国でのカーボンオフセットでは解決できない!”
気候変動対策は、今すぐに実施に入らなければならない段階にあります。化石燃料への依存、消費を削減し、また、エネルギー源を太陽光や風力、波力のような再生可能エネルギーへと移行していかなければなりません。
一方で、いくつかの環境破壊を進める対策も提案されています。特に先進国が途上国で行うカーボンオフセットは偽りの気候対策です。私たちは大気中の温室効果ガスを大幅に削減しなければなりません。私たち自身が削減すべき排出量を、植林や他の国や地域での削減により隠蔽してしまうようなことはあってはなりません。持続不可能で不公平な過剰消費自体を止める努力をすべきなのです。