COP13, COP/MOP3
交渉妨害によりぐらつく京都議定書
FoEインターナショナル プレスリリース
2007年12月15日/インドネシア・バリ
バリでの国連気候会合の交渉は土曜日、合意に至り、京都議定書に向けて一歩前進しました。しかし、FoE インターナショナルはいくつかの政府による議論の脱線を狙った働きかけにより、合意内容が非常に弱いものになってしまったことに関して、非常に残念に感じています。
一方で、EU、オーストラリア、途上国は、科学的な知見に基づき、25~40%削減という数値目標幅を含む合意が必要であるという主張をしました。これらの国々の動向は、希望を与えてくれますが、依然多くの課題も残っています。
ステファニー・ロング(FoE インターナショナル気候コーディネーター)のコメント:
バリの閣僚会合は、世界中の人々をがっかりさせました。交渉の為の合意には至りましたが、大きな前進へ導くものではありません。 2009年までに強力な合意をまとめる為に、今後の交渉は非常に厳しい闘いに直面することになりそうです。 世界の何百万人もの人々が、既に気候変動の影響を受けています。会議場の外にいる市民は、Climate Justice(気候の公平性)を求めた強いメッセージを送りました。このメッセージが聞き入れられないなどということは、もはやあってはならないのです。今回の弱い合意の下で、先進国のしっかりした対策と途上国の人々への支援を保障する合意に向かうための交渉時間は、2年間しか残されていません。 |
カナダの支援の下、米国と日本政府は、早い段階で、途上国の技術移転に関する前向きの提案をつぶしにかかりました。その他の先進国は、これら3カ国の妥協案に導こうとする否定的な行動を押さえ込むことに失敗しました。
気候変動の影響を受ける途上国に対して資金を配分する適応基金と、京都議定書の次期枠組における先進国の削減目標を定める為の見直しに関しては合意に至りました。
合意内容における課題:
・ 途上国における植林を含む森林減少による排出の削減ポーテンシャルに関する複雑な問題の交渉の作業計画
・ 技術や能力向上に関する支援の合意がないままでの途上国に対する対策の報告義務
ファラ・ソファ(WALHI/ FoE インドネシア副代表)のコメント:
国連バリ気候会合の主な成果は、Climate Justiceの世界的なムーブメント構築に向けて一歩踏み出せたことです。Walhiは、市民の声を伝え続けます。最終的には、市民が私達の政府の質を判断するのですから、その声は届かなければならないのです。 |