COP13, COP/MOP3
先進国に求められる行動、"バリ・マンデート(ロードマップ)の危機"
FoEインターナショナル プレスリリース (要約)
2007年12月12日
FoE インターナショナルは、国連バリ会合に世界中から集まる閣僚達に向けて、この会合を成功させるのは、大変な仕事であるということを警告しました。
焦点となっているいくつかの課題の合意に失敗すれば、「ポスト2012」の実現にどのような影響がでるかを、閣僚達に真剣に考えてもらわなければなりません。閣僚達に求められることは、それぞれの主要な課題に取り組んでいく前段階として、AnnexⅠの削減の為の厳しい目標幅、途上国の気候変動影響への適応と、低炭素経済を構築する為の方法に対して合意することです。
いくつかの主要な先進工業国の後ろ向きの姿勢により、未だ、交渉は難航しています。これらの国々は、途上国への適応、技術移転、森林保護の支援に対しての義務を遂行できていません。
ステファニー・ロング(FoE インターナショナル気候コーディネーター)のコメント:
私たちは、国連気候変動枠組み条約と京都議定書の下で、先進工業国がリーダーシップをとり、彼らの歴史的責任を果たしてくれるという、大きな期待を持ってバリにやってきました。これまでのところ、気候変動に対する適切かつ本質的な行動を導くことのできる合意は見ることができません。 |
日本、カナダ、米国は、将来のAnnexⅠの排出削減に関して全く触れていないような、明らかに受け入れられない提案をしています。これは、この会合に対する意図的な妨害行為です。この他、カナダは途上国に法的拘束力を伴う削減目標を持たせることを主張し、途上国の怒りを買おうと試みました。米国は、技術移転のための基金への支援を公に拒否し、また、国連で合意されるべき内容を、彼らが提唱する"主要排出国会議"のような任意のプロセスへ持ち込もうと試みています。
ミーナ・ ラマン(FoE インターナショナル理事長)のコメント:
裕福な国々は、途上国に将来の排出削減を議論させるために、彼ら自身の現在の削減義務を取引の札として使います。温室効果ガスの排出を伴って裕福になった国々は、第一にその責任を果たすべきなのです。気候変動は、すでに途上国の最も脆弱なコミュニティーに影響を及ぼしています。京都議定書の義務が遵守されるためにも、この問題は焦点を当てられるべきです |
FoE インターナショナルは、ポスト2012の交渉に向けた、真に意味のあるバリ・マンデート(ロード・マップ)にするため、以下の項目の追加的な合意が必要とされると主張します。
◆ 技術移転
技術移転の基金とファシリティーに関する交渉は、米国と、米国を擁護するアンブレラグループ(日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)の多国間基金への反対により立ち往生している。この問題は、原則的に、閣僚級で基金とメカニズムに関する交渉期間の開始に合意されない限り2008年持ち越される。
◆ 適応
適応基金は、地球環境ファシリティ(GEF)が暫定的な事務局機能を担うことに対する、途上国の妥協と許容により合意に達した。この基金では、CDMからの徴収以外の、先進国からの新しい資金源が保証され、毎年8600万ドル(UNDPが見積もりによる)必要とされる適応費用の大きな足しとなる。
◆ 森林減少
途上国の森林減少による排出の削減に関する交渉を継続するための作業計画について合意した。合意文書からは、明らかに先住民族の権利に対する支援が抜け落ちている。森林保護プログラムでは、森林保護の方法を最も熟知している先住民族や地域住民の土地所有権に関し、十分に考慮されなければならない。この問題は複雑であり簡単には解決できない。 生物多様性条約のようなメカニズムの確立が必要である。
◆ 排出削減
排出削減は、京都議定書のAWG(アドホック ワーキンググループ)の下で議論された。日本とカナダは、数値目標を含むことに反対した。最新の科学では、2020年までに工業国の排出を1990年レベルで40%削減すべきだと示されている。閣僚達も、今後10年の間に世界の排出量はピークを迎えなければならないことに関し、公式に理解を示すべきである。