COP12, COP/MOP2
京都議定書ゆっくり前進
Friends of the Earth International プレスリリース
2006年11月17日
温室効果ガス削減のための唯一の国際法である「京都議定書」のもとで2013以降も削減し続ける道を議論した〔1〕ナイロビ会合は、11月17日に静かに合意にいたりました。
「ここで出された成果を歓迎する一方で、これまでこのような対話が世界の緊迫した現状に対応できたのを見たことがありません。気候変動の影響はより深刻になっています。 科学の分野からはますます恐ろしい警告が発せられています。 市民は対策を求めて街頭デモをしています。各国の閣僚には京都議定書のプロセスを前進させるためのさらなる努力が求められています。」と、キャサリン・ピアス(FoE International気候キャンペナー)は述べています。
FoE Internationalはナイロビ会合の結果において次のことに特に関心を持っています。
・ナイロビで多くの決議が先延ばしにされたことは、2013年以降の第二約束期間の交渉に着手するために、2007年の次回の会合において強いリーダーシップが必要とされていることを意味していること。
・2050年までに温室効果ガス排出の50%削減を達成するため、国際社会が一体となって努力していくことで一致していること。
ナイロビでは、京都議定書の第一約束期間が終わった後の2013年以降のアクションに向けた作業計画に乗り出しました。第一約束期間と第二約束期間の間に空白期間をつくらないためにもこの交渉は2008年の終わりまでに終了しなければなりません。 議定書は39の先進国に温室効果ガスの排出削減義務を課していますが、現在と現在の目標が終了する2013年以降の約束期間とのギャップを避けるため緊急にさらなる京都議定書のアクションが必要とされています。
議定書は失敗であり、環境にも経済にも効果をもたらさないと批判することで社会を惑わせようとしたオーストラリアや、政権交代によって議定書の義務から逃れようよしているカナダのように、いくつかの国が妨害しているにもかかわらず、京都議定書は前進しています。
サハラ以南で初めての気候に関する会議だったこともあり、すでに気候変動の影響を受けているアフリカ大陸においての意識向上に大いに役立ちました。ケニアの一部地域は2003年から干ばつ被害を受けています。 ケニア北部では、畜産業者が1000万の家畜を失いました。トゥルカナ地域の人口の2/3が生計を立てられない状況にあります。
ナイロビ会合では、最も豊かな国々が貧しい国々の緊急のニーズに対応しようとする姿勢は十分ではありませんでした。「私たちはアフリカの人々を含む最も脆弱な人々のニーズを満たすために、迅速でより抜本的な対応を望みます。後発途上国、特に気候変動のリスクを最も受けやすい島嶼国は彼らが直面する気候変動被害に対し支援するような約束は取り付けることができませんでした。世界のリーダー達による最高レベルでの政治決定がこの世界的危機への挑戦に必要不可欠です。」と、キャサリン・ピアス(FoEI 気候キャンペナー)は述べています。
ナイロビ会合の結果:
気候変動の影響を受ける貧しい国々を支援する唯一の金融メカニズムである「適応基金」については前進が見られました。この基金の配分は途上国のイニシアティブによって決定されることになると見られています。CDM(先進国が途上国での削減に投資することによって、より簡単で低コストで温室効果ガスの削減目標に達することができるシステム)に関して議論では、CDMに含まれるもの、またそこから生じるものについての懸念が残されました。また途上国での森林伐採による温室効果ガス(世界排出の約20%)を削減する方法については、緊急に森林伐採防止策が必要とされている事態にも係らず非常にゆっくりと対応されています。今回のナイロビ会合11日間の会期中だけでも世界で33万ヘクタールの森林が失われました。