COP12, COP/MOP2
中・東欧、おろそかにされる“持続可能なエネルギー利用″
Friends of the Earth International プレスリリース
2006年11月17日(ナイロビ、ケニア)
ブリュッセル(ベルギー)・・・EU基金を新しい加盟国に投資する将来計画の中で、エネルギーの効率化や再生可能エネルギー政策は、信じられないほど不十分なものにされています。CEE Bankwatch NetworkとFoE Europeによる新しい調査〔1〕により、2007~2013年の期間に向けて提案された加盟国のEU基金運用計画は、気候変動への取り組みと持続可能なエネルギーを促進するためのEUの地域支援政策をまるで嘲笑しているかのようです。その中でもポーランドとハンガリーは最悪です。2007~2013年の期間に構造と結合基金から得る何億ユーロの内、エネルギー効率と再生可能エネルギープロジェクトに投入されるのは1%未満です。対照的にリトアニアではEU基金の6%を投資する予定になっています。〔2〕
CEE Bankwatch Network の政策コーディネーター、マグダ・ストッキーワイズは次のように述べています。「中・東欧では、甚だしく悪いエネルギー効率の改善と再生可能エネルギーの促進への十分な可能性があります。EUはエネルギー効率と再生可能エネルギー促進は、EUの地域財政支援の最優先事項の一つであると位置づけています。しかしその期待に反して現在提案されている資金運用計画の中でほとんど反映されていません。最も大きな国であるポーランドは、持続可能なエネルギープロジェクトに関して「形だけの支出」の提案といったような醜い手段までとろうとしています。」
加盟国は予算の査定のために、2007~2013年の期間のEU基金の使途についての運用計画を欧州委員会に提出しています。総額1570億ユーロが2007~2013年の間に加盟国に配分される中、わずか30億ユーロが持続可能なエネルギープロジェクトに投資され、一方で気候変動の原因となる温室効果ガス排出に関与する道路や高速道路に200億ユーロ以上が投資されることになっています。
温室効果ガスの排出量は経済低迷のため、1990年代に中・東欧諸国でかなり減少しました、しかし現在の急速な経済成長の中で2010年までに11%増加するとみられています。
マーティン・コネックニー(FoE EuropeのEU基金キャンペナー)は次のように述べています。「破壊的な気候変動の危機を回避するため、ヨーロッパは温室効果ガス排出量を大幅に削減しなければなりません。新しい加盟国の経済成長に従って、ますます多くの温室効果ガスを排出するようになるのを眺めているだけではなく、むしろエネルギー効率の改善と再生可能エネルギー促進へ導くためにEUは財政支援を行うべきです。」
FoE EuropeとCEE Bankwatch Networkは、欧州委員会と加盟国に対し、数ヵ月後に計画が確定される前にEU基金の総額の少なくとも5%がエネルギー効率の改善と再生可能エネルギーへの投資に配分されるように修正するよう要求しています。例として、公共建物や住宅の改善、地方の暖房システムの近代化、風力、太陽熱・光、小規模のバイオマスエネルギーによる電力や燃料利用への投資を示しています。この提案は持続可能なエネルギー、再生可能エネルギー産業を推進する欧州の都市連合と、省エネルギー製品を製造する主要な企業によって支持されます。
関連:
[1] エネルギー効率と再生可能エネルギーにおけるEU基金情報
https://www.foeeurope.org/publications/2006/EUfunds4energy.pdf
[2]東・中央ヨーロッパにおける持続可能なエネルギープロジェクトに対する構造と結合基金運用の配分
リトアニア6.1%
スロバキア3.8%
チェコ 3.0%
ラトビア 2.9%
エストニア2.3%
ハンガリー1.0%
ポーランド0.9%
*スロバキア、ブルガリア、ルーマニアは未定
・EU基金における12の優先分野のひとつであるエネルギー効率と再生可能エネルギー、 2007~2013結合に関するコミュニティ戦略的ガイドライン:
https://ec.europa.eu/regional_policy/sources/docoffic/2007/osc/index_en.htm
・https://ec.europa.eu/energy/action_plan_energy_efficiency/index_en.htm
・European Environment Agency:
https://reports.eea.europa.eu/eea_report_2006_9/en