COP12, COP/MOP2
気候変動交渉で孤立するオーストラリア
Friends of the Earth International プレスリリース
2006年11月14日(ナイロビ、ケニア)
オーストラリア政府は、対話の議長の座を利用して京都議定書に代わる別の協定づくりを強調することで、2013年以降に向けた交渉のために集まった165の国々を怒らせています。
「『別の協定』をつくろうと呼びかけることで、2013年以降の約束期間に向けての実質的な交渉から注意をそらさせようとするねらいがあります。気候交渉をゼロから始めようとするオーストラリアの提案は、気候変動対策をさらに15年間遅らせようとするものです」と、ステファニー・ロング(FoE Australia)は述べています。 また「オーストラリアは、議定書は失敗であり、環境や経済に何も成果を出すことができないと主張して国連ナイロビ会合を邪魔しています。しかしこのオーストラリア政府の主張に対して、国際社会はあくまで京都議定書を気候変動に立ち向かう重要なツールとみなし、2013年以降(第二約束期間)の排出量削減のための合意に向けて話し合っています」と付け加えました。
エラスムス・アボレイ(FoE ガーナ)は、「オーストラリアの提案は、単にゼロから気候交渉を再開することを意味します。これは経済学的にも環境的にも筋道のたたないもので、アフリカや他の地域で気候変動によって苦しむ人々に深刻に影響を及ぼします。」と述べました。 さらに「オーストラリアなどの先進国には、貧しい途上国に気候変動を引き起こしている温室効果ガス排出削減に責任を持って取り組んでもらいたいのです。と付け加えました。
今週オーストラリアのイアン・キャンベル環境大臣は声明の中で、2013年以降の議定書継続のための交渉を妨害するために、ナイロビ会合のセッション対話の議長としてのオーストラリアの立場を利用するということをほのめかしました。
一方でオーストラリアは、拘束力がない上に排出者に甘いイニシアティブ、『アジア太平洋パートナーシップ』に関しては支持し続けています。 これらの政策は、オーストラリアを気候変動に最も脆弱な先進国と示したスターン・レビューの報告と完全に対照的なものとなっています。ステファニー・ロングは「政府が今年10億ドル以上を旱魃による農民補償に費やしたことは、オーストラリア政府を議定書継続の交渉を妨害する代わりに、京都議定書に批准するという動機付けになりうるはずであるのに。」と述べています。