COPレポート ボン会合 (2011年6月)
先住民族代表の訴え
2011年 6月17日
先住民族リーダー達はボンにおける1週間、数多くのグループ、団体、政府機関、またメディアに対し、気候変動対策のための真のアクションへの緊急事態、気候変動に最も脆弱なコミュニティにおいて既に起きている影響の切迫感を伝えました。
リーダー達は、気候交渉に影響を及ぼすために、気候運動の全体での団結の重要性を指摘し、ダーバンに向けて2つの重要な要請を強調したのです。
一つ目に、プレッジ・アンド・レヴュー方式ではなく、京都議定書の第二約束期間に先進国が加盟することです。二つ目として、REDDにおいて炭素市場を認めず、代わりに基金ベースのアプローチのREDD、金融取引税(ロビン・フッド税)などの革新的な財源の活用による基金ベースアプローチのREDDを確立し、市場ベースのREDDを拒否することです。
彼らはまた、地球規模における消費の削減への必要性について語り、環境の限界を損なうことのないよう、さらに気候変動との闘いにおいて鍵となる人々と自然の調和への必要性について話しました。
2011年 6月17日 即日発表
ボンにおける、ボリビア先住民族社会運動[※]
諸政府は、気候変動を実際に止めるためのグローバルな協定を結ぶ努力よりも、母なる地球を私有化することを気にかけている。
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「私たちの母なる地球は病気です。際限のない経済成長と過大消費の発展モデルは、人間と環境のバランスを壊してしまいました。」と先住民リーダーであるラファエル・ キスペは伝えました。
「先週二週間のあいだ、ボンで交渉を行った国々は現実を見失っています。気候変動は、洪水や干ばつによって現在すでに私たちに影響をもたらしています。私たち先住民族は、気候変動の負の影響を最も受けやすいグループの一つなのです。」
「世界の人々が団結しない限り、気候変動はさらに悪化していくでしょう。」と先住民リーダーのラウリアノ・パリは言いました。
「私たちはダーバンにおいて、附属書Ⅰ国が京都議定書の第二約束期間に、調印することを要求しています。この第二約束期間は、法的拘束力や強制力があり、締約国に罰則を科せることのできるものでなくてはなりません。また、京都議定書と長期的協力の行動のための交渉を一本化させることによって、京都議定書を2020年に塗り替えようとする先進国による試みを拒否します。」とラウリアノ・パリは強調しました。
先進国とその提携国は、排出削減を全く深刻にとらえていません。これらの国々は、現存の市場を継続させ、削減ではなく代価を払うことによって成り立つ新しい市場を作り、気候危機への取り組みを全く行わないことを望んでいるのです。さらに現在、海における「ブルー・カーボン」に値を付けようとしています。
京都議定書におけるすべての成果は、先住民族の権利を認め尊重しなければなりません。また、それらは先住民族の権利に関する国際連合宣言や、コンサルテーションへの権利、Free Prior Informed Consent (十分な情報を提供された上で自由意思に基づく事前の合意)への権利に基づく必要があります。
「炭素排出の実質的な削減を達成するには、REDDプラスのための市場メカニズムによる資金調達や、カーボン・オフセットへの利用はあり得ません。森林減少対策のための資金は先進国によってまかなわれるべきであり、革新的な財源が模索されるべきです。その例として、先進国からの条件付け無しに財源を生み出すため、金融取引への課税の新たなメカニズムの設立が挙げられます。」とラウリアノ・パリは付け加えています。
森林は、国連機関やNGOが認識している通り、環境サービスの提供者などではありません。森林は様々な価値、用途、機能を持っており、炭素の吸収源としてのみ見なされるべきではないのです。また排出権の発行による、先住民族の権利に対する潜在的な影響、特に土地権利、集団の権利、伝統的な暮らしへの影響を調べる必要があります。
「気候変動交渉において現在検討されている提案は、どれも気候変動を止めるために十分でないことは明らかです。私たちは、人間と自然の間のバランスを再建させるという方向で、母なる地球との調和の上で生きるモデルを提案します。私たちは母なる地球に権利があると信じています。地球は私たちを所有していますが、私たちは地球を所有してはいません。この真実こそが、私たちが母なる地球に関する法律を作った理由なのです。この法律は、ボリビアで近く承認されます。」とラファエル・キスペは述べました。
パクト・デ・ウニダッドは、ボリビアにおいて、数百万人を代表する、5つの主要な社会運動、the Committee of the Confederation of Bolivian Peasant Workers (CSUTCB), the National Confederation of Native Indigenous Peasant Women (CNMCIOB-BS), the National Council of Ayllus and Markas of Qullasuyu (CONAMAQ), the Confederation of Intercultural Communities of Bolivia (CSCIB) and the Confederation of Bolivian Indigenous Peoples (CIDOB)、の連合です。