【8/1 アクション報告】クーデターから3年半 繰り返し、日本政府にミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を求めますー官邸前アクション

#ミャンマー軍の資金源を断て
#JapanStopODAtoTheMyanmarJunta #NoMoreBusinessWithTheMyanmarJunta

2021年2月1日にミャンマーで軍がクーデターを起こしてから、8月1日で3年半となります。ミャンマー軍によって殺害された人は確認されているだけでも5,440人に及び、今も2万人以上の人たちが不当に拘束されたままです(7月24日時点。政治囚支援協会調べ)。国連人道問題調整事務所(OCHA)の発表では、人道援助を必要とする人は推定で人口の3分の1にあたる1,860万人[1]から減っていません。地上戦で不利なミャンマー軍は、空爆を続け、多くの民間人が殺害され続けています。

クーデターにより、契約先である選挙で選ばれたミャンマー政府が実質的には消滅したにもかかわらず、日本政府は既存のODA(政府開発援助)案件を3年半の間、継続したままです。その総額は7,396億円にものぼります。ODA事業には、バゴー橋建設のように軍系企業に利益をもたらすものがあります。去る5月20日の国会質疑で、これまで支払ってきた建設工事に伴う支払いだけでなく、橋の完成に伴う留保金の支払いが発生することが明らかになっています[2]。ODAの海外投融資案件であるティラワ経済特別区(SEZ)事業では、日本政府は大手商社・銀行と共に、工業団地部門を運営するミャンマー・ジャパン・ティラワ・ディベロップメント社(MJTD)に出資をしています。クーデター後すぐに軍がティラワSEZ管理委員会の委員長を拘束し、新たな人物を任命しており、事実上、軍が運営に関わっている状態です。MJTDに利益があった場合には配当が支払われますが、この配当が軍を利する可能性は否めません。また、日本政府が貸し出したODA資金がミャンマーの金融機関にプール・管理される「ツーステップローン」という形のODAがありますが、その資金は金融機関を支配下に置くミャンマー軍の管理下に入ってしまう恐れがあります[3]。

円借款はミャンマーが日本に返済しなければいけない「融資」です。ミャンマー軍の資金源となっている、またはその可能性が十分にあるODAの返済を、ミャンマー軍による深刻な人権侵害や残虐行為に苦しむミャンマーの人びとに数十年先まで負わせることは許されるのでしょうか。

6月末に官民ファンド、株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)は、799億円の損失を計上したと発表しました。損失のうち179億円はミャンマーで実施されている3つの都市開発事業のものです。3事業のうち1つは、ヤンゴン博物館跡地再開発事業(通称Yコンプレックス事業:投資額最大56億円及び債務保証額約47億円)です。この事業について私たちは、施設がミャンマー軍の管理する土地で建設中であり、その土地の賃料の支払い先が兵站局であることから、事業が市民に残虐行為を続けるミャンマー軍を利するものとして問題にしてきました[4]。兵站局は、英国政府から「弾薬、爆弾、ジェット燃料といったミャンマー軍の装備の調達に重要な役割を担う」機関である、と指摘を受けています[5]。この事業には、JOINが出資し債務保証をしている他、国際協力銀行(JBIC)も融資しています。

こういった資金の流れを止めたいという人びとの声を可視化するため、「#ミャンマー軍の資金源を断て」呼びかけ団体では「日本政府にミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を求めます」というオンライン署名を実施中です。2月1日に1,282筆、5月28日に更に9,928筆、合計11,210筆(5月21日時点)の署名を日本政府に届けましたが、ミャンマーの民主化記念日である8月8月まで、この署名を継続しています。

署名サイト:https://chng.it/hZd6LSXjFG

ミャンマーの人たちに思いを馳せ、署名への協力の最後の呼びかけのアクションを官邸前で行いました。

注:

[1] OCHA Myanmar: 
https://www.unocha.org/myanmar
[2] 【声明】日本政府は、ミャンマー軍を利するバゴー橋建設事業の建設完了に伴う留保金の支払いを止めるべき
http://www.mekongwatch.org/PDF/rq_20240613.pdf
[3] 【要請書】ミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を日本政府に求めます
http://www.mekongwatch.org/PDF/rq_20231201.pdf
[4] 【公開書簡】米国がミャンマー軍政の国防省を制裁対象に 日本政府は直ちにYコンプレックス事業からの完全撤退をすべき
http://www.mekongwatch.org/PDF/rq_20230725_Ycomplex_J.pdf
[5] Foreign, Commonwealth & Development Office, “New UK sanctions target human rights violations and abuses in Myanmar and Pakistan," December 10, 2021: https://www.gov.uk/government/news/new-uk-sanctions-target-human-rights-violations-and-abuses-in-myanmar-and-pakistan
[4] 外務省 ODA国別開発協力実績アジア.
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/kuni/asia.html

官邸前アクションの様子

呼びかけ団体 

メコン・ウォッチ、国際環境NGO FoE Japan、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、アーユス仏教国際協力ネットワーク、日本国際ボランティアセンター(JVC)

問い合わせ先   

国際環境NGO FoE Japan
Email: info@foejapan.org 電話: 03-6909-5983

 

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