脱原発・エネルギーシフトに向けて
【国際声明】 3.11から5年 核の脅威のない未来に向かって
2011年3月11日から5年。ですが、東京電力福島第一原子力発電事故や、事故の被害者をめぐる状況は依然厳しいものがあります。FoE Japanはこれまでの活動や現在の状況、向かっていく未来を踏まえて国際声明を発表いたしました。この声明には15か国75団体の賛同もいただきました。その中にはチェルノブイリ原発事故の影響を今も受けるベラルーシや、日本が原発輸出を進めているトルコの団体も含まれます。核の脅威なき世界にむかって、FoE Japanはこれからも活動していきます。
東日本大震災から5年、亡くなられた多くの方々に謹んで哀悼の意を表明いたします。また、現在も困難な状況の中、生活している被災者の皆様にも心からお見舞い申し上げます。
2011年に端を発した東京電力福島第一原子力発電所事故は、今もなお続いています。海洋への汚染水漏れや放射性廃棄物の処理問題などは解決からはほど遠いにもかかわらず、住民の意思を無視して避難指示区域が次々に解除され、区域外避難者向けの住宅支援は2017年3月にも打ち切られます。こうした中、100人を超える子どもが甲状腺がんの手術を受ける(注1)など、深刻な状況です。また、国民の大半が脱原発を選択しているにも関わらず(注2)、さらに実質的な住民避難計画も策定されないまま、川内原発・高浜原発が再稼動しました3。
FoE Japanは2015年4月、福島の学生や女性らとともに、チェルノブイリ原発事故後29年を迎えたベラルーシを訪問しました。私たちがそこで目にし、感じたのは、困難な状況の中でも子どもたちの健康と未来を守るために奮闘する市民の姿でした。
ベラルーシでは甲状腺がんに限らず、癌やその他の疾患が今も多く見られますが、ベラルーシ政府はチェルノブイリ事故は収束したとし、市民活動への制約も強まっています。一方で、国としての子どもの保養制度など、日本が学ぶべき政策もあります。
この保養政策には、チェルノブイリ事故後、原発事故の収束作業に従事した労働者や住民達の力もあり、年間の追加被曝線量を1ミリシーベルトに抑え、それ以上の汚染を強いられる地域の住民は、移住や保養等の権利を保障する「チェルノブイリ法」が大きな役割を果たしました。
私たちは、福島第一原発事故の収束もままない状況で、被災者を切り捨てて原発再稼動に邁進する日本政府に強く抗議するとともに、核の脅威のない、持続可能な社会のために、以下の事を求め活動していきます。
1. 子どもたちと市民の健康と未来を守る政策
2. 住民の意思を尊重し、放射線防護の観点に立った被災者支援政策
3. 原発の利用をやめ、省エネルギー・再生可能エネルギーを中心とした社会
4. 原発輸出をやめ、あらゆる核の脅威を世界からなくすこと
(1) 2016年2月15日の福島県県民健康調査委員会資料では、甲状腺がん悪性または疑いと診断された子どもたちの数は、166人。手術後確定した子どもたちは116人。
(2)「原発再稼働に反対6割 本社世論調査」(2016年2月29日付け日本経済新聞)
(3)このうち、高浜原発3・4号機については、住民の訴えによって、「住民の生命や財産が脅かされるおそれが高いのに、安全性について説明がつくされていない」として、大津地裁が運転差し止めの判断を行いました。(2016年3月9日)
賛同団体
国内(32団体)
3.11ゆいネット京田辺、350.org Japan、NPO R水素ネットワーク、特定非営利活動法人A SEED JAPAN、ATTAC京都、医療被ばくを考える会かごしま、一般社団法人大磯エネシフト、環境市民、グローバル・ジャスティス研究会、研究所テオリア、原子力規制を監視する市民の会、原爆と原発を考える京都市民の会、原発を考える品川の女たち、さいなら原発尼崎住民の会、さよなら玄海原発の会・久留米、ストップ原発&再処理・意見広告の会、ただすのもり環境学習研究所、脱原発・東電株主運動、脱原発まちだ、「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク、東京・生活者ネットワーク、東電株主代表訴訟、七番めの星、日本消費者連盟関西グループ、日本ソーラーエネルギー教育協会、No Nukes! 野にゆく会、花とハーブの里、福島原発事故緊急会議、福島原発からの放射能放出をやめてほしいと願う阪大病院看護師の会、福島老朽原発を考える会、「平和への結集」をめざす市民の風、特定非営利活動法人メコン・ウォッチ
海外 (53団体)
Antinuclear Society of Tatarstan (ロシア), Anti_Atom_Plenum Köln (ドイツ), AntiAtom Freiburg (ドイツ), Antinuclear Australia(オーストラリア), Belarus Antinuclaer Campaign (ベラルーシ), Beyond Nuclear Initiative (オーストラリア), BUND Naturschütz(FoE ドイツ-Bavaria) , BUND (FoE ドイツ), BUNDjugend (FoEドイツ-ユース), Bürgerinitiative für eine Welt ohne atomare Bedrohung (ドイツ), Citizen Power, Inc (アメリカ), Doğanın da Hakları Var (トルコ), Environmental Union Germany (Umweltgewerkschaft), FoE カナダ, Food Irradiation Watch (オーストラリア), Footprints for Peace (オーストラリア), Friends of the Earth Adelaide(オーストラリア), Friends of the Earth Australia (オーストラリア), Friends of the Earth Brisbane(オーストラリア), Friends of the Earth International, Gundjeihmi Aboriginal Corporation (オーストラリア), JAN UK, Kick Nuclear (イギリス), Mersin Tabip Odası (Mersin Doctors' Association) (トルコ), NOAH(Friends of the Earth デンマーク), Nuclear Alla Turca Documentary Team (トルコ), Nuclear Energy Information Service of Chicago(アメリカ)、Nuclear Free Queensland (オーストラリア), Nuclaer Watch South in Atlanta, Georgia (アメリカ), Nukleersiz.org (Datsugenpatsu) (トルコ), OEKONEWS (オーストリア), Polski Klub Ekologiczny (FoE ポーランド), Pro Natura(FoE スイス), Public Association "Ecohome" (ベラルーシ), Russian Social-Ecological Union(FoE ロシア), Safe and Green Campaign (アメリカ), Sinop Antinuclear Plaform (トルコ), Vermont Citizens Action Network (アメリカ), Vermont Yankee Decommissioning Alliance (アメリカ), World Information Service on Energy, WISE International (オランダ), Yesil Dusunce Dernegi (Green Thought Association) (トルコ), Young Friends of the Earth, Zelena akcija (Friends of the Earth クロアチア), Civil Nuclear Monitor (ポーランド)、Istanbul
Antinuclear Platform(トルコ)、mothers for peace (アメリカ), Women Against Nuclear Power –
movement(フィンランド), Center for Environment/FoE Bosnia and Herzegovina (ボスニアヘルツェゴ
ビナ), Proposition One Campaign for Nuclear-Free world (アメリカ), Group of Scientists and
Engineers for a Sustainable Energy Future Without Nuclear Power (スペイン), Nuclear Resister (アメリカ), The Frontline Film Foundation (オーストラリア), Nuclear Consulting Group (イギリス)
その他多くの方に個人賛同を頂きました。ありがとうございました。
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