脱原発・エネルギーシフトに向けて
【緊急声明】
大飯3号機の再起動に抗議:あらゆる反対の声を押し切った暴挙
私たちは原発に頼らずにもやっていける
国際環境NGO FoE Japan
福島老朽原発を考える会
本日夜、関西電力・大飯3号機が再起動しました。多くの市民が反対の意思を示し、地元では反対する人たちが体をはって原発に通じる道路を封鎖し、東京、横浜、関西で大規模なデモが繰り広げられ、専門家・市民・国会議員が大飯原発の危険性に警鐘を鳴らし再調査を求める中、日本政府は、これらの声を一切無視して再起動を強行しました。
今回の日本政府の暴挙は、国民の声を無視し、安全性を蔑ろにするものとして、強く抗議します。
大飯原発の安全性の問題は、まだまったくクリアされていません。
その最たるものが、敷地内の破砕帯(断層)問題です。原子力施設直下の破砕帯が活断層であれば、たとえ地震による「揺れ」は小さくとも、地盤の「ずれ」により原子力施設に重大な影響を及ぼす恐れがあります。この破砕帯は、関西電力がSクラスの重要構造物としている非常用取水路を横切っています。これだけをもってしても、原子力発電所の運転を直ちに止めるべきです。手引きの解釈やストレステストなどは問題にはなりません。その他でも、活断層の3連動評価は切り下げられ、制御棒の挿入時間が安全性基準を上回る可能性が高いのにも関わらず評価が行われていないなど、安全性が公然と置き去りにされている状況には憤りを禁じえません。
また、今回の再稼働は、地元の理解も了解も得られていません。おおい町でたった1回開催された説明会でもほとんどの住民が再稼働に慎重な意見を述べました。福井県や近隣県では説明会すら開かれていません。こうした状況で、どうして「地元了解が得られた」と言えるのでしょうか?
私たちは、日本政府に対して、改めて再稼働問題に関して、真摯に国民の声に耳を傾けること、また、この破砕帯(断層)を早急に調査すること、制御棒の挿入時間の評価を行い、その結果をすべて公開し、国民に対して説明することを求めます。さらに、なし崩し的な再稼働をやめ、福島原発事故の徹底的な原因解明を踏まえた新たな安全基準を国民に示すること、それに基づく評価を行い、国民に説明し、意見を求めることを求めます。
一方、私たちは、本日、大飯原発前をはじめ日本各地で抗議の声をあげたみなさまに、心からの敬意と連帯の気持ちを表明させていただきます。
多くの良識ある市民の努力により、ほぼ2カ月にわたり、「原発ゼロ」の状況を実現できたことは、日本社会は原発に頼らずにもやっていけることの証明です。
私たちは、すでに原発がなくてはならないという幻想から卒業しました。
今後とも、みなさまとともに、脱原発を実現し、エネルギーの大量消費を見直し、持続可能な社会に向けて着実な歩を進めていきたいと思います。
【関連情報】
>地震・津波に関する意見聴取会委員宛意見書(2012.07.01)
>国の審議会委員へ大飯原発破砕帯現地調査を要望 (2012.06.29)
>大飯原発敷地内で、国会議員と専門家が現地視察:報告(2012.06.27・避難の権利ブログ)
>[プレスリリース]経産大臣政務官へ大飯原発敷地内の断層の再調査を要望 (2012.06.26)
>政府交渉速報 大飯3・4号機の再稼働は止めることができる!(2012.06.25)