インドネシアのエネルギー用産業造林(HTE)マップの公開
FoE Japanは、インドネシアの森林をデータに基づき監視しているForest Watch Indonesiaと協力し、インドネシアにおけるエネルギー用産業造林(HTE)が現地の天然林やコミュニティに与える影響に関する調査・提言活動を実施しています。
その一環として、Forest Watch Indonesiaからの提供をうけ、インドネシアにおけるHTEマップを公開することといたしました。

©Forest Watch Indonesia
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HTEとは?
HTE(Hutan Tanaman Energi)は、日本語で「エネルギー用産業造林」と訳され、インドネシアにおいてエネルギー利用のためのバイオマス原料を供給することを目的とした植林ベースの林業における事業権の枠組みを指します。
実際に、HTEはインドネシア政府の認可を受けた森林地帯や、その他の指定森林地域内に設立された早生樹木植林地を通じて、木材チップやペレットなどの木質バイオマスを生産するよう設計されており、その区域に従来生えていた天然林を伐採し、植林地へ転換する「森林劣化」も認められている状態です。
FoE Japanの見解
近年インドネシア産木質ペレットの日本への輸入量が急拡大し、2024年時点ではインドネシア由来の木質ペレットの約3割がバイオマス発電の燃料として日本へ輸出されています。これは日本政府が脱炭素社会を支える再生可能エネルギーとしてバイオマス発電を促進しているためです。インドネシア現地では木質ペレットを生産するために、貴重な天然林を伐採し、HTEに転換することで森林減少や劣化を招いています。
この状態は地域住民や生態系にも悪影響を与えています。現地NGOからは天然林から単一の植林地に転換されることによる生物多様性の損失、洪水の増加やその被害の深刻化なども報告されています。
このマップにより、中央の右側にあるスラウェシ島のゴロンタロ州に多くのHTEが密集して存在していることがわかるとともに、各HTEの場所を特定することができました。また、該当地域で伐採されている森林から大量の木質ペレットが生産されていることもわかります。
私たちは引き続き現地の人々とともに、森林減少や劣化を止め、現地の人々の人権を損なわず、安心して暮らせるよう活動を続けていきます。