シンポジウム:原発事故から13年-核なき未来をめざして
東日本大震災とそれに続く東京電力福島第一原発事故から13年がたとうとしています。しかし、事故はまだ収束していません。今なお、少なくとも2万人以上の人たちが避難を継続しています。住宅提供をはじめ公的な支援はすでに打ち切られ、避難者の中には家賃の支払いに苦しみ、孤独の中に取り残される人もいます。
福島第一原発の敷地では、デブリ(溶けた核燃料などが冷えて固まったもの)の取り出しは暗礁に乗り上げています。ALPS処理汚染水(注)、除染によって生じた汚染土の処分について、大きな議論となっていますが、これらはいずれも福島第一原発事故の規模の大きさ、問題の複雑さを物語っています。
2023年、「脱炭素」の名のもとに、民意不在のまま、原発再稼働や運転期間の延長、次世代革新炉の開発・建設といった内容のGX推進法、GX脱炭素電源法(原子力基本法、原子炉等規制法、電気事業法など5法の改正)が国会を通過しました。
核のごみの最終処分場選定の第一段階となる文献調査受け入れをめぐっては、地域コミュニティで大きな分断が生じています。
一方で、本年元日に発生した能登半島地震では、震源近くに立地する志賀原発(停止中)も強い揺れと3メートルの津波に襲われ、変圧器から約2万リットルの油が漏れ、外部電源の一部から受電ができなくなるなどのトラブルが生じました。道路の寸断、海岸線の隆起、放射線モニタリングポストの故障などにより、改めて原発の脆弱性と避難計画の非現実性を浮き彫りにしました。
本シンポジウムでは、福島第一原発事故の現在や各地の状況、エネルギーの現状を概観し、脱原発やエネルギー政策を議論していきます。
注)デブリを冷やした水と建屋内に流れ込んだ雨水がまじりあった水を多核種除去装置で処理した水。トリチウムなどの放射性物質が残留しているため、ここでは「ALPS処理汚染水」とします。
開催概要
タイトル:シンポジウム:原発事故から13年-核なき未来をめざして
日時:2024年3月2日(土)14:00~16:30
開催方法:会場・オンライン会議システムzoomを併用
会場:法政大学市ヶ谷キャンパス大内山校舎402 (定員50名)
住所:東京都千代田区富士見2-17-1
>地図はこちら
【JR線】 総武線:市ケ谷駅または飯田橋駅下車徒歩10分
【地下鉄線】 都営新宿線:市ケ谷駅下車徒歩10分
【地下鉄線】 東京メトロ有楽町線:市ケ谷駅または飯田橋駅下車徒歩10分
【地下鉄線】 東京メトロ東西線:飯田橋駅下車徒歩10分
【地下鉄線】 東京メトロ南北線:市ケ谷駅または飯田橋駅下車徒歩10分
【地下鉄線】 都営大江戸線:飯田橋駅下車徒歩10分
内容(予定)
第一部
- 終わらない福島第一原発事故…佐藤和良さん/いわき市議会議員(会場)
- 能登半島地震から考える原発…北野進さん/珠洲市在住、志賀原発を廃炉に!訴訟原告団長(会場)>資料
- エネルギー基本計画と私たちの未来…吉田明子/FoE Japan>資料、川﨑彩子さん/Fridays For Future Tokyo>資料(会場)
登壇者プロフィールはこちら
第二部
各地からの報告…原発事故避難者や原発立地・近隣地域などからの報告(北海道、宮城県、茨城県、新潟県、石川県、東京都、長崎県、鹿児島県など)
- 宍戸隆子さん(北海道、福島から避難)―オンライン
- 三木信香さん(北海道、子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会共同代表)―オンライン
- 日野正美さん(宮城県石巻市、女川原発再稼働差止訴訟原告団 事務局長)―オンライン
- 大石光伸さん(茨城県つくば市、東海第二原発運転差し止め訴訟原告共同代表)―オンライン
- 武本和幸さん(新潟県刈羽村村議会議員、刈羽村を守る会)―オンライン
- 中垣たか子さん(石川県金沢市、北陸電力と共に脱原発をすすめる株主の会)―会場
- 鳥原良子さん(川内原発建設反対連絡協議会会長)―オンライン
- 阪上武さん(原子力規制を監視する市民の会代表)―会場
- 高橋英江さん(環境活動家)―会場
※終了後、同じ会場にて交流会を開催します。交流会ご参加の方は、ごみ削減の観点から、マイカップをご持参いただけますと幸いです。主催者側でも使い捨てでないカップとお茶などを用意します。
申込
オンライン参加:要申込です。以下のフォームからご登録ください。自動的にzoom参加用のURLが送付されます。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_93m22kDoSoqyuQswx8TIyg
会場参加:定員50名。人数把握のため、以下のフォームからご登録いただけますと幸いです。
https://forms.gle/rti1d28ecoKQ96Ko7
参加費:無料(ご寄付歓迎)
主催:国際環境NGO FoE Japan、法政大学国際文化学部(FICオープンセミナーとして開催)
問い合わせ:国際環境NGO FoE Japan> お問合せフォーム
第一部登壇者プロフィール
佐藤和良さん
1953年福島県楢葉町(福島第二原発立地町)生まれ。88年から脱原発福島ネットワーク世話人。30年以上東京電力との交渉を続けて来た。2004年からいわき市議会議員。福島原発震災情報連絡センター代表。福島原発刑事訴訟支援団長。ALPS処理汚染水差止訴訟原告団共同代表
北野進さん
珠洲原発反対運動に関わり31歳から石川県議を3期務める。その後、石川県平和運動センター事務局で平和運動に携わり、2011年から2期珠洲市議を務める。現在「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」団長。
川﨑彩子さん
気候正義を求める若者中心の運動 Fridays For Future Tokyoのメンバー。市民団体のネットワーク「ワタシのミライ」にも携わり、環境問題や原発、パレスチナ解放など幅広い社会問題に声を上げている。北海道出身。
吉田明子
2007年よりFoE Japanスタッフ。気候変動・エネルギー政策などを担当。「パワーシフト・キャンペーン」事務局、「原子力市民委員会」政策調査部会共同部会長。3.11後にできた脱原発の市民ネットワーク「eシフト」は現在「ワタシのミライ」に合流し、その運営メンバーも務める。