イベント
緊急市民集会 開催報告
3.11がもたらした震災廃棄物問題
~放射性物質で汚染されたがれきと下水汚泥をどうするか?
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https://www.ustream.tv/recorded/18078637
2011年10月24日、震災がれきに関する緊急市民集会を開催しました。
多くの市民は、被災地の1日も早い復興を願いながらも、放射性物質に汚染された廃棄物を広域処理することにより汚染が拡散することを懸念しています。国の方針はどのように決められているのか、その問題点は何か、自治体や地域社会はこの問題にどう対応すべきなのか、多くの地域から集まった市民が情報を共有し、対話しました。
○ 災害廃棄物の処理・リサイクルによる「二次汚染」のリスク/井部正之さん(ジャーナリスト)
当日出席できなくなった環境省の資料の解説も含め、取材に基づいた見解をお話いただきました。そもそも自治体の一般廃棄物や下水汚泥を処理する施設と放射性廃棄物を処理する施設は設備や体制が異なること、これまでの測定方法は信頼できるデータを得るには不十分なこと、現状の方針では様々な経路で汚染と被ばくの拡大は避けられないこと、8,000ベクレル/kgの基準値の決定過程は不透明であることなど、国や都の説明の矛盾や問題点が指摘されました。
そして、「裏づけのない“安全”を標榜するのではなく、被害の出る可能性も踏まえた上で、飛灰はドラム缶などの容器に詰めて保管する、排ガス測定方法を原発の放射性廃棄物処理施設に準じる、処理施設周辺はすべて管理区域扱いとするなどの対策をとるべき」と今後あるべき方向性が述べられました。
○ 地域からの報告
東京都立川市議会議員 大沢ゆたかさん
神奈川県横浜市議会議員 井上さくらさん
お二人に、各地域で起きている現状と見解をお話いただきました。
大沢さんは、震災がれきの受け入れを決定している東京都の市町村、市民の立場として、広域処理を完全に否定するわけはないが、説明が二転三転しており、現状のデータでは「安全」とは判断できないこと、信頼できるデータが必要であることを強調しました。
井上さんからは、横浜市の下水汚泥焼却灰が行き場を失い、市が海面埋め立て処分を決めたが市民の反対でかろうじてストップした経緯を報告いただき、国の方針と市の対応の「ふたつのザル」が露呈されたと指摘しました。また、汚染の責任を一義的に負う東電の施設の提供を求めるなどの今後の対応への提案もありました。
○ 質疑・ディスカッション
会場から活発な質問、発言が相次ぎました。その中で「本来、コストをかけてでも集中管理することが大前提の放射性物質を、今回、なぜ拡散させる方針になったのか」という点で重要な対話がありました。井部さんは、「今回は私たちの合意もなしにいつのまにか分散処理になってしまった。それは、何かの考え方に基づくというよりは、現状追認による結果である。私たちは今、転換点にいると思われ、危惧している」と述べました。
今回の集会では、様々な見解、地域の情報が共有され、国、自治体に対して、市民が何を求めていくべきかを考える重要な場になりました。
※ 当日の資料は参加費実費で頒布しています。
お申込みはこちら 廃棄物政策担当<tsukaisutezero@foejapan.org>
※環境省「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針骨子案」等に対する意見の募集
https://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14327
※FoE Japanの提出意見(2011年10月26日)
https://www.foejapan.org/energy/news/pdf/111026.pdf