現地レポート
春の緑化活動レポート ~活動地からの報告・第3回~
春の活動レポート、しばらく間があいてしまい申し訳ありません。
第3回は、活動地の近況をお届けします。
木を育てる知恵広める「ビデオ行脚」
萌芽更新で新しく伸びたポプラ (ビデオで紹介した取り組み例) じっと画面を見つめる住民 |
春の活動準備と並行してビデオ行脚を始めました。ここ数年「木を植えたい」という声が多くなりました。防風林ができれば飛砂が減ることを住民は知っています。もう一つの狙いは「育った木は材木として売れる」ことです。実はこちらの動機が結構強いのです。10年前に植えた木は、もう売れるものができ始めました。
そこで昨年夏、木を上手に育てている住民の取り組みをビデオに収めました。これを緑化作業が始まる前に、ぜひ多くの住民に紹介しようと活動地の村々を訪問しました。
ビデオには、果樹栽培や農業技術に秀でた方、荒地での植樹や木の育成に熱心で、多種の草木で緑化しながら利用している方の考えや取り組みを記録しました。彼らは木を売って「おしまい」にはしません。その後をきちんと考えています。
「自分も次は果樹を」「文冠果を植えてみようかな」。樹種の選択から緑化後の利用まで、経験に裏打ちされた知恵に関心が集まりました。今後もいろいろな知恵を集めて紹介していきたいです。
春の緑化活動スタート
ポプラを植える住民(4月28日ダチンノール村) |
春、凍った地面が融け始めた頃が苗木を植えるのにもっとも適した時期です。今年は例年よりも遅い4月中旬~下旬、ダチンノール村3期地区とブッティルモ村で植樹作業が行われました。どちらも昨年、活動1年目にして緑の回復へ大きく前進した場所、2年目も楽しみです。
ダチンノール村では苗木を植えるほか、新しいポプラを試験的に挿してみました。ポプラには数多くの種類があるのですが、近隣で見つけた立派な防風林から枝をいただき挿してみたのです。
これがうまく育てば、今までのように1年間育てた苗木を使う必要がなくなるかなと期待されます。ここ3期地区でも、防風林のように大きく育ってほしいです。
マツを砂から掘り出し(ダチンノール) |
砂がかぶったマツの苗を掘り出す作業もしました。活動地の北側外にあった流動砂丘の砂が防風ネットを越え流れ込み、たくさんの苗木がすっぽり埋まってしまったのです。まだ小さいのでしばらくはこういう手入れが必要です。現地スタッフと住民でやりました。
この地域には常緑樹はほとんどなく、冬期は砂の茶色の世界になってしまいます。私たちが植えているマツを見て、植えてみたいという住民が増えています。
やはり本物の緑はなにか人に安らぎを与えるのでしょうか。今までも緑化隊のマツ苗木を2本、3本と家に持ち帰る農民はいました。今年は村や家庭で、マツの苗木をたくさん支援しました。
家庭支援では果樹を応援 |
いくつかの村では苗畑も作っています。4月中旬、二つの村で住民の庭先や畑の一角に3年前から育てていたドングリを植えました。ドングリの実は家畜の餌になることを知って興味を持ったのです。
家庭農牧場では、支援先の1つが果樹を育てる試みを開始、リンゴ、ナシ、ヤマアンズ、文冠果の苗を植えました。
これまで毎年、活動地を増やしてきましたが、今年は活動地を広げず、緑化後の緑をどう育てていくかに力を注ぎます。いろいろな樹種や手法を探して、緑を利用しながら維持する方法を、それぞれの活動地で見つけていきたいです。