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福田さん、オンダンカクサ(温暖化+格差)と向き合って!

 

サミット議長国として大幅削減と公正な資金メカニズムにコミットを

北海道洞爺湖で開催されるG8サミットの最大の議題は気候変動対策です。京都議定書第一約束期間が終わる2013年以降の枠組づくりの交渉は、2009年末までの合意が必要とされています。

合意には途上国の参加がカギとなりますが、途上国側は温室効果ガスの削減義務を課されることを拒否、先進国がまず削減すべきと主張し続け、交渉は平行線をたどっています。

そこで、途上国への「アメ」、すなわち「適応支援」、「技術移転」、「森林減少防止」のための先進国からの資金拠出が論点になっています。

このサミットで日本は次期枠組づくりヘ向けて主導権を発揮しようとしていますが、そこには多くの課題が山積されています。

日本は先進国の責任ある削減目標を
CDMの落とし穴
適応支援と資金メカニズムに注視を
バイオ燃料ブームが招く食糧難・森林減少・土地紛争
気候変動だけではない「オンダンカクサ」の危険性
サミット議長国としての責任あるリーダーシップとは

FoE Japan の主張

「オンダンカクサ(温暖化+格差)とG8の責任」
〜バイオ燃料、資金メカニズム、森林減少対策(REDD)と公平性〜

温室効果ガスの大幅削減に向けた中長期目標にG8首脳が合意することは重要ですが、実施される温暖化対策が取り返しのつかない環境・社会影響を生じさせたり、途上国からのクレジットで削減義務をオフセットし実質的削減が大きく目減りしてしまってはなりません。

このような排出責任と影響の格差、および先進国の温暖化対策が引き起こす途上国への新たな環境・社会影響を私たちは「オンダンカクサ」と呼び、サミットに集まる先進国首脳に対して、オンダンカクサ解決のために以下を実現するよう求めます。

気候変動問題へのG8の責任
○先進国は2020年までに1990年比で少なくとも40%の温室効果ガスの排出削減をしなければならない。G8は率先して自国内での脱化石燃料社会の実現を進めること。

バイオ燃料と食糧
○先進国は、大規模農業によるバイオ燃料の開発・生産・貿易を速やかに停止すること。これに加え、輸送用バイオ燃料の導入目標をいったん凍結し、諸課題を検討するためのモラトリアム期間を設けること。

○検討にあたっては、食糧問題、土地利用問題、エネルギー効率、資源の有効利用、生物多様性、交通対策、費用対効果など幅広い視点を考慮し、輸送用バイオ燃料を適切かつ地域的な生産・利用に限定する基準を作ること。

気候変動対策のための資金メカニズム
○途上国への気候変動対策支援は、先進国の「気候債務」に対する義務として行うものである。資金は国連気候変動枠組条約の締約国会議の決定に基づいて拠出されるべきである。適応対策支援は、多国間プロセスにおける適応対策の定義の合意とニーズアセスメントに基づくとともに、融資ではなく、無償でおこなわれるべきである。

○気候変動対策に逆行する化石燃料へ投じられている公的資金の投融資・ 補助金等の支援を、持続可能なエネルギーや省エネルギー化への転換促進に振り向けること。

○技術移転を含む緩和対策は、脱化石燃料社会への転換と持続可能な開発を促すために充てられるべきであり、化石燃料や大規模農産物起源のバイオ燃料、大型水力、原子力など、甚大な影響を及ぼしかねない事業に投資・支援しないようクリーン・テクノロジーの定義と選定基準を明確にすること。

○途上国支援は、先進国の削減義務をオフセットするものであってはならず、温室効果ガスの実質削減を伴うものであること。

森林減少からの温室効果ガスの排出対策
○深刻な森林減少問題は、生産国での森林・土地利用におけるグッドガバナンスの欠如、地域住民の土地・森林利用権の侵害、および林産物や商品作物への巨大な需要と貿易が引き起こしていることを認識し、G8は率先して、林産物や商品作物の過剰消費の削減に取組むこと。

○林産物や商品作物の生産への投資や製品の国際貿易に対して、環境・社会影響を回避する生産・流通を担保する法制度を設け、これを投資・貿易の条件とすること。制度作りは開かれた手続きで行うこと。

○REDDなど森林減少対策の制度づくりにおいては、炭素機能だけでなく森林の多面的機能を十分に考慮するべきである。また、途上国の森林減少対策が先進国の削減義務をオフセットするものであってはならない。

詳細はこちら
FoE Japan ブリーフィングペーパー/日本語[PDF・678KB]
FoE Japan ブリーフィングペーパー/英語 [PDF・202KB]

G8環境大臣会合へのメッセージ

5月21、22日に東京・広尾にてG8環境大臣会合に向けた国際市民フォーラム「バイオ燃料・森林減少防止は気候変動対策となるか?〜先進国の役割と責任」を開催しました。
同フォーラムでは、大会宣言としてG8環境大臣会合へのメッセージを発表しました。

開催報告はこちら

関連資料リスト
関連イベント
5月21・22日
G8環境大臣会合に向けた国際市民フォーラム
「バイオ燃料・森林減少防止は気候変動対策となるか?」
JICA地球ひろば(東京)
7月6日 記者会見: 「オンダンカクサとG8の責任」
  〜バイオ燃料・資金メカニズム、REDDに関しての
     G8諸国に対する声明〜
市民メディアセンター北海道大学・クラーク会館2階
7月7日 G8市民サミット「オンダンカクサとG8の責任」 札幌コンベンションセンター
204号室
7月9日 記者会見:FoE International, FoE Japan 主催
「G8洞爺湖サミットはオンダンカクサにどう向き合ったか」
インターナショナルメディアセンター(札幌)
7月1〜31日 パネル展「低炭素社会への道すじ」 丸の内さえずり館(東京)
7月17日 セミナー 「『オンダンカクサ』の向こう側」 丸の内さえずり館(東京)
   
FoE International/FoE Japan 発表資料
【FoEJ プレスリリース】オンダンカクサ(温暖化+格差)を拡大しつづけるG8 責任回避はもうたくさん 2008.07.09
【FoEI プレスリリース】G8は最大の排出者に世界を託した 〜G8ステートメントに関するコメント〜 2008.07.08
【FoEJ プレスリリース】巨大なG8には小さな前進もできず 〜G8洞爺湖サミット気候変動合意〜 2008.07.08
【FoEI プレスリリース】世界銀行、G8に暗雲漂わせる 2008.07.08
【FoEI プレスリリース】世界銀行の気候投資基金の中止をG8首脳に要請 2008.07.04
   
その他

市民サミット分科会「オンダンカクサとG8の責任」(7月7日札幌) 発表資料 
  >バイオ燃料とオンダンカクサ(泊みゆき) [PDF・0.87MB]
  >森林減少対策:森林からの炭素取引への懸念(中澤健一) [PDF・1.89MB]
  >世界銀行の気候投資基金に対するNGO共同声明 [PDF・20KB]
  >なぜ世界銀行気候変動投資基金は阻止されるべきか(FoEI) [PDF・93KB]

2008.07.09
問合せ

G8サミット期間中の活動内容・イベントに関するお問合せはこちらまで
【担当】 瀬口 亮子(東京)  中澤 健一・江原 誠 (札幌) 

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