FoE Japan
2008.07.08
本日午後、福田首相により、今回のG8洞爺湖サミットにおける気候変動に関する合意が発表されました。
以下、福田首相の言葉でいう「次のステップに進むための基礎固め」という合意の要点です。
@ G8は世界排出量を2050年までに現在から少なくとも半減することに合意。
それを世界が合意するように働きかけをしていく。
A G8は科学技術の開発においてリーダーシップをとっていく。
B G8は、国別総量目標設定のための方法に合意を図る。
C 多国間気候投資基金を設立する。
(日本はクールアース・パートナーシップ基金の枠組みで貢献していく。)
また、国別の中期目標に関しては、今回のG8合意では数値は盛りこまず、
そのあり方に対しては、「いろいろな対応の仕方がある」と言葉を濁しました。
今回のG8合意に対してFoE Japanは以下のように考えます。
2050年までに世界の排出量を半減するという長期目標の合意に、アメリカを引き込んだことは評価できます。しかしその一方で、アメリカ、カナダおよび主催国である日本が反対したため、先進国の国別の中期目標には合意できませんでした。
自らの責任を拒みながら、途上国に拘束力を伴う長期目標へのコミットメントを求めたとしても、地球的な協力を進めるために必要な信頼関係を築くことはできないで
しょう。
日本は即刻中期目標を設定し、次期枠組みに対する日本の誠意ある姿勢を世界に示すべきです。そしてその中期目標設定は、科学的知見に基づかなければなりません。
また、気候変動に関する多国間基金をG8が設立することについては、すでに国連の下での交渉を尊重すべきと主張する途上国諸国を含め、国連交渉において資金メカニズムに関する様々な積極的な提案がでてきています。にも関わらず、国連交渉の枠外である世界銀行の下に新しい基金を創設させ、巨額の資金を拠出することは、公平性を無視した国連交渉に対する妨害行為だと考えます。
(洞爺湖サミット国際メディアセンター)
コメント:小野寺 ゆうり
編集 :柳井 真結子
コンタクト >energy@foejapan.org
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