【5/28 アクション報告】オンライン署名 「日本政府にミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を求めます」11,210筆提出 官邸前アクション
#ミャンマー軍の資金源を断て
#JapanStopODAtoTheMyanmarJunta #NoMoreBusinessWithTheMyanmarJunta
2021年にミャンマーで軍がクーデターを起こしてから、ミャンマー軍によって殺害された人は確認されているだけでも5,107人に及び、今も2万人以上の人たちが不当に拘束されたままです(5月20日時点。政治囚支援協会調べ)。国連人道問題調整事務所(OCHA)の発表では、人道援助を必要とする人は人口の3分の1の1,860万人にも及びます[1]。一方、昨年10月以降、軍の劣勢が伝えられています。軍は兵員の不足から、2月に徴兵制の導入を発表し実際に徴兵が行われていますが、軍に入って市民と戦うよりはと、多くの若者が抵抗勢力側に加わっていると伝えられています。地上戦で不利な軍側はますます空爆に頼るようになり、多くの民間人が殺害され続けています。
日本政府はこの状況でも、ミャンマーへの二国間の援助である政府開発援助(ODA)を続けています。日本政府は7,396億円にも上るODAの円借款事業や、軍と繋がりのある民間投資への支援を継続しています。これを止めたいと考える人びとの声を可視化するため、「#ミャンマー軍の資金源を断て」呼びかけ団体では「日本政府にミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を求めます」というオンライン署名を実施中です。2月1日に1,282筆を提出しましたが、今回、9,928名の方から新たに賛同をいただき、合計11,210筆(5月21日時点)の署名を日本政府に届けました。
署名サイト:https://chng.it/hZd6LSXjFG
日本政府が既存のODAや公的資金の供与を続けることには、2023年12月1日の要請書[2]で指摘した通り、以下のような問題点があります。
第一に、既存のODA案件については2021年2月のクーデターにより契約先が消滅したにもかかわらず、二国間の国際約束を伴うODAを継続していることなどで、日本政府がクーデター後の軍事支配体制を暗黙に支持しているように見えることです。
第二に、ODA事業や公的資金を供与している事業が、バゴー橋建設のように軍系企業に利益をもたらし、軍を利することです。ODAの海外投融資案件であるティラワ経済特別区(SEZ)事業では、日本政府は大手商社・銀行と共に、工業団地部門を運営するミャンマー・ジャパン・ティラワ・ディベロップメント社(MJTD)に出資をしています。クーデター後すぐに軍がティラワ管理委員会の委員長を拘束し新たな人物を任命しており、事実上、軍が運営に関わっている状態です。MJTDに利益があった場合には配当が支払われますが、この配当が軍を利する可能性は否めません。また、日本政府は、ODA以外の公的資金もミャンマーでの民間事業に供与しています。ヤンゴン博物館跡地再開発事業(通称:Yコンプレックス事業)は、ミャンマー最大都市ヤンゴンで、陸軍が所有する軍事博物館跡地に大規模複合不動産を建設・運営する事業ですが、国土交通省所管の官民ファンドである海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)が出資、また、財務省所管の輸出信用機関である国際協力銀行(JBIC)が融資しています。Yコンプレックス事業が関係している兵站局は、英国政府に「弾薬、爆弾、ジェット燃料といったミャンマー軍の装備の調達に重要な役割を担う」機関である、と指摘を受けています[3]。
第三に、日本政府が貸し出したODA資金がミャンマーの金融機関にプール・管理される「ツーステップローン」という形のODAがあります。その資金が、金融機関を支配下に置くミャンマー軍の管理下に入る恐れがあります。
そして第四に、円借款はミャンマーが日本に返済しなければいけない「融資」である点です。これは、ミャンマーの人びとの負う債務を増大させます。既に2020年までの日本政府からの貸付累積額が27億6180万ドル[4]となっているミャンマーに、新たに7,396億円(11月10日のレートでおよそ49.3億米ドル)もの債務が追加されることとなります。上述のとおり、ミャンマー軍の資金源となっている、またはその可能性が十分にあるODAの返済を、ミャンマー軍による深刻な人権侵害や残虐行為に苦しむミャンマーの人びとに数十年先まで負わせることになってしまうのです。
こうした問題点の指摘に賛同してくださった1万人の声を届けるため、総理官邸前でのアクションを行いました。
[1] OCHA Myanmar:
https://www.unocha.org/myanmar
[2] 【要請書】ミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を日本政府に求めます
http://www.mekongwatch.org/PDF/rq_20231201.pdf
[3] Foreign, Commonwealth & Development Office, “New UK sanctions target human rights violations and abuses in Myanmar and Pakistan,"
December 10, 2021: https://www.gov.uk/government/news/new-uk-sanctions-target-human-rights-violations-and-abuses-in-myanmar-and-pakistan
[4] 外務省 ODA国別開発協力実績アジア.
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/kuni/asia.html
官邸前アクションの様子
呼びかけ団体
メコン・ウォッチ、国際環境NGO FoE Japan、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、アーユス仏教国際協力ネットワーク、日本国際ボランティアセンター(JVC)
問い合わせ先
国際環境NGO FoE Japan
Email: info@foejapan.org 電話: 03-6909-5983